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日記/ギャラリーのち団子

9月*日

東京オペラシティのアートギャラリーで開催中の『野又 穫 Continuum 想像の語彙』をみにいく。

この展覧会、予備知識もないまま、HPでみて惹かれて来てみたのだけれど、結論から言うとじかにこの目でみることができてすごくよかった。

現実ではない、でも非現実ともいいきれないような、不思議な世界の不思議な建物。どれもが想像力を掻き立てられるような絵で、夢のなかでこういう世界をみたことあるような気もするし誰かの夢のなかにお邪魔しているような気もしてしまう。

でもその夢は、決してお花畑的なファンタジーなものではなく、場所によっては仄暗さというのか寂しさというのか、ちょっと不安を感じさせるもので、本当はいつかのどこかの現実、あるいはちょっとずれたところではその世界が実際にあったのではないのか、あるいは今もあるのではないのか、と思わせるリアルさや感触があるのがこれまた不思議。

かつてあったとある世界が、なにかによって退廃してそのまま放置されているような。あるいはそこに新たな息吹が吹き込まれて再構築されたような。過去のような未来のような今のような、そんな不思議な世界に引き込まれてしまう。

そんなわけで、興味津々、かなりまじまじと鑑賞。

どれも印象的だったのだけれど、個人的に気になったのは、ガラスドームのなかに大木があって、その根もとには水のなかで泳ぐ魚がいて、その上では植物が茂り鳥が飛んでいる絵。まるで巨大なアクアポニックス(魚を飼育する水槽のうえで植物や野菜を育てるもの)みたいだけれど、みればみるほどこれは一体なんだろう?という感じがして、一周したあと、もう一回これをみに戻ったのだけれど、自分のなかで答えがでないのがむしろよかった(これに限らずどの作品も想像力であそべて、深い意味を探ればいろんな可能性あれど最終的には不思議さが胸にふわっと残る感じで帰結した)。

繰り返しまじまじみたのはこの絵。

想像の世界から出たあとは現実に戻って、オペラシティの一階にあるル・パン・コティディアンでお茶しようかなと迷ったけれども、なんだか無性に団子が食べたい気分だったので、新宿三丁目に出て、追分だんごの喫茶室で串団子を食べた。追分だんごのみたらしとこしあんのセットは自分のなかで安心定番の組み合わせである。

柔らかくて餡たっぷりでとってもおいしいのです。

◇◇◇             
※『野又 穫 Continuum 想像の語彙』の会期は9月24日までとのこと。

お読みいただきありがとうございます。