キラキラしていないリカちゃんがそれでも（女子に）愛される
「リカちゃん」
そう検索すると、「タカラトミー リカちゃんドール」が１番上に出てくる。
ファッションは雑誌「sweet」に出てきそうな甘めで、帽子やカチューシャまでキマっているし、プロフィールを見れば、指揮者として世界中を飛び回る父ピエールと、ファッションデザイナーの母を持つ、キラキラofキラキラ一家の長女と知れる。
友達はややギャルめが多く、りぼん漫画「GALS!」を彷彿とさせる。将来どころか、小学生の今でさえ人気のインフルエンサー集団になっていそうなキラキラっぷり。そんなかわいくてキラキラでナンボのリカちゃんが、ズボラで愛される時代がきている。
【現代を生きるリカちゃん】通称【現リカ】ちゃんは、本家リカちゃんとは違う形で現代を生きる女子に愛されている。
散らかった部屋、メイクしたままの寝落ち。
全力デートは、「いい女になろう」みたいにがんばって結果都合のいい女っぽくなる現リカちゃんが切なすぎて泣ける。私の中でめちゃめちゃ大黒摩季が歌う。最近知り合ったばかりで、暇だからって連絡してくるやつにろくなやつはおらんのやで…とそっと１杯ウーロン杯おごってあげたい。
現リカちゃんの魅力
①人形動作のクオリティがすごい
これは見た瞬間に伝わる。細部にわたって細かく細かく作り込まれた動画で、非常にクオリティが高い。多分この作り手さんは次にサンダーバードを作り直すとかになったら絶対採用されるべきだと思う。（素人目線）
部屋のちょっとしたものの置かれ方、寝相、着替えのズボラ所作etc.何気ない所作が「あーわかる」になる。動きが本当になめらか。
細部にわたるこだわりっぷりが素敵。70点を撮り続けたらいいみたいな現代のビジネス本作者に「いや1000点とってナンボですよ」とか謎に言いたくなるレベル。
②仕事もゆるゆるプライベートも共感の嵐
偏見だけど、いわゆる「港区女子」はこのリカちゃんには共感できない。
現リカちゃんは社畜系でありバリキャリ系でこそないものの、"きちんと世の中でやっている"女性だ。
「激ユル仕事術」とかもあがっていてその概要欄にはこう書いてある。
新入社員の時は特に、周りが出来る人で自分だけ能力劣ってるんじゃないかって思いがちでした。 心優しい先輩たちは「テキトーでいいんだよー」とか「たまには手抜きが必要だよ！」とか言ってくれましたが、側から見たら先輩たちは手を抜いてる様子は見えず、どこがテキトーなの？めちゃ頑張ってるやん…なんて思ってました。 しかし働く期間が長くなり、自分も後輩を持つと、なんと後輩に同じようなことを言っているのです。 「全然勉強してないよ！と言いながら実はめちゃ頑張ってる」的ムーブではなく、本当に息抜きしまくりながら仕事をしているので、気を張るなよ！と言いたいのですが、相手にはいまいち伝わりません。 結局のところ、息抜きなんて人前でしないから「こんなんでいいんだよ」部分は見えにくいし、それに加えて自分に自信がない時って周りが優秀に見えるんですよね…。 なので「こんなんでいいんだよ」部分を動画にまとめてみました。 この動画を指して、「これまるで私w」って職場の先輩が言ってたら、きっと救われる人々がいることでしょう…🥹
うまく抜きどころを作っているのも社会人としてしっかり向き合ってきたからだと思うし、それでも仕事がまわっているのなら、それは仕事のまわし方や取り組み方をきちんと心得ているからだと思う。もちろん職種によるところも大きいだろうけど、"きちんと責任を果たす働く女性"の現リカちゃんがさらけだす本音に、共感する人は多いのだと思う。
しかも、それが上手にユーモラスで包まれているから、最高だ。
多分、もっともっと専門的な見方をすると、「キラキラの権化リカちゃんのさらけだし」という「ヤンキーが雨の日に猫に優しくする」的ギャップも人気の秘密にはあると思う。そういう見方をしても、きっとこの動画は参考になる。
だけど、私は思う。
現リカちゃんが愛されている大きな要因は、結局女の子は人形遊びが好きで、かわいいものが好きで、そんなかわいいリカちゃんが自分たちと同じようにがんばっていて、ちょっとだらしなくてサボってるところに「そうそう！一緒一緒！！」って共感できる。そこなんだろうなって。
そうやって現リカちゃんを通して励まされて楽しんで遊んでるんだって。
そして、動画の作り手の「現実を生きる管理人」さん自身も、きっと動画を楽しんで作られてるから、私たちは、そうやって、一緒に遊んでるから楽しいんだろうなと思う。
ま、１番おもしろいのは、「アラサー女がリカちゃんに自分を投影しているﾔﾊﾞチャンネルです！」とか言っちゃう管理人さんだけどね！！！
世の中、自分さらけ出した者勝ち！！！
おしまい。
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