天国への近道
「永遠の命とは、唯一のまことの神でいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストとを知ることであります。」
ヨハネの福音書17章3
【ザアカイの回心】
1 さて、イエスはエリコにはいって、その町をお通りになった。
2 ところが、そこにザアカイという名の人がいた。この人は取税人のかしらで、金持であった。
3 彼は、イエスがどんな人か見たいと思っていたが、背が低かったので、群衆にさえぎられて見ることができなかった。
4 それでイエスを見るために、前の方に走って行って、いちじく桑の木に登った。そこを通られるところだったからである。
5 イエスは、その場所にこられたとき、上を見あげて言われた、「ザアカイよ、急いで下りてきなさい。きょう、あなたの家に泊まることにしているから」。
6 そこでザアカイは急いでおりてきて、よろこんでイエスを迎え入れた。
7 人々はみな、これを見てつぶやき、「彼は罪人の家にはいって客となった」と言った。
8 ザアカイは立って主に言った、「主よ、わたしは誓って自分の財産の半分を貧民に施します。また、もしだれかから不正な取立てをしていましたら、それを四倍にして返します」。
9 イエスは彼に言われた、「きょう、救がこの家にきた。この人もアブラハムの子なのだから。
10 人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うためである」。
・十ミナのたとえ
11 人々がこれらの言葉を聞いているときに、イエスはなお一つの譬をお話しになった。それはエルサレムに近づいてこられたし、また人々が神の国はたちまち現れると思っていたためである。
12 それで言われた、「ある身分の高い人が、王位を受けて帰ってくるために遠い所へ旅立つことになった。
13 そこで十人の僕を呼び十ミナを渡して言った、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』。
14 ところが、本国の住民は彼を憎んでいたので、あとから使者をおくって、『この人が王になるのをわれわれは望んでいない』と言わせた。
15 さて、彼が王位を受けて帰ってきたとき、だれがどんなもうけをしたかを知ろうとして、金を渡しておいた僕たちを呼んでこさせた。
16 最初の者が進み出て言った、『ご主人様、あなたの一ミナで十ミナをもうけました』。
17 主人は言った、『よい僕よ、うまくやった。あなたは小さい事に忠実であったから、十の町を支配させる』。
18 次の者がきて言った、『ご主人様、あなたの一ミナで五ミナをつくりました』。
19 そこでこの者にも、『では、あなたは五つの町のかしらになれ』と言った。
20 それから、もうひとりの者がきて言った、『ご主人様、さあ、ここにあなたの一ミナがあります。わたしはそれをふくさに包んで、しまっておきました。
21 あなたはきびしい方で、おあずけにならなかったものを取りたて、おまきにならなかったものを刈る人なので、おそろしかったのです』。
22 彼に言った、『悪い僕よ、わたしはあなたの言ったその言葉であなたをさばこう。わたしがきびしくて、あずけなかったものを取りたて、まかなかったものを刈る人間だと、知っているのか。
23 では、なぜわたしの金を銀行に入れなかったのか。そうすれば、わたしが帰ってきたとき、その金を利子と一緒に引き出したであろうに』。
24 そして、そばに立っていた人々に、『その一ミナを彼から取り上げて、十ミナを持っている者に与えなさい』と言った。
25 彼らは言った、『ご主人様、あの人は既に十ミナを持っています』。
26 『あなたがたに言うが、おおよそ持っている人には、なお与えられ、持っていない人からは、持っているものまでも取り上げられるであろう。
27 しかしわたしが王になることを好まなかったあの敵どもを、ここにひっぱってきて、わたしの前で打ち殺せ』」。
28 イエスはこれらのことを言ったのち、先頭に立ち、エルサレムへ上って行かれた。
ルカ19:1-28 (マタイ25:14-30)
※一ミナは約100日分の労賃に相当する額。
つづく
記事を見てくださりありがとうございます。少しずつですが、聖書の神を投稿していきたいと思っています。今後とも長いお付き合いになるかとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
※記事に使用している聖句は、日本聖書協会発行の口語訳聖書。
新約1954年版、旧約1955年版は2005年に著作権保護期間が終了している。