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台湾・日本で捉えられ方の違う言葉たち - 「自殺/他殺/相殺」の巻。
こんにちは、台湾台北市より、まゆーです。
今回は、ちょっと字面がコワモテ系の言葉たちにまつわるお話しです。
①「自殺」
②「他殺」
③「相殺」
日本人がみるとちょっと漢字の圧を感じやすく、
一部怖いワードも含まれている単語たち。。
①②は、台湾在住のみなさんや、
台湾旅行によく来られる方ならば、すでにご存知かもしれません。
X(旧Twitter)などで話題にもある程度定期的に上がってくる
定番トピックでもあるためです。
なお私は、”他殺派”です。
ここで、2024年に何度かこの件に触れられている
台湾の風さんのXご投稿を見つけたので、引用・ご紹介します。
自殺でも他殺でもOKですよ🔪 pic.twitter.com/GUUqWbAnnu
— 台湾の風 (@TaiwanWind) April 14, 2024
他殺の現場を目撃しました🍍 pic.twitter.com/OKWGl97gLb
— 台湾の風 (@TaiwanWind) June 2, 2024
知らなかった方には、ちょっとビックリさせてしまいましたね。
台湾語由来(※台湾中国語ではない、台湾現地の別言語のこと)の
パイナップル(または場合によっては他の果物)の切り方
のお話なのです。
・自殺:自分で果物を切ること
・他殺:果物を他人(主に販売してくれろお店の方)に切ってもらうこと
ここまでは、Web上で
「台湾 自殺 他殺」などで調べると、よく出てくるお話です。
noteで同様にWebさんぽしていたところ、
”他殺動画7選”という、字面さらに恐怖醸し出すタイトルが挿入された、興味深いご投稿が出てきました。
***
さて、ここで最後の一つの
③「相殺」
について。
日本語だと、辞書を引くと、以下のような意味で説明されることが多いです。
貸し借り・損得などを互いに消し合ってゼロにすること。
「お互いに債務を負担しているときに、それを帳消しにしどちらも返さなくて良い状態にすること」
とも言えますね。
このワードを台湾人に伝えた時の反応です。
(台湾人パートナー🙋♂️&日本人の私🙋♀️、それぞれお互いの昼ごはんとカフェの食事代を支払った)
🙋♀️:ねぇ、昼ごはん一人当たりいくらぐらい払ってくれた?
🙎♂️:えっと〜、300元ほどだったよ。
🙎♀️:OK、私もさっきカフェで一人当たりだいたい300元払ったし勘定、
相殺でよさそうやね〜!
🙆♂️:……えっっ、今なんて言った……!?
🙎♀️:ん?”相殺”のこと??
🙆♂️:うひゃっ!!!なんて怖い言葉つかうんだいっ!!😳
🙎♀️:???
台湾でも「相殺(ㄒㄧㄤˋ ㄕㄚ / xiàng shā)」という言葉は存在し、
お互いを相打ちにして消し合う、つまり「プラスとマイナスが相殺されてゼロになる」という概念を持っているようです。
ただし、どうやら、日本語のような「お金の精算」、お金の支払いを帳消しにするような日常的な言葉ではなく
感情的な状況や対立などが帳消しになるイメージで使われることが多いです。
例:
兩個人的過錯可以互相相殺。(2人の過ちが互いに相殺できる。)
「怖い!」と言われた理由ですが、
①台湾で「相殺」は「互いに殺す」という字面から連想されるため、
「争いや暴力」をほのめかす怖いイメージを持たれることがあるようです。
特に口頭で聞いた場合、「殺」という字の響きが強調されるため、物騒に感じられることがあるようです。
②また日常会話で「相殺」を使用すること自体があまり一般的ではないため、
突発的に聞くと「何かネガティブな状況が起きたのでは?」と思われる可能性もあるとのことです。
台湾旅行や台湾生活の中では、
使うとびっくりされてしまう可能性が高くなるので、
あまり使わない方が無難かもしれません^^;
お金のやりとりや精算を表現する場合、台湾では「相殺」を使わず、
以下のような表現が自然、とのことです。
「抵銷(ㄉㄧˇ ㄒㄧㄠ / dǐ xiāo)」:日本語の「相殺」に近い意味で、「お互いの負債や請求を打ち消し合う」という意味。
例:這筆款項可以抵銷。(この金額で精算できます。)
「結清(ㄐㄧㄝˊ ㄑㄧㄥ / jié qīng)」:精算や清算を意味する表現。
例:我們來結清這些費用。(これらの費用を精算しましょう。)
「扣抵(ㄎㄡˋ ㄉㄧˇ / kòu dǐ)」:控除や差し引きの意味。
例:你可以用這筆錢來扣抵下次的費用。(このお金を次回の費用に充てられます。)
台湾で「相殺」に該当する表現を含む会話に遭遇することがありましたら、
上記のような表現にぜひ置き換えてお話ししてみてください。
では、また〜!