〜恋愛依存症克服への道〜⑤大きな一歩
“この世界は、全て自らの思考で出来ている”ということを学び始めて数ヶ月。
この期間も、彼と一向にうまくいく気配のない現実に、いつも不安や寂しさを感じながら過ごしていました。さらには、彼に殺意が沸くくらい、腹立たしく悲しい出来事も起こってしまう始末でした。
頭では“思考が現実を創る仕組み”を、理解し始めているはずなのに、自分の行動や感情が全く伴わない。そんな自分にうんざりすることもありました。
そんなある日のこと。突然に、「もう、お勉強の時間は終わりだよ。これからは、実践の時間だよ。」という声が、脳内にこだましました。
それから後、自分の想像など悠々と越える想定外の出来事が、どんどんと起こるようになったのです。
2020年3月。コロナの世界的流行によって、私が住んでいるバリ島からは、観光客の姿が消えました。そのため、当時働いていたサーフィンスクールもしばらく休業することに。
私は、強制的に無職状態になりました。そして、このサーフィンスクールで毎日のように顔を合わせていた彼とも、幸か不幸か会うことが出来なくなくなりました。
その代わりに私に待ち受けていたのは、これまでとは全く違う世界でした。
これが自分の日常だと信じていたことから離れ、そこにあったのは、たくさんの素晴らしい新しい出会いでした。
バリ島に移り住むにあたり、なるべく日本人との接触を避けていた私でしたが、ごく自然な流れで、深く深く心を開ける多くの日本人と出会うことになりました。その全員が、それぞれの方法で自身と向き合い、私と同じ学びをしている仲間でした。
私にとっての彼らと共に過ごす時間は、話すことの全て、共に成すこと全てが楽しみであり、喜びであり、学びでした。
コロナの流行によって、全てが覆った世界。
新しい出会いや、それにより得られる新しい価値観と共に、私は私の新世界を大いに楽しみ尽くしました。
そして、『勉強の時間は終わりだよ。これからは実践の時間だよ。』というメッセージが、まさにこのことだったのかと気づいたのです。
幸せな未来を迎えたいなら、“今”その感情・感覚を味わう。「なるほど!“今”を存分に楽しむ!」この感覚が、私には必要だったのか。そのことに気がつきました。
それでは、この当時、私の恋愛はどのような展開を見せていたかというと、、、
私が好きで好きで仕方なかった彼には、私以外の本命彼女がいて。私はおおよそ一年半近く、彼と彼女との三角関係に狂いまくるほど、悩み苦しんでいたのですが、ある日突然、「彼女と別れた。」と、彼が私に伝えてきたのです。
本当に驚きました。何があっても別れられない、別れてくれないと思っていた彼が、知らないうちに彼女と別れている。私にとって、願ったり叶ったりの状況が訪れたのでした。
「毎日を楽しく過ごすだけで、こんなに都合の良い現実がやってくるの!?」
狐につままれたような、不思議でゾクゾクするような展開が巻き起こったのです。
これを体験した私は、「そうか。このまま、自分時間を充実させて過ごしていけば、勝手に彼との幸せな時間がやってくるんだ!」そう思いました。
まだまだ続くコロナ時間。
行きたいところに行き、会いたい人に会い、やりたいことをやり、充実した時間を過ごそう。そう心に決めました。それを実践できる十分な時間もありましたし、自分の内面と対話するためのさらなる学びの時間を設けることもできました。
それなのに、なぜか本心から100%満足できないのです。ふとした瞬間に、再び悲しみに呼び戻されたり、不完全性のような欠乏感が、沸々と心に湧き起こってくるのです。そして、
「真由子さんは、彼氏いるの?」
「真由子さんは、その彼と幸せなのね。」
たまに投げつけられるこれらの言葉は、私が隠そうとしている思いをえぐり出し、大きな違和感を感じさせました。
「彼は元カノと別れたからと言って、私を彼女にしてくれている訳じゃない。ううん、だけど、きっとこのままいけば、彼との幸せな未来が待ってるはず。」または、「肩書きなんて関係ないの。二人が愛し合っていれば、それが一番なの。」
言い訳にも似た想いが、自分の中にモヤモヤモヤモヤと浮かび上がってきます。
しかし、それとは逆に、当時の私は自身の確固たる願望にも気がついていました。
それは、「私を“妻”として愛して、私のことを一生大切にしてくれる人と一緒にいる。」ということでした。
だからこそ、彼との間に起こっている中途半端な願望達成と、自分の本当の本当の真の願望との間に生じているズレが、当時の私の心を苦しめるのでした。
次回は、次なるステップについて綴りますので、気長にお待ちいただけると嬉しいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。