秋風が壊していく
久しぶりに外に出ると、 すっかり秋晴れといった 青空が広がっていて気持ちがいい。
陽射しはあるものの、 通り抜けていく風が、 もう、秋だよ。と教えてくれる。
涼しい。
一年で一番好きな季節がやってきた。
青空の下、 秋風に頰を撫でてもらいながら歩く休日は、 なんて幸福なんだろう。
秋のはじまりに聴く、 と決めた歌を聴きながら、 ここ数日の間に気がついた、 自分の間違いを洗い出す。
ああ、私は間違っていたんだ。
そう気づいて、 私はまた、自分をゼロにする。
自分の認識を、 自信を壊していく。
必死で築き上げてきたものを壊すことは、なんて気持ちがいいのだろう。
ここからまた、新しくなれるのだ。
荒野になった私の中を 秋風が吹く。
ああ なんて幸福なんだろう。
足取りがいっそう軽くなり、 私は駆け出した。
麻佑子