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税制が変わらねば、日本のアート市場も変わらない


「税制が変わらねば、日本にアート市場はできない。」



「"日本にアート市場を築くこと"と"日本の作家が売れること"は幸せになる人が全く違う。それぞれ別のアプローチが必要で、どちらか一つを優先に集中する事が大切だ」


国内を代表する現代アーティストとして、作品を精力的にそうぞうしつづける小松美羽さん。


そんな彼女を支えるアートプロデューサー、高橋紀成さんにお話しを伺ったとき、力強く発したこれらの言葉たちが、いまも私の心に強く残っています。


また、他にもアートに携わるたくさんの方にお話を聞いていく中で、日を追う毎に強くなっていく、私が感じる"怒り"。


今日は、そんなことをつらつらと書きます。


日本の絵画は日本にない。


浮世絵を観たくても、日本ではなくニューヨークの美術館に行かなくてはならない。


なぜか?非常にシンプルな問題で、日本国内ではアートに対する税制度の厳しさがあります。


現在、アート市場において、作品を購入する層の中心は富裕層が中心です。


富裕層が税控除のために絵画を購入し、結果的にそれが作家を支えているのも事実。


そもそも日本と香港との比較したときでさえ、1000万の絵画を買うと税金が80万円も差がでます。


無論、日本の方が富裕層にとって、"得しづらい"構造となっています。


これが海外になると全く変わってきます。


たとえば美術館に1億円の絵画を献上した場合、同額分の税金控除が得られます。


ということは、日本の美術館に絵画を献上しても、税制的に富裕層が得をすることは少ないのです。


1000万円、1億円の絵画を購入できる人は富裕層ですから、規模を考えてもアート市場は富裕層に支えられていると言えます。


しかし、その事実から目をそらしている人が、あまりにも多い気がしていて。


だから、富裕層に向けて税制面から変えていかないと、日本のアート市場で日本人が活躍できないのではないかと。


現状、作家が活躍するフィールドは、海外でないと厳しいです。


日本にアート市場を築くのは、税制という堅い壁を乗り越えなくてはなりません。


これは容易なことではないです。ここ50年絵画に対する税制が変わったでしょうか?


だから、「アート市場」なんて漠然としたものよりも、まずは私の目にハッキリと映る、日本の作家さん・アーティストを幸せにする活動をしたい。


海外の流通市場に乗り、活躍できるようにプロデュースすることが「日本のアート市場を築く」ことよりも大切な「作家」のためになります。


たとえ作品が海外に流出しても、日本の美術館に絵画が残らず日本の文化資産が衰退してしまっても、素晴らしい作品を生み出している作家に目を向けず、税制をそのままにしていたのが原因じゃないか!とすら思ってしまいます。


日本の素晴らしいアーティストの作品が、国内からなくなり続けている状態を放置しているのは、一体どこの誰でしょうか?


富裕層がアートを買うようになるには、

海外のように税金控除などがなければ、厳しいのが現実です。

「富裕層が絵画を資産として扱っている。」

この事実から、目をそらしてはならない。



【日経COMEMO高橋紀成さん 次回取材記事

日本のアート市場が揺らいだ、歴史的瞬間

https://comemo.nikkei.com/n/n43592f887082



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