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林芙美子文学賞・屋敷葉さん 書けないときの対処法


連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」にご登場いただいた林芙美子文学賞・大賞受賞の屋敷葉さん。
まるでアスリートのような小説の目指し方に、とても新鮮な風を感じました。

原稿内には流れ上、入れ込めなかったのですが彼女のインタビューでぜひ紹介したい言葉があります。


それは、書けないときの対処法について。

賞をいただいて、小説書くのって苦しいなという思いが「もっと苦しいな」に変わりました。パソコンの前に二時間座っていてもなにも浮かばない。でも、それに自分で浸っちゃうと本当に書けなくなるので、書けないやって思ってる自分をいかに他人だと思うかだと思うんです。
受賞した今も、私よりいいものを書く人はいっぱいいると思うし、私はその作品もいつか読みたい。今、書けない人たちがその気持ち一点で作品ごと沈んでいっちゃうのは悲しいことだと思います。

屋敷葉

「書けない自分に浸らない」
これはなるほどなと思いました。
これもまた、プロアスリートみたいな考え方です。

最近、ほんとに苦しくて……。
毎晩、「これじゃだめだ、ということだけはわかる」と思いながらパソコンに向かっています。でもたしかに、書けない自分に浸っていたなあと思います。

屋敷さんは風のような人でした。話すとどこか自分も知らなかった窓が開いて、そこを風がすーっと通っていくような感じがしました。
受賞作もとても面白かったので、ぜひTRIPPERで読んでみてください。

恒例の本棚ショット

写真/武藤奈緒美

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