殺したのは”AI(アイ)”が欲しかったから AI:ソムニウムファイル クリア後レビュー
久々のNote
この間のことをちょっと。期待していた真・女神転生5まではあれこれとゲームやりつつ過ごしていましたが(それについては別Noteにて公開予定)メガテン終了後は子どもの受験フォローで一旦ゲームは子どもと一緒に封印。その間風花雪月無双が発売されストーリーがものすごく気になったのですが、ネタバレを踏みたくなくて好きな配信者のugさんも見に行かず。気がつけばugさんがvtuber化してました。そんな折にたまたま880円で出来る神ADVゲームとして紹介されていたのを知ったのがこちら、AI:ソムニウムファイル。
880円だったのでセールのうちに買うだけ買って寝かせておいたのがこちらです。1月に子どもの受験が終わりゲーム解禁したのでこちらクリアして久々のクリア後レビューです。
ここのところ、ちょっと難しいとすぐ攻略サイト見てしまうようなゲームとの付き合い方が多かったけれど、久々に自分でやりたい、と攻略サイト封印してはまったゲームなので、エンディングを迎えたこのリアルタイムな感想を残しておきたい。そして、それぐらいはまれるゲームなので基本的には本当にお勧めです。
レビュー前に
ちなみにこちらCERO Zです。ネタバレ嫌な方、18歳未満の方はここまでで。
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チュンソフトと言えば
こちらスパイクチュンソフト製。チュンソフトと言えば「かまいたちの夜」で有名なあそこ。
かまいたちの夜と言えば、私にとっては怖すぎて、怖いが為に最後までクリアしないと怖いままおわってしまう~と意地になってクリアしたはずなのに、あまりに怖すぎておそらく記憶から封印されてしまい残っている記憶は「あなたもカマイさんですか?私もカマイです」の「釜井さんたちの夜ED」のみ。と言うわけで割と避けてきた会社だった。しかもそこのCERO Zとなるとこれはもう無理なのでは?と思ったのだが、グロは全然大丈夫だった。でもやっぱり子どもには見せたくない殺人シーンあります。下ネタはたいしたことない・・・と思う。数は多いけどね。
グロさについては、この動画が一番ショッキングなシーンかな、と言うことで判断ください。
ゲームシステムなど
冒頭、女性の猟奇的な変死体からスタート。主人公は6年前以前の記憶が無い警察官「伊達」。彼の左目には義眼が入っており、こちらが最新AI搭載の頼れる相棒であってeyeBall(アイボウ)。伊達が操作パートと対象者の深層心理に入り込むソムニウムパートの2つを行き来しながら事件の解決を目指していくシステム。操作パートはよくある物や人を選択して情報収集のタイプ。逆転裁判の捜査パートと同じような感じですが、選択できる物を明確に表示してくれる&未表示か表示済みかも分かるようにしてくれているのでサクサク進む。また、操作パートでは基本分岐しないので、うっかりするとすぐBAD ENDに落ちるみたいなことも無いので特に問題なし(かまいたちの夜はここが怖かった。)逆に言えば総当たりしてれば終わるので、それが難易度低くて嫌な人もいるかもしれない。そういう人はそもそもADVやらないか。
特徴的なのはソムニウムパート。制限時間は6分。移動するなどの行動ではリアルタイムに時間が減少し、選択肢を選ぶと選択肢に書かれた秒数だけ時間が減少する。制限時間が厳しいので総当たりは無理で、ある程度頭を使うパート。ある程度というのは深層心理、すなわち夢の中に潜り込んでいる為、必ずしも論理的じゃなくて非論理的選択肢も多くてどれを選んだら正解なのかよく分からないことも多く、結局えいやーで選択肢選ぶ羽目になることも。また、選択肢によってはTimieと言うタイマーの減少数を減らしてくれるアイテムが取れる物もあり、(中には悪性Timieと言う時間を増やすたちの悪いアイテムもあり)Timieの選択や使いどころで制限時間が有効に使えたりもする。特に後半のソムニウムパートは難易度が上がって、時間切れになることも多いのだけれど、基本的にこのゲームはやり直しがすごくしやすく設計されているので、何回かやり直せばなんとかなる。ちょうどいい緊張感と難易度がソムニウムパートにはあると思う。このシステムは個人的には好き。だが、好みは分かれるだろうと思う。
やり直しがしやすいポイントがもう1つあって、このゲームはマルチエンディングかつ、周回前提。だからといってそのためにセーブデータを残しておいたりとかそういった苦労は不要で、システム内にゲームの進行度を表すフローチャートがあって、そのフローチャートから好きな場面に戻れる。さらに、選択した場面のさらに捜査のここの部分、まで限定して戻れるので、さっきの選択肢こっちにしたらどうなった?みたいなこともすぐ出来る。周回しやすくしっかり設計されていて、この点は初めて見たシステムだけどとてもよい。またルートのうちのいくつかは途中でシナリオロックがかかり、他のルートを進めないと進めなくなる。何でもありじゃなくて最後に見せて意味があるEDはキチンと最後に回ってくるのは私はいいと思う。
