恋愛依存症→国際結婚→日本移住🇯🇵海外から3匹の猫を日本へ連れて行く費用と、“お金”への恐怖
こちらのブログで、昨年の一年は、日本への移住に向けて、沢山の不安とか恐怖とか心配が出てきたことを綴ったのですが、その主たるものは、ずばり“お金”にまつわるものでした。
6年前、バリ島に移住する前に貯めてきた貯金もいよいよ残りわずかになっていた(いる)私。
なのに、家族での日本移住の準備をする中で、予算が未知な大きな出費がいくつかあって。
「こっ怖いぃ〜」
となっていたわけです。
大きな出費とは、愛猫3匹の輸送のこと。そして、バンブーコットンの下着作成のことでした。
どちらも私にとっては初めてのことで、いくらくらいかかるのか見当もつかず。
不安・心配からの恐怖まで、本当に色々な感情が出てきました。
そんな中で、自分の中にある“お金”に関する思い込みとか、思考パターンとか、見えてきたものもあるから、せっかくなのでブログに書こうと思います。
今回はまず、猫ちゃんたちの日本への輸送について。
私は、3匹の猫を飼っています。
恋愛依存症で病んでいた私を救ってくれた母猫と、その子供たちです。
私の猫の記事はこちら。↓
動物検疫所のガイドラインを読んでみると、少なくとも輸入日の8ヶ月前から準備を進めておかないといけません。
簡単に流れを説明すると、
まずマイクロチップを打ち込む。
狂犬病ワクチン2回接種。
採血して狂犬病抗体価を調べ、証明書を発行してもらう。
採血日から180日以上(約6ヶ月)待機。
出国前に獣医師による最終チェックをした後、輸出国政府機関に書類を作ってもらう。
晴れて日本に向けてゴーできる。
という感じなんです。
過去すでに、インドネシアから猫ちゃんと一緒に日本へ帰国した経験のある方を知り合いに持つ知人から、この一連の事項を手伝ってくれる動物病院を2か所教えてもらいました。
まず最初に訪れた動物病院。
待合室で先生を待っている間、目に飛び込んできたのは、駐車スペースに騒然と並んだハーレーダビッドソンのコレクションでした。
そして、颯爽と現れたのは舞台メイク級のマツエクが印象的なマダム先生でした。
ずっと昔からペットの輸出に関するお手伝いをされてきたそうで、私に任せれば大丈夫よと、心強いお言葉が。
さて、いよいよお値段の話へ。
マダム先生「えーと、血液検査が45,000円×3匹、猫の陸運で120,000円、出国前検査50,000円×3匹、インドネシア政府機関の人に書類作ってもらうの210,000円×3匹。あっ、でもここはディスカウントできるから180,000×3匹でオッケー。」
私「•••••••••」
私、マダム先生の話を聞きながら、本当に魂が抜け出るような感覚を覚えました。
頭がクラクラして正確に暗算できないけど、ざっと見積もって80万から90万円くらい。
見当はつかないなりにも、自分の中で期待していた値段があって。
それよりも、ずば抜けて高い。高すぎる。
餃子バーを営んでいて、家族が生活するためのお金は得られるものの、私自身に収入があるわけではない状況の中で、この値段はバカデカ過ぎる。
おまけに、マダムの話を聞いてる間、少し違和感を感じることがあって。
公務員への賄賂が当たり前の国、インドネシア。きっと書類を作成してもらうための賄賂を払い、マダム先生にもそこからの取り分があるんだろうな。
私のお金は、マダムとご主人のハーレーダビッドソンに変わるのか。なんて、思ったりして。
帰りの車の中では、どうやってお金を工面すればいいのか。そのことだけで頭がいっぱいでした。
道中、保険の解約金がいくらあるか、日本にある口座の残金を確認したくて、母に電話しました。
母からは、「そんなにかかるなら、猫は置いてきなさいよ。」と一言。
輸送費のことでガーンとなっていた私にとって、この一言は追い打ちをかけるように、ぐざっと突き刺さるものでした。
どうしても猫を連れて行きたいというのは、私のワガママなんだろうか。お金をセーブするためにも、猫たちのためにも、誰かにお譲りする方がいいのだろうか。
