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20190615 キネマズ札幌ツアー2日目

MOMENT KINGDOMでライブ。
朝から霧雨が降っていた。

札幌に来ている。ところが、どこに行ったってそんなに変わらないな、という気がする。
旅について考えていた。旅というとなんだか劇的なものを想像してしまうが、景色と人、食べ物、あとは言葉が変わるくらいで、どこへ行ったってそんなに変わらないのかもしれない。世界の要素がそのくらいのものなんだもんな。自分が変わるわけじゃあるまいし。

芸術の森までの道すがら、セイコーマートでおにぎりを買った。大きめで、具がしっかりしていておいしかった。
ぱらぱらと雨が降っていたので念のためレインコートを買う。もうずいぶん放ったらかしにされていたようで、すっかりほこりを被っていた。
立て続けに3枚ほど売れたことで存在を思い出したのか、そのあと店員さんは残りのレインコートを濡れ雑巾で拭いていた。


キネマズの立つ野外のステージは、大きくて天井が高く、まるでホールのような雰囲気があった。白くてまるこい天井がかわいい。
霧雨のおかげで緑がきれいに見えたライブだった。


東京組の帰りがあるので一足先に会場をあとにし、街へ出て飲み始める。
萠さんに案内してもらった居酒屋が大当たりで、おいしいしたのしいし、酒も進む。

あやこさんが、貝殻を耳に当てて「海がきこえる」と言った。そんなまさか、と思って耳に貝殻を当てると、遠くから、ゴー、みたいな、ザー、みたいな音がして、ほんとだ、海の音だ、と思った。

店から出るころには、みんなずいぶんと笑い上戸になっていた。
まだ明るいうちから道で笑い転げる。酔っ払いだと思われてるんだろうな、でも事実だしな。

東京組と別れ、てきとうに入った居酒屋の窓から神輿が見えた。雨で光が滲む。きれいだな。

もう一軒、通算3軒目のお寿司に寄って、少々つまみ、宿へ戻る。もうねむい、だめだ、でも寝たくない。早くから飲んでいるので、とうぜんくたばっているひともいる。

ラウンジでひとりのスイス人と出会った。Tobiというらしい。
ぱらぱらとノートをめくっているとエレベーターから男性が降りてきて、「それ、俺、俺!」みたいな感じで自分を指差している。
聞くところによると、北海道で桜を見てから日本を南下しようとしていたが、北海道に来て2日目にクラブで踊っていたら足を骨折してしまい足止めをくらっている、というようなことだった。

テラスに出て、生き残っているメンバーと、ワインを飲みながら少し話す。
横で、女の子ふたりがハンモックに揺られてきゃーきゃー笑い合っていた。それがなんだかとてもすばらしいものに見えて、私にもこんな時間が、これまでの人生のどこかにあったかな、と思った。

眠くなったので部屋に戻ってシャワーを浴び眠る。萠さんはそのあとそのままTobiと卓球を続けていた。


この日のうちどこかで、あやこさんが「あっそれできるのか、今現代だった!」と「なにこれ適当に作った人形みたい!」と言ったことを覚えているのだが、どういうシチュエーションでなぜそんなことを言ったのか思い出せなくてずっともやもやしている。
検討のつく人がいれば、いないと思うのだが、いればぜひ教えてほしい。いいせりふすぎる。

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