CXを学び、体験し、創出する - CX DIVE 2019 レポート
初めまして。今回初のエントリとなります。
都内の企業にてWeb Directorとしてお仕事をしています。
まず簡単に自己紹介させていただきます。
・Web Director(胸を張ってそう言えるように勉強の毎日)
・UI/UXの勉強をしています
・専門卒の現在社会人4年目です
・目指すはUXデザイナーです
またエントリを増やしていく上で、項目が増えていくかとは思いますが、今の所はまだこれくらいです。
拙い文章ではありますが、どうぞよろしくお願いします。
CX DIVE 2019 レポート
2019年4月17日に虎ノ門ヒルズで開催された、 CX DIVE 2019 に参加してきました!
個人の主観も入りますが、今回の内容を振り返り、簡単にまとめようと思います。
◆ABOUT CX DIVE
「CX DIVE」は、最先端のCX(顧客体験)を学び、体験できるカンファレンスです。
市場にモノがあふれることで起こるコモディティ化。
圧倒的なスピードで発展するテクノロジー、不可逆的なデジタルシフト。
それによって次々に生まれる新しい体験。
この時代を生きる顧客は、自ら積極的にプロダクトやサービスに関わり、
主体的に心地よい体験を作り上げていく存在だといえます。
では今、企業やブランドは、顧客とどのように向き合うべきなのか?
ここに、CXという概念が求められる土壌があります。
一方で多くの先人たちが、例えばスマートフォンが浸透するずっと前から
顧客が享受する体験価値に真摯に取り組んできたことを、私たちは知っています。
CXという言葉に先立ち、既にCXは実践されていたはずなのです。
だから「CX DIVE」は、オンラインとオフラインの境界を意図的に溶かして、
CXを本質から学び、アップデートしていくことを目指します。
文字通りバラエティに富んだ、CXに取り組む一流のプロフェッショナルたちが集い、
登壇者と参加者がともにCXの「うねり」に没入し、思考する。
「CX DIVE」は、それぞれが新たなCXを生み出すきっかけを創出します。
引用元: CX DIVE
今回、大きく3会場に分かれてのセッションとなっていました。
タイムテーブルはこちら。
私が参加したセッションは以下のセッションです。
◆11:15-12:15
[KEYNOTE SESSION] 変わる世界、うねりとしてのCX
◆13:00-14:00
テクノロジーにより進化するコミュニケーションとCXの未来
◆14:20-15:20
当たり前を疑い、感動する体験を生み出す
◆15:40-16:40
五感を刺激する演出から学ぶ
◆17:00-18:00
CXが拡張するD2Cの可能性
◆18:20-19:20
[Closing Session] CX LEADER DISCUSSION
全て振り返るととても長くなってしまうので、今回この中から3つ抜粋して振り返っていきます。
01 [KEYNOTE SESSION] 変わる世界、うねりとしてのCX
鈴木 おさむ (放送作家)
遠山 正道 (株式会社スマイルズ 代表取締役社長)
このセッションは、大きく2つのことを言っているように感じました。
・企画を作るときは、自分ごと化できるように
-昔、フジテレビ内で話題になった企画書こそ、自分ごと化ができるものであった。
-なぜそのヘアセットをしてきましたが?なぜそのスーツを着てきましたか?
