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職場で聞いた衝撃的な話
職場で聞いた衝撃的な話…と言ってもそこまで衝撃的だとは感じない人もいると思いますが、よければ少しだけお付き合いください。
わたしはフリーランスという立場で、とある繊維関係の製造業の会社でお仕事をしています。そこで聞いた話です。
世間はそろそろ春ですが繊維業界では来冬の商品企画の真っ最中で、わたしの職場でも自社工場(町工場)でつくった製品の商品価値を少しでも上げて、何とか利益率を高く販売できないかと模索しています。
わたし的には、せっかく自社工場があるのだからその強みを生かして材料やデザインにこだわった商品を作れば自然と商品価値は上がる(ブランディングで上げられる)ものと思っていました。
繊維業の中心が中国やベトナムなどに移ったとはいえ、何といっても「モノづくり大国日本」の技術は世界が注目するところ!
人件費が高いので商品単価は上がるけれど、日本人持ち前のきめ細やかな技と感性でその分だけ高品質なものができる。
そう思っていたのです。
ところが現状はそうではないらしいのです。
自社工場は生産効率が悪いから、新商品は海外の工場で生産してもらおう。
商品企画の担当者がそう言いました。
わたしからすると「えーーー!せっかく国内の自社工場があるのにもったいない!!」という感じなのですが、営業担当も賛成のようです。
聞いてみると、自社工場でつくるよりベトナムで作った方が安いのはもちろんだけど、製品的にも自社工場で作るよりよっぽどきれいなものができてくるらしいのです。
自社工場でつくったらB品がめちゃくちゃ出る。
理由は職人さんたちの高齢化でした。
人海戦略で負けているのならまだしも、高齢化…。
工場の職人さんたちは全員50歳以上で、みな老眼になっているので細かいところが見えづらくなっているらしいのです。
製造段階で細かいところまでチェックするのが不可能で、出来上がって来たものの中には縫い目や編目などが乱れていて売り物にならないものがたくさん混ざってしまう。
一方ベトナムの工場だと働いているのは最高齢でも25歳ぐらまでの若者たちばかり。
長時間働いても疲れにくいし、眼もショボショボしない。そのよく見える目で丁寧につくっているので製品もものすごくきれいに仕上がって来るのだと言います。
ひとつ間違えば大事故につながる航空機のネジのほとんどは、日本の小さな町工場のち密な技術を持つ職人さんたちによってつくられている。
(ごめんなさい内容適当ですw)
みたいな都市伝説(?)を信じていたのですが、少なくとも繊維業界ではそんなことはすっかり今は昔のようです。
何度も言いますが人海戦術で負けているならまだしも、高齢化。
これからの日本の行く末に暗澹たる気持ちになっていまいました。日本の若い人たちに期待して荷を負わせ過ぎるのも気の毒な気もしますし。
わたしたちはこれから「モノづくり大国日本」という集団妄想を抱いて暮らしていくしかないのでしょうか。
少子高齢化しまくってる日本の現実を、突然目の前に突き付けられて少しゾッとした話でした。