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文學界新人賞・福海隆さん 原因は友にある。
連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」
最近特別回が続いていましたが、久しぶりの通常回が公開されました。
「日曜日(付随する19枚のパルプ)」で文學界新人賞を受賞した福海隆さんです。
新人賞受賞者のインタビューをするとき、他の媒体はまだどこもインタビューしていないことが多いので、手掛かりは「受賞の言葉」になります。
福海さんの受賞の言葉には、友人の名前がたくさん出てきました。
ふぁにーちゃん(大田ステファニー歓人さん)の受賞の言葉に、当時恋人、今妻の「かおりん」が出てきたように、個人名が出てくる、それもたくさん出てくるというのはその人の人となりを表していると思いました。
プロフィール写真は顔を手で隠しているので、ちょっと怖そうなひと??と思ったけれど、受賞の言葉でほっとしました。
福海さんが取材時のことをnoteに書いてくれました。
このnoteにもある通り、「原因は自分にある。」というアイドルグループを福海さんは推しています。xのプロフィール欄で書かれたその名前がまさかグループ名だとは思わなかったのですが、パソコン画面を撮影させてもらったときに、背景にきっらきらの美しい人が出てきて、「この人は一体誰なんですか?」と質問したことから教えてもらいました。
家に帰って検索してみると、それまで「男性アイドル」に思っていたイメージと全く違った哲学的、それでいてポップな世界が広がっていて、これはいいものを教えてもらった……と思ったのでした。
福海さんのnoteにさりげなく(?)推しグループのリンクが貼られていることからもわかるとおり、福海さんは見つけたものを、周りの友達に「これ、聴いて!」「見て!」「読んで!」と勧めてはその反応から自分の世界観を固めていったのだと思います。
学生のとき、友達とそんな風に推し合って楽しかったことを思い出しました。そっか、そういうのって全然大人になってからでもできるじゃんねえ。
連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」の主題は「その人がいかにして小説家になったのか」なのですが、
原稿を書くときには、その人とお話してみて感じた裏テーマを一本決めて書いています。
今回の裏テーマは「友」。
こうやって好きなものについて語り合う、しかもリアルな友達と語り合うこと。その面白さとかけがえのなさを、読んだ人にも思い出してもらえたらうれしいな。そこに創作のヒントが詰まっていることを、私もまた思い出しました。
写真/武藤奈緒美