エッセイ『暮らしを彩る小さなもの』⑤

最後にもうひとつ、自分の暮らしを彩る小さなものについて綴りたいと思う。

それはこのカラフルな果物クリップ。

以前、吉祥寺にある文房具屋さん「36（サブロ）」に行った際、ふいに目にとまって購入したものだ。

見た目レトロな雰囲気で可愛らしく、ついでお値段もプチプライスで可愛いくて、思わず大人買いではないけれど、気になる果物と野菜のクリップをいくつかまとめて購入した。

このクリップ、何に使っているかというと、普通に紙切れを束ねておく際に使うほか、資料等を入れている無印良品のファイルボックスのおめかし用に使っている。今はバナナ、いちご、メロンの3つを髪飾りのように付けていて、デスクの下に置かれたファイルボックスに手を伸ばした際、ふいに目に入るカラフルな果物たちに思わず笑みがこぼれてしまうのだ。

ときに童心に返れるような、こういう愛らしい文房具に出会えると気持ちがわくわくするし、子供時代とはまた違ったたのしみかたがあるなあ、なんて思ったりもする。眺めているだけで心がほっこりしたり。ひょっとすると大人になってからの方が、文房具の良さをきちんとかみしめているところがあるのかもしれない―、なんて思ったりもする。

・・・

自分の暮らしを彩る小さなものたち。

それらはどれも自己満足の領域かもしれないけれど、でも、気に入ったものが部屋にあると気持ちがちょっと華やぐし、そうした小さなものたちが日々の暮らしにほんのりとした明るさを灯してくれる。
ひいては心地良さをもたらしてくれる。

だからこれからも自分は小さなそれらをひっそり愛でていたいなあと思う。

そういえば思い返してみると、これまで挙げたものはすべて、それ目的に買いに行ったというわけではなくて、どれもご縁のように出会いがあった。

これからもどんな出会いがあるのかなと思うと、これから先がちょっぴり、たのしみにもなる。

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本エッセイでは5つの暮らしを彩る小さなものについて綴っています。
以下もよかったらご覧ください。
『暮らしを彩る小さなもの』①→ ガラスのペーパーウェイト
『暮らしを彩る小さなもの』②→ 真鍮の小さな家のオブジェ
『暮らしを彩る小さなもの』③→ 富士山の張子
『暮らしを彩る小さなもの』④→ 小さな紙箱