途中まで勘違いしていてそれぞれのルートは一つの出来事をそれぞれの人から見るとこう見える、という各人の立場で見ていくシステムかと思っていたが、そうではなく、ルートが変わると出来事も変わる。殺される人も増えたり減ったり。すなわちもしかしたらあったかもしれない「平行世界」の出来事、と言うことになる。その結果、フローチャートを途中から選択できる簡便さも相まって、プレイヤーは「あれ?このルートだと誰が死んでたんだっけ?主人公の持ってる情報なんだったっけ?」みたいになりがち。なりがちなんだけど、このゲームのすごいところはそこを逆手にとって、なんと後でしか回れなくしているルートでは、伊達も同じようにメタ認知を始める。これはうまいなぁと思う一方、結局伊達はなんでその記憶を持っているのかは分からずじまいなのが気になった。
シナリオ&キャラクター
主人公が記憶喪失って段階で当然疑うよね。まぁそこはわかりやすい。でもそれで面白くないことはなくて、伊達のキャラクターがよくてゲームにひきこまれた感じがあった。何であんなにエロ本に反応するのかは謎。昭和の下ネタキャラ。突き詰めた結果の熱海エンドには・・・。
みづきちゃんもかわいいね。両親を失って即立ち直って私も捜査に参加!じゃなくて、そこら辺の心情しっかり描かれていたと、個人的は思う。二人の掛け合いと人間関係もよい。
どのエンディングに行っても救われない感じのA-setことアセトンちゃん。本名イリス。私にとっての初登場の時に「なんじゃこいつ」と思ってしまったのであんまり救われないことがツラくはなかったけど。途中まで怪しさ満点のままでしたしね。
怪しさ満点と言えばボス。フローチャート左上ルートに行くと急に行き先不明になり出してすっごい怪しいところでシナリオロックかかるやん?と。でもそこが怪しすぎて犯人じゃないのでは?と思って先進めてた。結局真相までは予測できなかった。
殺したのはアイが欲しかったから。基本的にはこのアイ=愛だと思う。一番愛されなかった人は言うに及ばず、伊達の成就しなかった過去の愛、肉体的には虐待されなかったかもしれないけどほとんど両親の愛を感じることなく育ったであろう、心理的虐待の中で育ったみづき。一方でめちゃめちゃ愛されているが故にわがまま放題の応太。ピュータはもしかしたら報われない愛?が故に協力してしまったのかもしれない。でも他のアイについてはそれほどあったか?と言う気もする。eyeが欲しかった、の話はちょっと弱いし、てっきりAIが欲しかった人が出てくるのかと思いきやアイボウをそういう観点から奪っていく人は最後まで出てこなかったのは拍子抜け。
おすすめルート
周回前提マルチエンディングで、ルートによっては他のルートを終了しないと解放されないルートがあり。そうじゃないルートは登場人物名のルートだが、そのうちイリスルートは正直お勧め出来ない。なので、最初のソムニウムパートの分岐でフローチャートを右に進んでしまった場合、そこでストップして左に進むことをお勧めしたい。そして左を全分岐進めた後に右ルート、そして、思いっきりネタバレするけどイリスを信じるか信じないかは信じないで欲しい。というか、相棒を信じて欲しい。先にイリスを信じると、「なんじゃこのシナリオ。」とがっかりするかも(後なら意味が分かる。)
ちなみに私は初回、みづきルートに進み最後の最後でBAD ENDに落ちた。が、このBAD ENDかなり重要なネタバレを含むENDなのでこれ見るか見ないかは大きいのでは?と思う。他にもそんなBAD ENDがあるのかと探したが見つかったのは熱海ENDと全滅ルートの直前のBAD END(こっちは特にネタバレなし。)他にネタバレありのBAD ENDがあるなら誰か教えてください。
感想
880円で購入したので正直大満足というか十分すぎるほど十分遊んだけれど、最初のフルプライスだとちょっとボリュームとしては物足りないかなぁという感じもある。全シナリオ回るのにだいたい20時間強(全アイテム回収などのやりこみはしていない。)現状Steamだと4400円なのでこれなら十分元が取れると思う。ここまで読んだ奇特な人は、是非やってみて欲しい。やらないと分からない面白さがこのゲームにはあると思う。なんなら今なら続編のニルヴァーナ イニシアチブも出ているのでそちらも是非。しょーもないギャグやエロネタが心の底から大嫌い、と言う人にはちょっと合わないかも。それとみづきがちょっとした超人設定を持っているので、SFまでは許せても設定の現実離れが許せない人はそこが気になるかもしれない。
とはいうものの、本当にお勧め出来るゲームなので、最初に書いたとおり、攻略サイト封印して自分の目で是非見て欲しい。
最後の最後、蛇足だけどピュータと沖浦の関係ってどこまでだったんだろう?と個人的には気になっている。一度は女性と結婚して子まで成したが離婚、やっぱり男性が好きだった、だと、最近どこかで聞いたような話だなと。てっきり沖浦の育児放棄はそのあたりからきているのだと思ってピュータとの関係からもう少し沖浦とみづきの関係の深掘りに進むんだと思ったらそこは何にも触れずに終わってしまった。みづきの育児放棄については、特に沖浦サイドはもう少し書いて欲しかったかな。
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