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自分で選ぶ?シャッフルして引く ?【タロット現場での使い分け】

タロット占いの現場では
大きく分けて

(1)タロットの絵をみてカードを選ぶ
(2)シャッフルした中からカードを引く

この2つのパターンがありますが
この違いってみなさんご存じでしょうか。


この違いを分かっていると
ケースに応じて
どちらの方法を使うと良いのか
が判断しやすくなるので


占い師さんにはもちろん
自分でタロットを使う方にも
ぜひ知っておいてもらえるといいかなと思います。


心理要素/神秘性


まず、前提として


(1)自分でカードを選んだ場合(タロットの絵をみて選ぶ)
(2)シャッフルした中からカードを引いた場合


どちらのケースでも

・自分の言語化できていない潜在意識の声
・集合的無意識から拾っている声

を聞くことができる
というスタンスで
私はタロットを使ったり教えたりしています。


じゃあ、この2つはどう違うのか。


いくつかポイントがあるので
順番に書いていきます。


まず、自分でカードを見て選ぶ場合(1)
シャッフルしてカードを引く場合(2)より
より心理学的な要素が強まります。


具体的にいうと
「投影」を活用している
ということ。


心理学には
ロールシャッハテストや
バウムテストのような
投影を使った分析方法があります。


たとえば、ロールシャッハテストでは
下のイラストのような

水滴が広がった何の意図もない模様を見て
どのように見えるかで心の状態を判断します。

鳥に見えるとか
悪魔に見えるとか


何に見えたかによって
心の状態をみようとするもの。


同じようにバウムテストも
木の絵を書いて
その人の心理状態を見たりする方法です。



これらは
「投影」という仕組みを使って
自分では認識してない自分と会話するという
心理分析のツールなんですね。


もちろんタロットも象徴画なので

・それを見てどう思うかとか
・何が気になるかとか
・どのカードが気になるか

を見て選んでる時点で
心理分析的なことをしています。


ただ、タロットを見て
自分でカードを選ぶ場合は

心理分析だけではなくて
もっと意味深になる。


あえて言うなら
神秘的な要素
そこに入ってくるって感じです。


投影するものを
そこに見せて言語化していく
というのはそうなのだけど

それにスピリチュアルの要素が加わる
という感じですね。


なので
(1)と(2)の違いで言うと
自分でカードを選んだ方(1)が
自分の心と対話する感じ


自分のなかの
深層心理や潜在意識との対話には
とてもつがるかなと思います。


それに対して
シャッフルしたところから
カードを引く場合(2)は
どういう特徴があるのかというと


こちらの方が一般的な占いの
引き方になると思うんですが

こちらはめちゃくちゃ
シンクロニシティ/共時性が強調されます。


「偶然は必然である」という考え方ですね。


このシンクロニシティ要素は
自分でカードを選ぶ場合には
あんまりないんですよね。


自分でカードを選ぶ場合には
どちらかというと心に忠実に選んで
心を映し出すことが強調されるけれど


シャッフルした中から
カードを引く場合は

「偶然出たことに意味がある」

それが全てになってきます。


だから
神秘性の度合がとても高くなる
という特徴があります。


ここがタロットなどの
卜述(ぼくじゅつ)の魅力でもありますね。


意味を見いだすポイントの違い


あとは
意味を見いだすポイントも違ってきます。


(1)は自分でカードを選ぶので
なぜそれを選んだのかが
とても重要になってきます。


私がこのカードを選んだ意味が
そこにあるっていう。


たとえば
恋人たちのカードを選んだのであれば

・なぜ恋人たちの絵が気になったんだろう?
・このカードを選んだ意味はなんだろう?
・このカードのどこに惹かれたんだろう?