それから数日間は、いろんな思考と感情でぐちゃぐちゃでした。
失恋していた時によくなっていた食欲不振にもなり、なかなかハードな精神状態になりました。
少し落ち着いてきたころ、「なぜ私は、こんなにも猫と一緒に日本に行くことを叶えたいと思っているんだろう?」という疑問が、浮かびました。
そして、幼少期のある出来事を思い出しました。
小学低学年の時、私の家には野良猫ちゃんが住み着いていました。どの猫ちゃんも本当に可愛くて、愛しくて、大切な存在でした。
恋愛依存症の原因にもなっていたのですが、母との関係にストレスを感じていた幼少期の私にとって、この猫ちゃんたちは、心の支えであり、最大の癒しでした。
でもある日、はたと猫ちゃん全員の姿が消えて無くなりました。探しても探しても1匹もいなくて、心配でなりませんでした。
母に猫の所在を聞いたところ、言い出しにくそうに、こう答えました。
「おじいちゃんが遠くに捨てに行ったんよ。」と。
私はショックで悲しくて、言葉を失いました。
祖父から私に詳細を言わないよう口止めをされていたのかもしれませんが、母なりの言葉で説明してくれました。
「おじいちゃん、町内会長やろ?野良猫のうんちが不潔だって町内で問題になってるのに、会長のおじいちゃんの孫が、野良猫を世話してるってなったら示しがつかんやろ?」
子供なりに、状況を納得しなくてはならないのは分かりましたが、やはり、おじいちゃんの口からきちんと説明して欲しかった。私の氣持ちも聞いて欲しかった。
恨みと怒りと悲しみと深い喪失感。
子供だった私が、この件を機に感じた感情でした。
このことは、大人になるにつれて忘れていたけど、記憶(潜在意識)の片隅には、しっかりと残っていたのです。
この悲しい体験があったからこそ、今回はどうしても最後まで猫たちと添い遂げたいという思いに変わっていました。
これを思い出した夜、今は亡きおじいちゃんに語りかけました。
「おじいちゃん、お願い。今回は、どうしても猫たちとお別れしたくない。ちゃんと、最後までお世話をしたい。どうか、力を貸してください。」
氣を取り直して、他にもペットの輸出手続きをやってくれる動物病院を保険として探しつつ、教えてもらったもう一つの動物病院を訪ねました。
こちらでは、動物病院自体が輸出手続きをやっているのではなく、それにまつわるエージェントを紹介しているとのことで、連絡先を渡されました。
恐る恐るその連絡先にメッセージを送り、手続きの詳細や値段を聞くため、直接会うことになりました。
待ち合わせのカフェにいたのは、落ち着いた面持ちの男性でした。
彼も、一連の流れを説明してくれました。前回のマダム先生から教えてもらっていた手順と同じ。でも、今回は賄賂くささというものは匂わないぞ。
さて、氣になるのはそのお値段。
ドキドキしながら値段の提示を待ちました。
「陸運費120,000円、血液検査にまつわるの費用が135,000円、証明書の作成や事務手続きは99,000円です。」
ざっと計算すると、3匹分で35万円くらい。
えっ!?そんなに安くていいの?
マダム先生のところで言い渡された金額の半分以下。
もう、この値段を聞いた瞬間から、この人にお願いするしかない!と思いました。
溢れ出る安堵感。今度はあまりにもほっとしすぎて、魂が抜かれるようでした。
「おじいちゃん、ありがとう!涙」
こんな感じで、猫を日本に連れて行く準備の中で、“お金”に関して、すごく揺り動かされ、色んな感情を感じ、自身に対する色んな氣付きも得られたエピソードでした。
今は、狂犬病への抗体価があることを証明する書類も無事にゲットし、出国までの待機期間を過ごしているところです。
その他、ケージを用意したり、航空会社や日本の動物検疫所とのやり取りをしたりと、着々と準備を進めています。
どうか、この春、無事に猫ちゃんたちと共に、日本の地をふめますように!!!
おじいちゃん、見守っててね。
それでは、お読みくださりありがとうございました。