-それはモテたいからです!という断言から始まる企画書で、思わず突っ込みたくなる。
-そういう企画書こそが共感を呼び、いい企画になる。
-遠山さんのスープストック始動のきっかけとなった企画書は「小説風」
-自分の思い描いている形をどうにか共有しようとした結果、小説のようになっていた
-テーマは「共感」であり、提供する側、される側、場所のストーリーをそれぞれ考えていた
→ スープを売っているが、スープが商品なのではなく、スープという共通の話題に共感している人が集まる空間があり、その空間を提供したい。
その空間で、体験できることこそが商品である。
さらに言えば、お店に来る過程やその気持ちまでも楽しませるように。
ペルソナを作り、その上でカスタマージャーニーを作り、、、
今回私が携わっているプロジェクトの手順をリンクする部分もありますが、
まだまだ足りていない、と実感する内容でした。
ストーリーが大切、自分ごと化が大切という話はよく聞きますが、
まだまだ、全ての登場人物のストーリー化や共感までは、踏み込めていなかったという気づきがありました。
UXという勉強をしているからか、逆に頭が固くなり、サービスを提供される側の視点ばかりになっていたような気がします。
提供される側ももちろんですが、さらにその先の共感を呼んで広まったユーザのこと、そして提供する側の設計も考えていくことが、サービスの向上につながっていくのではないかと考えさせられました。
・スモールスタートを意識する
-ハンコをいかに少なくさせるか、少なくするか
-ハンコのいらない仕事が一番面白い
-仕掛ける側を試していく
-ハンコがいらないところでのトライを増やし、当たり前にしていく
例えば、でお話いただいたことが、とてもしっくりくる内容でした。
(そういう私は、ハンコもらいたがる傾向にあるので、考えを改めます…)
例えば、将来飲食店を出したい、その飲食店で提供したいと思っている黒豆茶があるとする
会社に来たお客様に、飲み物を出すこと、出す飲み物の内容は、ハンコなんていらない
そこで、お客様に対して黒豆茶を出してみて、反応を伺う
「なんか黒いの入っているけど…?」「実はこちら黒豆茶でして…」
意見を聞き、FBをもらうことができる
こんなレベルでもいい、ハンコがなくても試したりする事は可能
試せるものを小さく試していく
どんどんハンコをなくしていくために、責任を持つ
初めての自己責任で色々やっているうちに自信がついていくもの
優秀だなと感じている人は過去に会社を潰していたりする
リスクの小さいことxガッツのある若者=面白いことが起こる
なるほどな、と感じました。
確かに周りでもすごいな、と感じる人とお話をすると、大きな失敗をしていたり、大きな損失をあげていた過去があったりします。
責任を持つ、ということから逃げていた部分が正直あるな、と刺さるセッションでした。
幸いにも責任を持たせてもらえる環境があるので、逃げずチャレンジし
様々なことを試していけるよう、準備を進めていこうと思います。
02 CXが拡張するD2Cの可能性
橋本 舜 (ベースフード株式会社 代表取締役社長)
山下 貴嗣 (Minimal – Bean to Bar Chocolate – 代表)
ハヤカワ五味 (株式会社ウツワ 代表取締役)
D2Cとは…?
『Direct to Consumer』の略で、消費者に対して直接商品を販売する仕組みのこと。
企画し、製作した「もの」を、自社の販売チャネル(SNSやECサイトが多い)で販売していくモデルを指します。
・D2Cの強み
- スモールビジネスとスタートアップのいいとこ取りができる
- 顧客の声を聞いて最適化、ミニマムだからこそできる
- 時代のスピードに合わせて、D2Cという形態が1番対応しやすいが、立ち上げはとても大変でリスクも多いが、可能性はある
→ インフルエンサーや感度の高い人にちゃんと適切に届ける事が大切
・D2Cの悩み
- 良くも悪くも、類似は出てくるし、出てきやすい
- プロダクトさえちゃんと作っていればちゃんオリジナルへと流入してくれる
→ 商品は同じでも、どういう背景で、誰が売っていて、、、そのストーリーが違うので、全く同じにはならず、どちらが良いか、になってくる
- SNSでの炎上があったり、口コミや批判を入れられたり、しかも直接届いてくる
→ コアファンがついていれば、反論してくれたり、応援が来たり。コメントも、いい意味でシェアされる
このセッション、ハヤカワ五味さんが出られる、とのことで取ったものだったのですが、
D2Cというものを、初めてちゃんと意識して考えた時間となりました。
