SO LONG GOODBYE 12.渡辺綾子と働く人
2020年2月3日 京都府にて
12:30まで、自分のいいと思う音楽を聴かせ合う会。
稽古開始、少しずつ府立文芸用にかたちを作っていく。
美術も変更。今回もやはりくだものを使うようだ。どういうチョイスになるかは乞うご期待。
河井朗は、毎回稽古場におもしろ話を持ってくるらしい。なるほどたしかに、そう言えばそうだ。ふつうにしゃべってるんだと思ってた。
感動を共有したいから、らしい。今日のおもしろ話は陸上競技の砂場のバラシについて。昨日バラしてきたようだ。おもしろかった。「だから、筋肉痛でごめんなさいね」と言っていた。「普段、稽古場でそんなに動いてないやん(だから筋肉痛でもなんでも関係ないでしょ)」とあやこさんに言われていた。
続いて、真空パックんのブーン音を久しぶりに聴く会。いい音だ! ブーン。なんだか落ち着くな。ブーン。脳が振動するかんじ。ブーン。もしかしておかあさんのお腹のなかで聞いていた音ってこんなかんじだったのかな。ブーン。長いこと聞いてたら頭がダメになりそう。
あやこさん、前回もだが、今回もまた昨日の今日でせりふをほとんど覚えていてすごい。
今回のテキストはさまざまな人のインタビューの言葉から構成されていて、とうぜん人によって話し方や語彙のくせがあるのだが、それによって覚えやすさが違うのだとか。なんかわかるな。
いろいろな人の言葉の間にスラッシュが挟まっていく。顔が「すかすか」(すかすか?)変わっていく。
文字起こしの文章だけ見ていても、だんだんどのひとの言葉なのかと言うことがわかってくる。おもしろい。相手は自分のことを知らないのに、一方的に「よく知っている人」になってくる。声を聞いたりするとなおさら。
あやこさんのせりふの中で、ある程度自由なセクションがあり、そこはたまに、別の言葉に置き換えて稽古をする。今日はお好み焼き屋さんの話で、おばあちゃんはハードワックスを知らなかったみたいです、という言葉で締めくくられた。
仕事を変える瞬間というのは、いつも不安。仕事に限らず、なにかをやめるとき、新しく始めるとき、なにか決めるとき、いつも不安だ。でも希望はある。これまで自分が囚われていたものから放たれて、もひとつ大きな世界に出る。
自分の決めたことが正しいのか分からない、これからどうなるのか分からない、でも希望だけがある。
これまでの生活があって、これからもまた綿綿と生活が続いてゆくこと。その中に光と影があること。そういうことたちや、それに伴う心の些細なゆらぎをわたしはとても愛おしいと思う。
作品作りをしていて長いあいだテキストと顔を突き合わせていると、自分の中でお気に入りのフレーズというのがかならず出てくる。
みんなにもそういうフレーズが見つかり、その言葉を持ち帰ってもらえることを願っている。
最後に去年のM-1の動画を見る会をして、お別れ。また明日。
河井朗のおにぎりには色々な具が入っていてぎゅっと強く握られていてとてもいい。気持ちを感じる。
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第41回記念Kyoto 演劇フェスティバル
〈U30支援プログラム〉採択作品
ルサンチカ『SO LONG GOOD BYE』
「人は一日八時間食べてはいられないし、一日八時間飲んでもいられないし、八時間セックスしつづけもできない。八時間続けられるものといえば、それは仕事だ。それこそが人が自分も他の人すべても、こんなに惨めで不幸にする理由なのだ。」
第41回記念Kyoto 演劇フェスティバル
2020年2月9日(日)
ホール開場16:10 / 開演16:30 【※変更ありました。ご確認ください】
京都府立文化芸術会館 ホール
【料金】
一般前売:1,000円(当日1,200円)
高校生以下前売:500円(当日700円)