よりどころは自分でつくる。
一つだけでいい。
「これだけは」というものを決めてしまう。
例えば、私は、寝る前の絵本の読み聞かせ。
その日、感情に任せてほっぺをつねってしまい(最低)、子どもとの間に気まずい空気が流れていても、読み聞かせの時だけは、何事もなかったかのように、ごきげんで絵本を読む。
ほぼ炭水化物しか与えられなかったなぁと罪悪感に身を浸しても、完璧な一日だったかのように、全力でやりきる。
それができたらオッケーにする。
そして続ける。
子どもと同じ土俵に立って感情的になってしまう、ダメな親です。
変に食材や添加物にこだわってしまい、効率よく食事を与えられない、不器用な親です。
でも、読み聞かせだけは、積極的にやっています。
あまりに全力で読み聞かせていましたら、悲しい場面での渾身の悲しい声色と表情に、聞いている子どもは、感情移入したのか、本当に泣き出してしまいました。
そのくらい全力です。
料理が得意なら、全力で美味しいご飯を食べさせ、ご飯の時だけは、絶対に幸福な空気で満たす。
子どものケアが上手なら、お風呂やマッサージやグルーミングの時間を、最高に気持ちよく、丁寧に、楽しくする。
お洒落が好きなら、全力で愛のこもった服を着せる。服を選ぶ、着せる時間だけは、笑顔で優しく。
何でもいい。
たったひとつと決めて、子どもにとっての安全基地をつくる。
その時間だけは、お母さんやお父さんと、絶対に仲良く過ごせる、という安心感を与えられれば。
そう決めたら、楽になりました。
部屋は散らかってるし、ご飯も下手くそだけど、絵本はよく読んでますヨ。
絵本はよ〜く読んであげたナ。
そんな風に、マニュアルも正解もない子育てに、自ら心のよりどころをつくってみる。
自分で見つけた、ささやかな日々の挑戦。
麻佑子