日記/ピカソの小鳥たち
11月*日
お天気の良い日、ヨックモックミュージアムに行く。
ヨックモックミュージアムはピカソのセラミックコレクションを鑑賞できるミュージアムで、今回の展示(いのちの讃歌)では鳩とかふくろうといった鳥モチーフの作品がみられるということで、心惹かれてみにいくことに―。
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ミュージアムは、表参道の骨董通りを行って、脇道を入った先にある。ちょうど三年前くらいにオープンしたミュージアムらしいけど、とても綺麗で清潔そうだ。小さな美術館で、邸宅のような雰囲気もある。
展示室は地下一階と二階にあって、地下一階は照明を落とした暗い空間、二階は自然光を取り入れた明るい空間になっている。
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最初に、闘牛をモチーフにした作品を鑑賞する。素晴らしい作品に違いないのだろうけど、どうも闘牛の絵は牛が痛ましくてそれが作品だと分かっていてもちょっと心痛いので、流し見するのにとどめておく。(芸術作品にケチをつけているわけではないです)
次に、今回ここへ来た目的でもある鳥関係の作品をじっくりとみていく。ピカソの描く鳥って、筆でサッと描いたような鳩の絵しか知らなかったけれど、いろんな種類の鳥を描いているんだなあと思う。不思議なものもあれば、愛らしいものもあったり。なかでも小鳥たちを描いた絵皿に目を惹かれてしまう。なんの鳥なのだろう。かわいいなと思う。あと、ふさふさした感じの鳩の絵も味わいがあっていいなと思う。
唯一の絵画作品もあって、それはお菓子の絵。なんだかピカソの描くお菓子の絵って、新鮮である。
そしてエレベーターで二階にあがると、明るい空間がひらけている。
女性モチーフの水差しがあって、そのくすんだようなブルーの色合いがなんだかいいなと思う。絵皿が壁一面に飾られている部屋もあり、どれも生き生きと個性的で、みていてたのしい。
小さなミュージアムなので、わりとすぐにすべてを鑑賞し終えたけれども、気持ちはとても満足。建物自体が澄んだ感じの心地良い雰囲気なので、気分よく鑑賞できたからかもしれない。
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その後、一階にあるカフェヴァローリスでお茶をしていく。ミニケーキと飲み物のセットもあって迷ったけれども、今回は店名と同じ名前のついたカフェヴァローリス(レモンとヘーゼルナッツを合わせたカフェラテ)をいただくことに。
ピカソの絵のラテアートが描かれたカフェラテはほんのり甘く、レモンの爽やかさもあっておいしい。ヨックモックということで添えられてあるプチシガールはもちろんおいしい。
しばらくのんびりしたカフェ時間を過ごしたのち、美術館をあとに。
帰り道、今回、自分のなかで印象に残った作品はどれかなあと考えてみると、考えるまでもなく頭に浮かんでくるのは小鳥の絵皿と女性の水差しだった。あと、ピカソのセラミック作品、もしかしたら絵画よりも好きかもしれないなあ、なんてこともちょっと思った。
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※『いのちの讃歌』の会期は2024年9月23日までとのこと。
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