そこを自分のなかで深めていくことで
ヒントを得ていくって考えるんですね。


もし恋人のカードを選んで
すごく温かい気持ちがしたとか

私がの欲しいものが
そこにあるような気がしたのであれば

その恋人たちというカードが持つ象徴に
あなたの欲しいものが隠されてると
普通にストレートに読むことができる。


一方、(2)の
シャッフルしたカードを引く場合は

全く何の意味も、何の意図もないところから
引く1枚にすごく意味があると考えるんですね。


シャッフルするということは
コスモス(秩序のあるところ)から
あえてカオス(混沌状態)にするってこと。


一旦ぐちゃぐちゃにして
意味を壊すところから入るんですよね。


だから、そういった意味では
すごくその新鮮な切り口というか

自分には全くない切り口っていうのが
間違いなく出てくることになります。


これは具体的に
どういう時に役に立つかと言うと

無作為なところからのアイデアが欲しい時とか
自分の頭で考えても答えが出ない時とかに
とても有効ですね。


何もないところから

「こんなん出ましたけど~」

ってところから始まって

「なんでこのカードが出たんだろう?」

って考えはじめるっていうね。


自分と全くそのかけ離れたところから
やってくる意味みたいなものなので


行き詰まってる人には
思いもしない予想外の答えがやってくるので
とてもいいんじゃないかと思います。


占いの現場での使い分け


じゃあ、占いの現場で
私がどういう風に使い分けてるかって言うと

あなたが答えを持っているよ
ってことに気づいて欲しい時は(1)を使う。


(1)では、自分で選ぶ
という行為をしているので

ご相談者さんが
自分の中から出てきたものとして
受け入れやすいです。


一方、受け取り手側(ご相談者さん)が
神秘性を求めている場合は(2)を使います。

おそらく一般的な占いでは
ほぼこちらを使っていると思います。


あとは
その人が受け取りやすい方がどちらか
も見ながら選んでいます。


(1)は自分でカードを選んでいるので
そういう意味では
(1)の方が主体的に取り組む人には向いてる。


だいぶ気持ちが立て直してきて
主体的な悩みに変わってきたとき
はこちらの方が良いですね。


主体的な悩みって簡単に言うと
「どうすればいいですか?」
という質問ですね。


・私はどうすればいいのかな
・何が問題になってるのかなとか

と結構悩みが主体的になっている場合は 
(1)の方が取り組みやすかったりします。


選ぶという行為をすることで
自分がちゃんと答えをもってる
そういう実感にも繋がるしね。


それに対して
「これから、どうなりますか?」
「あの人はどう思っていますか?」

というのは
まだ自分の軸がない悩み・質問なので
(2)の方が受け取りやすかったりします。


こちらの方がより受け身で
一般的な占いっぽいですよね。


占いを求めている人は
もう考えたくない状態になっていたり
誰かに助けを求めたくて
来ているケースが多いので

その場合は、こちらの方が
占い結果として受け取りやすい人が
多いかなと思います。


ちなみに、これは
どちらが良い悪いじゃなくて

その人のプロセスや状況に応じて
受け取りやすい方法を見極めながら

使い分けていくのが
占いを提供する側の役目なのかなと思います。


たとえば
カウンセリング要素を
強みとしている占い師さんだったら
(1)の方がすごく良いものを
提供できるかもしれないし


ちょっとテンパっていて
「今すぐなんとかしてほしい!」
と思っているご相談者さんが目の前にきたら
やっぱり(2)の方が受け取りやすいしね。


より神秘的的な要素を強くするか
自分と対話する要素を強くするかを
上手く使い分けながらやっていくのが
理想かなと思います。


それから
もっというと、どんな場にしたいか
によっても変わってくるんですよね。


もちろん本質的には
同じことをしているのだけど

どちらを用いるかで
占いの場で起こることは
確実に変わってきます。


どういうことかというと

(2)の方は、
何の意図もないところから
引くカードなので
やっぱり予想外のことが起きやすい。


どんなカードが出てくるかは
占い師も相談者さんも
その場になってみないとわからないから。


一方で、(1)はね
どういうことが起こりそうか
ある程度予想がつくんです。

その人の心が映し出されるわけだから
心理学をある程度学んだ人であれば

「こういう風になりそうだな・・」

「これを選んだってことは・・・」

の見立てができるんですね。


だけど
(2)は占い師もご相談者さんも
全くその予期せぬものが出てきて

そこから展開していく感じになるので
場の雰囲気とか、実際の場で起こることが
確実に変わってくるんですよね。


なので、どういう場にしたいかで選んでいくのも
とても大切な視点かなと思います。


まとめ


今回の内容をまとめると

(1)本人が自分でカードを選ぶ場合
・心理的要素が強くなる
・私はなぜこのカードを選んだのか
 そこに意味が生じる
・主体的な質問には向いている
・その場で起きることの予想がつきやすい

こちらは、自分の心と向きあって
対話を求めている場合にとても役に立つ方法。
ある程度悩みのプロセスが進んできて
「どうしたらいいか」という主体的な段階のときに有効。


(2)シャッフルしたカードを引く場合
・神秘的要素が強調される
・なぜこのカードがでたのか?
 から意味を考える
・受け身でも受け取りやすい
・予想外の展開や場になりやすい

こちらは、
一般的な占いを求めている方や
行き詰っている場合
新たなアイディアが欲しい場合に
とても役に立つ方法。


ただ、どちらにしても
はじめに書いたとおり

自分の言語化できていない潜在意識の声や
集合的無意識から拾っている声を
聞くことができるというのは一緒です。


なので、相談者さんの状態や求めていることや
占い師さんがどういう場にしたいかを基準にして

より意識的に選んでいくと
とっても満足度の高い占いの場を
提供できるんじゃないかなと思うので

ぜひ参考にしてもらえたらと思います。


お読みいただきありがとうございましたー!


<かげした真由子(まゆちん)の星的私的メルマガ>
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