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ガイドのための体力測定&トレーニング合宿

先日、登山ガイドの方を対象に「登山のための体力測定&トレーニング合宿」を開催しました。開催するきっかけとなったのは、「仕事の合間の時間でも効率よく体力や筋力アップできる方法を知りたい」「登山に特化したトレーニング方法を知りたい」と声をいただいたためです。効率よく体力や筋力アップをするためには、やはり、自分の弱点を知ることが大事なので事前に測定も行いました。

ちなみに今回参加いただいたガイドの皆様に事前に聞いた「今回のイベントで学びたいこと」については以下のような感じでした。

・体が細いので、重い荷物を背負っても耐えられる筋力をつくるやり方と、クライミングがうまくなるフィジカルを養うトレーニング方法
・お客様のトレーニング全般
・ガイド時のクライアントへのトレーニングのアドバイス
・体力、心肺機能、バランス力向上など
・登山後の身体のケア
・山小屋でもできるクライミング能力を維持する為のトレーニングや身体のケア、トレーニング方法
・スキーやクライミングがヘタなので、体幹を鍛えたい

① 登山のための体力測定

初日は長野県の太郎山でLT測定最大酸素摂取量測定行いました。
LTとは、乳酸が2mmmolを超えるあたりのポイントのこと。これ以下の強度(速度)だと、体は疲労せずに歩き続けることができると言われており、登山はこの強度以下で行うことが大事です。今回は、各自のLTポイントがどのくらいの強度(速度)なのかを調べました。例えば、コースタイム通りの速度がLTなのか、コースタイムより速いペースがLTなのか、で強さがわかります。LT値は、登高能力測定を行い、各速度での心拍数やRPEを記録する方法で求めます。
*具体的な方法は以下のページをご覧ください。

次に、最大酸素摂取量の測定は、15分間でどのくらいの標高差を稼ぐことができるか、を調べてそこから最大酸素摂取量を推定式で算出する方法で行いました。

<ガイドに必要な体力>
・コースタイム×0.8のペースを楽に登る体力(LTポイント=登高速度450m/h)
・最大酸素摂取量は約50ml/min(フルマラソンだと4時間で完走できる体力)

太郎山は落ち葉の絨毯でした

② Inbody測定
弱点が「持久力」にあるのか「筋力」にあるのかを調べるために、筋肉量も測定しました。これは、割と簡単にできるInbody測定を取り入れました。体重、体脂肪率、筋肉量だけではなく、腕や足や体幹にどのくらいの筋肉量があるかを測ることができます。例えば私の場合は、クライミングを本格的に始める前と後では脚の筋肉量は変化はなかったけど、腕と体幹の筋肉量が増えたことがわかりました。行っているトレーニングが目的に合っているかを確認できてよかったです!

<ガイドに必要な筋肉量>
一般標準値+αの筋肉量、もしくは筋肉量は多くなくても効率よく使える身体作り

③ 体の使い方とトレーニングの意識

2日目のトレーニングは、ウエイトリフティング指導員の河原祐輔さんに、トレーニングを行う際の体の意識と使い方について丁寧に教えていただきました。スクワット(下半身)、プレス(上半身)、グッドモーニング(体幹)などの姿勢と動きの確認を行い、トレーニングをする上で気をつけるポイントを身につけます。ほんの少しの姿勢の違いで、行っているトレーニングが効果的になるか、そうではなくなるか、実際に体験してみて目からウロコのことばかり。

最後にはしっかりと追い込むこともできて、とても満足でした。トレーニングの姿勢の話は忘れてしまいそうなので、復習がとても大事!仕事中にバーベルを持って、こっそりやってみようかと思います(笑)

基本の意識ができてこそ、他の種目への発展ができるのかもしれません。「継続は力なり」だし「基礎が大事」だと改めて感じました。

まとめ

・トレーニングは1人でも行うことができる。でも、みんなで行うことでより高い強度で自分を追い込むことができる。時にはみんなでトレーニングを行う計画を立てよう!
・トレーニングの内容が合っているか、成果が出ているか。定期的に測定を行うことでトレーニングの成果を確かめよう。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました

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