美少年を定義してみる(1)少年装の視点から
1 美少年とは
美少年を語る美少年、柊野(ひいらぎの)マユキです!
僕の中での美少年を定義してみようと思います。
美少年とは。
なんだろう…、うーん。
手始めに辞書を引いてみると…
…なんていうものが出てきました。(孫引きごめんなさい)
美少年キャラを挙げれば枚挙に暇がないはずなのに、改まって「美少年」を定義しようとすると、ぼんやりとした輪郭のようなものしか見えないような気がします。逆に、ぼんやりとしているからこそ、それぞれの美少年像があり、共通点はありつつも様々な解釈ができるのかもしれません。
2 マユキの美少年の範囲
「美少年」という語の及ぶ範囲は、「真夜中の放送室」という動画の中でお伝えしているように、マユキが「美少年といったら美少年!!」となります。
…なんて感じで終わると怒られるので、もう少し僕の考えを書きます。
動画中に一例として登場した作品に、『風光る』富永セイ、サクラ大戦のレニ・ミルヒシュトラーセ、『ローゼンメイデン』の蒼星石があります。どのキャラクターも性別は女の子です。
紹介したキャラクターの共通点として、「少年風の恰好」をしているということが挙げられます。美少年を定義する決まり手としては不十分かもしれませんが、「少年装」という観点から美少年について考えてみたいと思います。
3 少年装の中に存在する「記号」
ぱっとこの画像を見たとき、「美少年ではない」と反論する人はほとんどいないはず! それは、金髪碧眼の美少年というイメージがあるからではないでしょうか。あとは、まつげも長いし、服装も…etc
そんな美少年像は、空から突然降ってきたわけではなく、美少年はこういう感じなんだ、とイメージさせるもの、つまり「記号」があると考えます。次の画像をご覧ください。
昨年投稿したイメージ動画のために描いていただいたマユキの記念絵です。マユキも美少年の仲間入りが出来ているでしょうか?
絵の中にある少年装の要素として意識したのはソックスガーター(靴下留め)と、リボンタイの二点です。永遠の13~14歳の少年盛りのマユキなので、違う衣装でも美少年になると思いますが、イメージは伝わったと思います。
ところが、世界的に有名な合唱団に所属する少年たちの衣装は素足が見える丈のパンツは履いていないし、竹宮恵子先生のデビュー作の「ここのつの友情」の主人公は金髪碧眼の美少年ではあるけれど、パンツ丈はロングだったりするんです。
美少年を語るときにしばしば登場する萩尾望都の『トーマの心臓』の登場人物たちも、制服はハーフパンツではありません。(私服姿や体操服等は短い丈のものもあります)
意外にも美少年をイメージするための要素であるハーフ丈のパンツが、美少年のルーツになったと言われる作品群にはそれほど前面に押し出されてはいないのです。しかし、「少年装」の観点からもう少し詳しく見てみるとどうでしょうか。
トーマの心臓を元に作られた映画で1999年の夏休みという映画があります。かなり古い作品なのですが、一部では有名な映画で30年を記念してリマスター版が2018年に発売されています。特徴的なのはメインキャストの4人の少年たちを女性が演じているということです。原作とは違ってみんなハーフ丈のパンツでソックスガーターをしていますね。
「記号」がなくても美少年なのかもしれませんが、美少年であると分かってもらうための「記号」が用いられているのはご理解いただけましたか。ファッションや仮装の一環で少年の恰好をする「少年装」というジャンルがありますが、少年を「装う」ので実は、少年装をする人は少年ではないのです。美少年は装わなくても美少年なのです!
長い年月を重ねて形作られた美少年像ですが、割と見た目から自分自身の美少年像を形成しています。あなたの美少年はどこから? 今回はこのあたりで失礼します。
まとめ
①美少年を定義するのは難しいが、服装は美少年を構築する要素の一つであり、少年装という観点から美少年のイメージを掴むことができる
②少年装沼はよきですよ!!
マユキの本棚(参考文献)
竹宮恵子『鏡の国の少年たち』新書館 1980年
中島梓『美少年学入門 増補新版』ちくま文庫 1998年