7月8日【1】
なかなか縮まることのない陣痛間隔ですが、それでもきちんと痛みの波はやってくるので、そのたびに夫の手を強く握っては唸るの繰り返し。隣の出産劇を思い出しては「私はいつになったらああなれるんだろう」と一向に間隔が縮まらない痛みと向き合っていたのでした。
和室仕様の陣痛室で朝食を済ませ、分娩室に行くも子宮口は十分に開かない。こんなにこんなに痛いのに、なんでまだ開かないの?なんでまだ産めないの?と心のなかは「なんでなんで」でいっぱい。おまけに痛い。とりあえず痛い。しばらくすると、助産師さんから「陣痛促進剤入れますか?」との提案がありました。「あぁ、ついに促進剤を使ってしまうのか」と出来れば使いたくなかった手段を提案されるも、体力的にも精神的にもすり減ってきていたのでその誘いに心はがっつり傾き、「これでやっと産める」と安堵する自分が・・・。助産師さんに「お願いします」と伝え、お昼過ぎから促進剤を投与することに。いよいよ出産なんだから、体力つけるためにもお昼ご飯しっかり食べないといけないと思いはするけれど、陣痛の痛みで座っていることもできず、痛みが来ると横になって耐える、を繰り返しているとご飯を食べる余裕は相変わらずない!
ご飯をさげてもらい、しばらくすると分娩室で陣痛促進剤についての説明を受けました。促進剤は、陣痛が来たときに出るホルモンと同成分のため身体に悪影響はない、とかなんとか。正直詳しいことはあまり覚えておりません・・・。ただ、陣痛促進剤と聞くと正直なんだか邪道&一体どういう成分なのか謎なイメージを持っていたのですが、説明を聞いて「なんだ、全然そんなことないじゃないか」と率直に思ったのを覚えています。話を聞いて、改めて促進剤の使用をお願いすると、陣痛促進剤室へ。そこはベッドが2つ並んでいる病室で、先客が一組。妊婦さんと、隣には旦那さんが付き添っておられました。カーテンで仕切られているのでベッドに横になると隣は目には見えないのですが、布1枚なので言動は筒抜け。なんだか恥ずかしいなぁと思いながら点滴の注射を刺してもらい、いよいよか、と気持ちが昂揚しました。
促進剤を入れているあいだ、赤ちゃんの心拍をチェックするために、おなかにNST検査をしたときと同じようなセンサーをつけていました。助産師さんが常にモニターで心拍をチェックしながらお薬を入れていく、という感じ。点滴が始まってしばらくすると効果が現れ始めました。痛みがグンと増したのです。今までも経験したことないくらい痛かったけど、さらに痛い!マジで、こんなに、痛いのか、と思いながら夫の手をぐーっと握って耐え、声が出そうになるのを必死でこらえ、助産師さんと一緒に息を吐き、の繰り返し。痛いーーー!!!と声を出して叫びたい衝動に駆られるものの、お隣からはほとんど声が聞こえてこないほど静かで、なんだか私だけ声を出すのも恥ずかしいし、助産師さんがいると「声出すんじゃなくて息を吐いて!」と言われるので必死で叫ぶのを我慢。が、助産師さんが席を外すとタガが外れてしまい・・・(ナースステーションでもモニターをチェックできる模様)。隣のことを気にしてもしょうがない、私は声を出したいくらい痛いんだ!と開き直り、叫びまくりました。時々赤ちゃんの心拍が乱れ、お薬を弱めたり、戻したりを繰り返しながらも徐々に陣痛の間隔が狭まってくると、あまりお昼を食べられなかったことを思い出し、何か少しでもおなかに入れておいたほうがいいかも、ということで夫にゼリーを買いにコンビニに走ってもらったりしました。
がしかし!そこまでして胃も心も準備したのに、子宮口が開いていない!! 6〜7㎝くらいとのこと。これじゃまだ産めない、と。時刻はすでに夕方16時。「今日は促進剤切り上げます」と促進剤の説明をしてくださった先生からのまさかの言葉に目が点になりました。切り上げるって何?促進剤入れたらもう産めるもんだと思ってたんだけど違うの?え?私まだ産めないの?今日産めるんじゃないの?どういうこと?と軽くパニック。スタッフの体制的に促進剤の使用は夕方までらしく、私や赤ちゃんの状況に鑑みて他の先生とも話し合った結果、今日はここまでにしたほうがいいでしょう、とのことでした。促進剤を入れたらすぐに産めると思っていたのに、こんなに痛いし間隔も縮まってきたのに、またゴールが遠ざかっていく。思わず「いつ産めますか?」と尋ねてしまいました。促進剤を入れたことによって促されて夜に産めることもあると聞き、ぜひそうなってくれ!と願いつつ、午前中いた和室の陣痛室で再び夜を迎えることになりました。