久しぶりに母と買い物に行ったら、今年の5月頃、膵臓がんの疑いがあったという話を唐突にされた。 5月にはほぼ癌だろうと言われたものが、6月には脂肪の塊だろうと言われ、今度細胞の一部を取って精密に調べるらしい。 そもそも膵臓がんは進行がはやく、痩せていくらしいので、ふくよかな母はおそらく違う。 夫婦仲は決してよくなかった両親だが、その件以来父が毎日家の掃除をし、母の話はほとんどスルーしていた父が話を聴くようになったそうだ。 人間、死を意識してはじめて大切なことに気付くん
私の人生の主役は私。私の人生に出現した人たちの配役を決めるのも私。 慣れないうちは配役を間違うことも多々。 十数年前、ヒロインである私のパートナーに、あろうことか村人Aをパートナーとして選んでしまった。 セリフすらなかった村人Aにヒーローを演じさせようとしていたのだから、彼もさぞ辛かっただろう。 正式にお別れして数年経った今、村人Aは本来の彼らしく生きているようで、私も私らしく生きている。 今や私にとって彼は元の村人Aでしかないが、彼には彼が主役のドラマがあるのだ。