小説『夏追いサンドキッカー』
普段、学校ではクラス長としての仕事を全うしている男、長暮エイジ。
そんな彼に訪れた夏休みの物語である…
夏休みが始まって早一週間、冷えた部屋の中に籠ったクラス長は買っただけのプラモデルを組み立てていた。
「...エイジ、ご飯よ。」
「うぃー。」
外したパーツをとりあえずくっつけ箱に戻した彼は、下のリビングへゆっくり降りていく。
「え、鍋?」
「いや、もう鍋の素の賞味期限切れちゃうから。」
「いや夏に鍋はいいんだけど...お昼だよ?」
冷えた部屋の中、蓋を取りモクモクと浮か