わかったような気になっていてわかっていなかったD2C。
声が直接届き、PDCAも早く回せる。ミニマムでのスタートが切れる。
セッション内でこれまでの経験を聞いていると、それだけではなく、苦悩も多く語られていました。
届けたい人へ、ちゃんと届けることって、相当難しいと再実感する機会にもなりました。
終わりがけに、話に上がってこないけどD2Cじゃない?というディスカッションもあり、
その中で誰もが知っている「ディズニー」の話が出てきて、納得できる部分があったので、以下にご紹介します。
ディスニーリゾート(各国に1つだけ夢の国があるから成り立つ)
- パークでリアルに世界観を体験してもらう
- ファン化させて、ウェブや店舗で購入
- LTVの高いお客さんをつくっていく
→ あの世界観の中だからあの値段の耳(カチューシャやアクセサリー)を買える
→ それでいうと、旅行に行くと、ちょっと高くてもお土産や記念のものを買う
→ 店舗を、アミューズメント施設と捉え、エンタメとして店に来てもらうと、ちょっと高くても買ってしまうように(買いたいと思うように)
→ ものを売る場所ではなくアミューズメントでありエンターテイメントとして提供する
イベント1なるほどな、確かにな、と感じた気がします。
このことこそが体験させて、世界観や体験とともにサービスを売るということであると感じました。
身近に置き換えると、サイトに来てもらい、その世界観で魅了させ、ファン化させる。
そして何度も来てもらい、その度に新しい体験、得られる時間だったりサービスだったり世界観を象徴するものにお金を払う。
ここだからこそ、という理由をユーザに持ってもらう。
ファンサイトにも、その他サービスにもつながる考え方だと感じました。
世界観の構築、ファン化。離脱や退会を考えるより前に、こちらを考えるべきなのかもしれない、と感じるお話でした。
03 [Closing Session] CX LEADER DISCUSSION
嶋 浩一郎 (博報堂ケトル 代表取締役社長 兼 共同CEO/株式会社博報堂 執行役員)
青木 耕平 (株式会社クラシコム 代表取締役)
井上 大輔 (ヤフー株式会社 メディアカンパニー マーケティングソリューションズ統括本部 エバンジェリスト)
長瀬 次英 (株式会社LDH JAPAN 執行役員 CDO/デジタルマーケティング本部長)
スナックや、ラジオは最高のCXである、というお話、そして現代の広告のあり方を問うセッションとなりました。
・コスパを第一に考えるものに口説かれたくない
- コスパはパフォーマンスしてからの問題であるから、予算をしっかりと意識していく
- 立ち上がってない事業でPL考えることは何も意味がない
- 現場が喜び、予想を超えるものを提供できて初めて、収支を合わせる
・黄色いところ、赤いボタンに集まる的なマーケティングは嫌い、人はそんなに単純じゃない
- 人の好みや思考は多様化している、そのことが広告が嫌われる原因になっているかもしれない
・昭和に比べて平成の広告はつまらなかった
- 効率を求め過ぎてしまった
→ 広告は楽しくないといけない
・スナックのママ、ラジオのパーソナリティーはカタリストである
- それぞれの「欲求も好きなことも違う消費者全て」に対して、満足度を満たしてくれる
・テクノロジーが進化すると時間と体験が溶解していく
- 損することに敏感になっているのはデジタル、情報化社会が産んだ功罪である
→ 逆に本当に体験することの価値は上がってく
このセッションに参加していた時、PLを引いている真っ最中だったため、ぐさっときた部分はありましたが、
そこは予算の意識をしっかりするために必要不可欠だったので、良かったと思っています。
情報化社会によって、便利になっている社会の中で、失われている「感覚」や「もの」がある。けれどそれらが本当は必要だったのではないか、という問いが多い時間でした。
マーケティングツールを提供している企業のイベントで、マーケティングのあり方を全面的に問う、と言った場面は、このセッション以外でも見受けられましたが、セッション中のデジタルラウンジでは、納得の声が多く挙がっておりました。
それほど、スナックのママ・ラジオのパーソナリティーの話は納得のいく内容であったと感じます。
また、「損をすること」ですが、例えばご飯に行く上でもお店の評価を気にしてしまったり、
行ったこともないのに他の人の口コミで判断してしまったり、、、
確かに、そんな場面私自身よくあったな、と振り返りましたし、自ら体験を遠ざけていたと感じました。
