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日記/美術館のちカルダモンロール

10月*日

東京都現代美術館で開催中の『デイヴィッド・ホックニー展』を観に行く。

平日の昼近くだったので、すこしは空いているかなと期待して行ったのだけれどこれが甘かった。人気なのは知っていたけれども、到着してみると想像していた以上の人の多さ。チケットはあらかじめネットで購入していたので入場に並ぶことはなかったのだけれど(チケットカウンターは長蛇の列)、会場はなんというのか、ざわざわしている。

これは人気展覧会ではよくあるモヤモヤ。自分が混雑に弱いのもあって、なんとなく集中できないというのか、いつもより流し見になってしまう。

それでも!やっぱりここまで観に来られて良かったとは思う。画面で見るのと違って、実物だと色彩の豊かさが伝わってくるし、作品の質感や温度を感じとることができる。

ざっくりした感想を述べると、全体的に色の鮮やかさや豊かさが印象的で、人物画からはリアルな感触のようなものを感じたり、自然を描いたものからは自然の織りなす色彩(デイヴィッド・ホックニーを介して生み出される色彩)の組み合わせの妙というのか素晴らしさを感じることができたり、どれも観ていてたのしいものだった。

展示最後にあるipadで描いたという『ノルマンディーの12か月』は、季節に応じて移りゆく景色の表現が美しくて(そして可愛くて)、思わず目に焼き付けようと二周してしまったほどだ。

でもきっと、もうちょっと会場が空いていたなら作品をもっと深く味わうことができたのだろうなあ、なんてこともちょっぴり思ってしまう。けれどもそれだけ人気があるということは、クリエイターにとっても美術館にとっても良いことだから、それはそれで仕方ないことなんだろうなあとも思って自分を納得させる(そもそも自分が会期始まってすぐとか、今日もオープン直後とかに来ていたらよかっただけですが)。

現代美術館を出たあとは、前から気になっていた清澄白河にある北欧カフェ『Tallskogen』に行って足休めも兼ねてお茶をした。その際、カルダモンロールを食べたのだけれど、これがすごくおいしかった。ほんのり酸味あるもっちりした生地にカルダモンのスパイシーさ。甘さ控えめで、なんていうのだろう、滋味深い味わいというのか、しみじみおいしい。

あとでお店の人に聞いたら、天然酵母で作っているらしく、白砂糖も使わず甘さは甘酒によるものなんだとか。なるほど、だからしみじみおいしかったのか~、なんて思いつつ、好みのパンに出会えたのがうれしくて、いそいそと追加でテイクアウトもしたのでした。

美術館を出たあと見かけた花の蜜を吸うアゲハ蝶


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※『デイヴィッド・ホックニー展』の会期は11月5日までとのこと。

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