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9割のリーダーが間違う? 効果的なフィードバックの伝え方

「フィードバックをしているのに、部下が成長しない」
「フィードバックを伝えたつもりが、ただの説教になっている気がする」
「フィードバックをしても、なぞるだけで自分で考えるようにならない」

なんて、思ったことありませんか?

私は、エグゼクティブコーチとして多くの経営者の方々と対話を重ねる中で、「フィードバック」という言葉の持つ難しさを実感してきました。

フィードバックは人材育成において、最も強力なスキルのひとつ。
しかし、マネジメントに取り入れると「なんだかうまくいかない・・・」と、多くの方がフィードバックを活用しきれずにいます。

その理由の一つは、「フィードバック」の本当の意味を知らずにいるから。

本記事を読むことで、あなたは以下のことが分かるようになります。

- フィードバックの本質について
- なぜあなたのフィードバックが機能しないのか
- 効果的なフィードバックの5つのステップ


よくある悩み:フィードバックを伝えてはいるけれど

ある営業部門統括役員の山下さん(仮名)から、こんなご相談をいただきました。

育成のため、商談やお客様への提案プレゼンなどの後に必ずフィードバックの時間を取っているのですが、あまり効果的でないように感じています。

成長して欲しいと思ってやっているのですが、むしろ部下のモチベーションを下げているような・・・。

かと言って、フィードバックを伝えずに我流で進めていくようでは困る!

フィードバックを効果的に活用するためにはどうしたらいいのでしょうか。

山下さんの悩みの核心は、フィードバックの本質が正しく理解されていない点にあります。

では、効果的なフィードバックとは何か、具体的な方法をお伝えしていきます。

フィードバックの本質を見直す

実は、9割以上の方がフィードバックを正しく理解していません!

評価や次年度の給与を伝える時間に「フィードバック面談」なんて名前がついていることもあれば、単なるダメ出しの時間を「フィードバック」と呼ぶ人もいます。

この言葉の曖昧さがフィードバックの活用を難しくしているのです。

フィードバックの本質は、「目標達成に向けての前進・軌道修正のための情報」です。

フィードバックの語源の一つは軍事用語とされています。

大砲を撃った時に、命中したか、何メートル先に落ちたかなどの情報を伝えることがフィードバックの始まり。

ここに「100メートル先に落ちたから、大砲を打つのが下手」とか「もっと強く打て!」などの評価や指示は入りません。

つまり、純粋に見たままの情報を伝えるのがフィードバックなのです。

効果的なフィードバックの5つのステップ

では具体的に、どのようにフィードバックを伝えるのか。
5つのステップをご紹介します。

STEP1. 目標の確認

まず、部下がどんなことを伝えようとしていたのかを確認してください。

例えば、AとBの商品があり、Aの魅力を顧客の視点で伝えようとしていたのに、Bの性能アピールが弱かったと指摘しても意味がありません。だって、伝えようとしていなかったから!

これが共有できていない限り、フィードバックの観点はズレ続けます。

STEP2. 工夫したことを聞く

部下が目標達成のために、どんなことを意識していたのかを聞いてください。具体的な工夫や取り組みを共有してもらうことで、その意図を理解することができます。

「Aの魅力を顧客視点で伝えるために、資料にリアルな顧客の声を多く取りいれました」

「顧客からの喜びの声の多さを数値で示しました」

こんな声が上がってくるはずです。

STEP3. 伝わり方のフィードバック

部下の工夫がどのように相手に伝わっていたかを具体的に伝えます。時には、意図したものと異なる印象を与えていることもあります。

「顧客の視点はいいんだけど、感想が多すぎてプレゼンをする担当者の主観ばかりのようにとらえる人もいるかもしれない」

「具体例を示しすぎて、結局どうなのか、わかりにくくなっていたように感じたよ」

こんな風に、STEP2で聞いた部下の工夫について、感じたことを伝えてください。

STEP4. Good/Bad/Moreの観点での全体フィードバック

- Good:うまくいった点
- Bad:改善が必要な点
- More:もっと伸ばせる可能性がある点

この3つの観点からフィードバックを行います。
良かった点を見つけ、強みとして伸ばしていくことが重要です。

STEP5. フィードバックを聞いてどう思ったのかを話す

「話してみてどう感じた?次のプレゼンではどんなことを意識したい?」

最後に、フィードバックを受けてどう感じたのか、本人に必ず聞いてください。

フィードバックを聞いてどう思ったのか、部下と整理する時間を取ることで、気づきや今後のアクションを明確にします。

このアプローチを実践することで、以下のような効果が期待できます:

- 上司と部下の認識が揃う
- 部下の「そうじゃないのに・・・」というモヤモヤ感が解消される
- 成長のための建設的な対話の場が生まれる
- 信頼関係の構築につながる

まとめ

フィードバックは、単なる評価や指摘ではありません。

上司と部下が同じ目標に向かって対話を重ね、互いの認識を確認し合う。
建設的なフィードバックを続けることで、部下は自信を持って成長し、組織全体のパフォーマンスも向上していきます。

すぐに実践できる5つのステップを意識し、部下の成長のためのフィードバックを伝えてみてください。


本記事の内容は、youtubeでよりわかりやすく解説しています。
「フィードバックについてもっと知りたい」と思われた方はこちらをご覧ください!


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