最後に、モデレーターである南さんより、「サービスを提供する側であり、同時に消費者でもある」とまとめていただきましたが、その通り私も社会では1人の消費者です。
何か体験したこと、体験すること、感じたことに関して
他のサービスだったり、自分の関わっていることだったりに使えないか、意識できるようになりたいと感じました。
◆まとめ
今回のイベントですが、全てのセッション通してのテーマがあり、「The Seamless World」と掲げられていました。
Opening speechにてPLAIDの倉橋さんより、
あらゆるモノを溶かし、つないでいく
参加者であり、発信者
体験の一部になってほしい
とのメッセージがありましたが、参加したセッション全て、セッションという垣根を超えて繋がる・リンクしている部分がありました。
・自分が実際に「面白い」と思うことを自分ごと化して突き詰める
・「誰」に「何」を届けたいかを明確にする
・世論や、評価を気にしすぎず、情報に頼りすぎない 「百聞は一見にしかず」
・ネットを通じて見聞きしたものは、その中の世界でしかない
・現場やメンバーが楽しんでプロダクトを作ることこそがサービスの成功への足掛かり
・辛くても、立ちもどれる軸、自分の中の熱量を持ち続ける
これらが、言い方は違えど私の参加したセッションでの共通した「キーワード」だったように感じます。
様々なサービスの名前が出て、たとえ話が出てきて、終始会場一体となった頷きや笑いが起きるといったイベントでした。
たとえ話がより私たちの身近なもの(slack/食べログ)だったりするので、咀嚼しやすく、納得も深いものが多かったように感じました。
振り返らなかったセッションでも、もちろん得られるものはたくさんありました。
一部、会場全体が、このセッションは一体どうなるのか、と固唾をのんで臨んだセッションもあったように感じます。
・いつも来てくれる、利用してくれる優良なお客様にはディスカウント(お金や割引)ではなくより気持ちを伝えるべきである
→割引される、割引してほしいという気持ちを持ってきているわけではない、むしろ失礼であるという考え方
・世界を変えるとかそういうレベルではなく「もふもふしたい」というレベルの方が共感が得やすい
・顔の見えない読者に対して記事を書くのではなく、目の前の人に手紙を書くつもりで記事を書く
・万人向けではなく、コアな熱狂的で能動的なファンを作り、定着させることを目的とすると、広がりや繋がりが生まれやすい
この辺りのお話や固唾を飲んだセッションが気になる方は、
Twitterハッシュタグ #cxdive やnote等にて多くの方が書いていらっしゃいますので是非。
◆振り返り
簡単に、と言いながら長くなってしまいました、、、
今回は2018年の時と比較して、自分の中にCXに対する意見・考え方を持っていたため、
考えながら、自己解釈しながらの参加となりました。
前回、ただ聞くこと・メモを取ることに必死だった頃よりは、少しではありますが、理解を深められたのではないかと感じます。
あとは、前回にはなかったデジタルラウンジ「HELLO, CX DIVE」が今回用意されており、参加者の考えや意見、感想に対してリアクションができる、というのは新しかったように感じます。
自身も、楽しみながら投稿し、共感できるものには賞賛アイコンを送っておりました。
(拍手/賞賛は何度でもリアクションでき、カウントが増えていくとリアクションアイコンも変わっていくのが面白かったです)
また、今回のセッションに出てくるフードやブランドをランチという形で提供しており、
KEYNOTE SESSIONでスープストックのお話を伺ったあと、無性に食べたくなっていた自身は、まんまと釣られました。ご馳走様でした。
(6curryもとても気になっていましたが、間に合わず…!)
今回のイベントを通して、前回の「borderless」のテーマ同様、自身が関わるサービスやプロジェクトの中で、少しでもCXの部分で落とし込むことができないか、考えるクセづけ、視点を養っていけるよう取り組んでいく次第です。
普段の生活にまで、自然に落とし込むことができたら、登壇していた方に近づけるのではないかと感じました。
そのレベルに到達できるよう、善処していく所存です。
以上
初のエントリで拙いところもあるとは思いますが、どんどんアップデートしていけたらと思います。
最後まで見ていただき、ありがとうございます!
勉強のために使わせていただきます!いただいたサポート以上のnoteをまとめていければと思います!どうぞ、よろしくお願いいたします。