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エコミュージアムを探る。

欧州の若者文化、社会教育の状況を探っている私たち。今年の初めに欧州での調査内容を発表する機会をいただき、住民参加型のエコミュージアムという存在を教えていただいた。実はそれらしき活動に欧州で触れたこともあって、今回の旅では住民参加型、アソシエーションでやられている博物館や美術館も探ることにした。

1 エコミュージアムは行政と住民が一緒に構想し、運営していくものであり、行政は専門家と施設や資金を、住民は知識と能力を提供しあって作り上げていくものである。

2 エコミュージアムは居住する地域の歴史・文化・生活などを理解して住民が自らを認識する場であるとともに、来訪者に自らが生活する地域を理解してもらうための場でもある。

3 人間は伝統的社会・産業社会の中でも自然と関わって生活してきており、それを理解する場所がエコミュージアムである。

4 エコミュージアムは先史時代から現在に至るまでの時間の流れの中で人々の生活を捉え、未来を展望していくものである。しかし、エコミュージアムは未来を決定する機関ではなく情報と批評的分析の役割を果たすところである。

5 エコミュージアムは歩いたり、見学することができる恵まれた空間である。

6 エコミュージアムは外部研究機関と協力しながら地域研究に貢献し、その分野の専門家を育成する「研究所」である。

7 エコミュージアムは自然遺産や文化遺産を保護し、活用を支援する「保存期間」である。

8 エコミュージアムは地域研究や遺産の保護活動に住民の参加を促し、将来、想定される地域の様々な問題に対し理解を深めるための「学校」である。

出典「エコミュージアムについて」 馬場憲一

エコミュージアムについて、フランス語や英語のwikipediaを見ると、その数は200にも300にもそれ以上にもなるとされているも、出典が見つからなかった。ちなみにフランスには、Fédération des écomusées et des musées de société、エコミュージアムと社会博物館連合のようなものがあり、ここには180ほどが加盟しているらしい。しかしここに漏れるエコミュージアム的事例を私たちは目にしたため、市民活動レベルを見ると数ははるかに多いように思われる。
また、欧州では野外博物館が一般的に言語として用いられ、そのなかにもエコミュージアムに似通った事例があるらしい。実際、エコミュージアムの運営を比較した研究では、いくつか野外博物館が含まれていた。野外博物館に関しては、欧州レベルでネットワークがあるらしい。エコミュージアムに関しても、イタリアのネットワークもあるらしく、まだまだ全体像が見えてこない。
いつもの私たちの視点、住民の自由時間とミュージアムがどの程度関わっているのか、今回の旅では探ってくる予定。もう少し予習を深めたい。

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