陣中見舞い、届く。
今日も離乳食を食べません。
7ヶ月。
おも〜い腰をあげて、6ヶ月と10日で始まった、息子の食人生。
そろそろ二回食に進む時期ですが、小さじ1も食べず…
ぎゃーと逃げ出し、あちらこちらを、おかゆや豆腐やかぼちゃの食べかすで汚していく。私のセーターも、カピカピになったでんぷんが所々に付着している。
「リトルモンスター…」「カオス…」思わずつぶやく。
義理の姉から、「離乳食ノイローゼになったから、まゆちゃん、神経質になりすぎちゃダメだよ!」と、くぎをさされていましたが、危うい毎日です。
食べてくれればそれでいい、ベビーフードもおおいに活用していますが(皮肉にもインスタントであればあるほどよく食べる…)、試行錯誤の日々です。
同じ食材を、時間を変えてあげてみる。
調理方法を変えてみる。
他の食材と混ぜる。
スプーンや食器を変えてみる。
食べる場所を変えてみる。などなど。
食べることは、生死に関わることだから、プレッシャーと責任も大きく、「食べて〜、食べて〜」と息子を追いかけ回す妖怪になった気分です。
「なんでも自分一人でできるようになったと思うなよ!」というセリフをよく聞きますが、今、その言葉をひしとかみしめています。
普通に「食べる」ができるようになることが、こんなに難しいなんて!
しかし、自分にとりましては、両親から、一度でもそんな皮肉交じりの言葉を冗談でさえ言われたことがないことに、心から感動している次第です。
私だったら、いつか成長した息子に、「ホントーに苦労したんだから!」とかなんとか、恩着せがましく言ってしまいそうです。
そんな尊敬してやまない母より、先日、離乳食に苦労している娘を心配して、小包が届きました。
最終兵器・bamixコンプリートセットと共に、奇妙な形の野菜が入っていました。
「離乳食に使って。」
バターナッツ。
数年前、青山のマルシェなんかで初めて見かけたときから、随分とよく見かけるようになった野菜ですが、まさか、かなりの田舎に属する私の故郷でも、市民権を得ていたのだろうか、いや、そんなはずはありません。
味はかぼちゃと相違ないとはいえ、離乳食の本には出てこない類の野菜。
私にとっては、どんな調理法で、むしろ赤ちゃんにあげていいのか、それすらどうか悩む類の野菜です。
いつまでもあくなき探究心と好奇心をもちあわせ、かつ、挑戦者であり続ける母のユーモラスで(本人はいたって真面目だと思いますが)自由な在り方に、励まされました。
育児は孤独だ、マニュアルはない、だからこそ、自由に、楽しく。
(ただ、食については、あまりエキセントリックになるには、少々勇気がいりますが…)
たまたま通いの整骨院の待合で居合わせた、中学生男子とそのお母さん。
息子をあやしてもらいながら、離乳食の悩みを打ち明けてみた。
「うちは、ずっとイギリスに住んでたんだけど、この子はリンゴと水で生きてたよ。だから大丈夫!」
毎日、いろんな人に助けられています。
決して一人でなんでもできるようになったと思うなよ!
育児もしかり。
息子にではなく、自分にそう言い聞かせる日々です。
麻佑子