私の英語多読遍歴107:When She Was Good
Good Girl, Bad Girlの続編です。
引退した捜査官が殺された。彼は過去の連続児童誘拐殺人事件を個人的に再調査していた。事件にはまだ不可解な点があり、みつかっていない行方不明の子供もいる。その調査内容を確認したCyrusはそこに”Angel Face”の名前を見つけ、彼女の過去の手がかりになるのではと事件を追い始める。
殺人事件の話よりもEvieの過去の話がメインです。隠し部屋から見つかって以来、名前も年もすべてが謎のままだったEvie。しかしその過去は前作でそれとなく示唆されていたよりもずっと苛烈で残酷でした。
ストーリーはCyrus視点とEvie視点でそれぞれ章になっています。前回の事件後にEvieはまた施設に戻ったので、二人は一緒にいません。Cyrusは事件をきっかけにEvieの過去を調べ始め、かつて彼女を見つけた警察官である女性にコンタクトをとったり、関係者への聞き込みを始めます。Evieの章では過去の記憶の回想が多く入ります。これがもう辛くて。。
Evieが受けていた仕打ち、今でも襲ってくる恐怖、そんななかで味方になってくれた人とつかの間の楽しい思い出。悲しく恐ろしい結末。最初の事件はきっかけにすぎず、Evieの過去をたどる話が続きます。児童虐待の話なので読むときは覚悟したほうがいいです。ペドフィリアはダメ、ゼッタイ。
読者側はEvieの話も読んでいる状態なので、Cyrusの行動がときにもどかしく感じるのは仕方ないとはいえハラハラ…。また、関わった人が次々死んでいくので、後半味方になる人も「よもやこの人にもフラグが…」と気が気ではありません。味方が頼もしければ頼もしいほど不安。
警察や法曹ですら信用できないかもと思うと絶望感が半端ないです。世の中の不条理も垣間見える話です。この話はどういう展開をこれからしていくんだろう。なんとなく「嘘を見抜く特殊能力で事件解決を裏から支える名探偵」的な感じかと思っていましたが全然違いますね今のところ。
出てくる描写がとにかく可哀想というかひどいのですが、展開はスピーディでページターナーです。英語もちょいちょい知らない単語はあるものの総じて読みやすいと思います。
次回作も出版予定ということで(巻末にチラ見せあり)、先が気になるシリーズです。
以上「When She Was Good」でした。
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