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明石家さんま氏の罪|「性的同意」とメディアの性情報⑤
単発でHをするのがカッコいいと思っていた頃、マサユキ(仮名・21歳)は合コンで出会った女の子を、出来るだけ家へ誘うようにしていた。
「家に呼んだらHの成功率は90%くらいですね。デートしてご飯食べて『家行く?』と誘うんです。多分『うん』と言うんだろうなという時でないと、そんな大胆なこと言わないですけど」
高い成功率を誇るマサユキだが、女性が家へ来た、というだけで舞い上がってはいけないと自分を戒めてもいる。過去の苦い体験があるからだ。大学1年のとき、合コンで出会った女の子の家に招かれたことがある。当時はまだ女性経験のなかったマサユキの頭の中に「この子、Hしたいのかな」という期待がふくらんだ。
「中高生の頃見ていたテレビで、明石家さんまとかロンドンブーツとかが、『家へ呼んだらやらなきゃいけないっしょ』とちょいちょい発言していたんですよ。例えば深夜番組で、出演する女子が『男性の部屋に行ったら迫られた』と怒ったら、さんまは『ええやん、当たり前やん』と。それを見て、そんなもんかな、と思ってました」
その子の部屋へあがると、早速とばかりに迫ったマサユキ。ところが、彼女にものすごく拒否をされた。
「これでやったら犯罪になる、と思って止めました。その後はふてくされて寝ましたよ。何なんだこの女、ふざけんなと。お前も家に呼ぶなよ、と思いました。やっぱり頭にあるんですよね、女の子が家に呼んでくれたら必ずいけるっていうメディアの情報が。それを崩されたんで」
やはりHの相手はナンパで探すというケンジも、同様の経験をしたことがあるという。
「家に来たらOKだろうと思ってたんですよ。でも、さりげなく迫ったら、さりげなく拒否されました。ちょっと寄ったら、身を離された感じ。言葉は発しないんですけどね。あ、違うな、と察しました」
OKサインの見極めに、男子は悶々とするようだ。ある男子学生は、筆者によるアンケート上に、こんな独白を寄せた。
「複数人で飲んでいた時、気になる女性に、ここを抜けて2人で飲みなおさないかと誘ったら、承諾してくれました。2人で飲みなおしている時に、終電を気にするべき時間になってきたので、一応『終電は大丈夫か』と相手に聞いてみたところ、彼女が『終電はもう今からでは間に合わず、逃してしまった』と言うんです。
終電がなくなるかどうかの微妙な時間帯に終電を聞いたものの、本当に帰るつもりなら、前もって時間が遅くなるのはNGだと言うだろうし、終電の時間のように大切な時間はちゃんと気にするものだ、という自分の中での認識があったので、この日はOKなのだろうと解釈し、ホテルに連れて行きコトに及びました」
この時はうまくいったものの、彼は、相手を注意深く観察することに心を砕いている。
「同じような状況で、家(1人暮らし)に泊めたときに性交渉を拒んだ人もいました。本当にうっかり終電を逃してしまったのか、純粋にそういった性交渉を想定しないでいたのか、それとも今晩一緒にいてくれるということなのかといった判断は、相手の様子(あせり具合とか、性格とか)によって適宜判断して、コトに及ばず家まで送り届けるときもあります」
マサユキはいま、男友達とHについて話すとき、「いや、家へ来たからって100パーセント出来るわけでもないよ」と教えるようにしている。伝道師の役割健在である。
「女友達にも、男の家には行くなよと言ってます。学校のクラスメートの女子なら家に来ても一緒に勉強するだけ、ってのはあるけど、合コンで会った男の家に行ったら終わりだと思う。距離が遠い関係だから、人間関係が出来てないですもん」
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