共存
外のベンチで坐禅中。
カサコソと転がってくるものが・・・
まんまるに見えるそれは私の目の前で一瞬止まり、
またカサコソと音を立てて転がっていった。
たまらず、坐禅終了。
悩まず即終了。
転がっていった先にいるまんまるを追いかけて小走りに駆け寄った。
ん??
一瞬何かわからなかった。
なんだろう。
あ。。
紫陽花だ!!
それは咲いたまんまの姿で
1枚も離れることなくドライフラワー化した紫陽花。
おそらく自然に時を過ごし、その姿となったに違いないカタチ。
この数カ月の時
少しずつ、少しずつ誰にも気づかれずに
色を放ち
水分を放ち
すべてを放ち
やっと身が軽くなり私の前にやってきた。
しかも真冬の寒空の下にいた私の前に
風に乗り、音をわざわざ立て、転がってきた。
「見て!見て!」と言わんばかりにやってきて
私の気を引くことに成功し過ぎ去っていった紫陽花。
あなたの思うツボ。
それを私は拾い上げた。
しばし観察。
何故この姿に。。
何故今私の前で一瞬止まり、また過ぎ去っていったのか。
脈々と見える花の筋はなんとも美しく、強く、
それらの主張があるように思えた。
あ。まだ生きている。
私はそう感じた。
そして気づいたら自然と青々と茂る草の中にそれを置いていた。
不自然と感じる人もいるだろう。
色褪せた枯れたまんまるの紫陽花をゴミと見える人もいるだろう。
でも私にはこれが自然と思える。
共存。
私の坐禅にルールはない。
正しいとか、間違っているなんて思わない。
自分とただ向き合い
ただ今ここのあるまわりと一体となる。
目を開け、耳を澄まし、吸いたいだけ息を吸い
そろそろと息を吐きだす。
共存。
私は今ここにいる。
私が今ここにいる。
私の今はここにある。
これが今私が行きついた坐禅の在り方。
今私はここにいて
あなたは今、ここにいる。
共存。
見えるものは同じでも、感じるものは違う。
人それぞれ。
それがいい。
それでいい。
共存。
今日も私はここにいて
あなたは今、ここにいる。
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