触らぬ神に祟りなし
うちの旦那さんはカード手品ができる。なんでも「宴会芸」で使うことが多かったから、若い頃にかなり気合いを入れて練習したようだ。
ここ10年くらいはそんな宴会もなく、披露する場所を失った「一芸」は、時折家の中で炸裂する。
子どもは手品に全然興味がなく、全く相手にしてもらえないので、自然に私に向かってやってくる。
「ちょっとこのカードから一枚抜いてみて」なんて言いながら、にこにこしながら寄ってくる時は要注意だ。二時間くらい、時々失敗しながらカード手品に付き合うことになる。
その楽しそうな様子を見ていると「私、そろそろお風呂に入って寝たいんだけど。」とは言えなくなって、夜中の2時まで付き合うとか・・・正直、迷惑この上ない。でも、スゴく楽しそうなのだ。
一通りの手品を披露したあとは、種明かしタイムになるわけだが、何度も聞いてほぼ覚えてしまったものを「へぇー。そうなんや!それ、難しそう」などと適当な相槌をうちながら聞き続けるのは、けっこうだるい。
ある時あまりにもだるいので、「そのタネ知ってる!」と言ってみたことがある。
シュンとするかと思ったら逆効果で、そのタネの公開をしているYouTubeを見せられ、一緒に練習するはめになり、結局時間がかかってしまった。
「触らぬ神に祟りなし」
うんうんって聞いておけばよかったと、ひどく後悔した。
こういう失言はけっこうあって、こちらは話を終わらせたいと思って言ったことが、相手に「興味があるならもっと!」などと勘違いされて、30分で済んでいただろう立ち話が二時間になったりするのは多々ある。
いつも多忙な訳じゃないし、お付き合いの一つと思って耐えてはいるが、実は興味のない話を延々と聞くのは苦手だ。ご近所付き合いも大切だが、ほどほどにしたいと思う今日この頃である。