私の英語多読遍歴137:The Mother-in-Law
同著者の「The Good Sister」が面白かったので。
義母Dianaが死んだ。状況から当初は自殺かと思われたが、殺人の可能性があると調査が行われることになった。義母と仲の良くなかったものと聞かれ家族はみなLucyを見る。嫁であるLucyは確かにDianaとは仲が良いとは言えなかったが…
結論から言うとすごく面白かった。
Lucyは早くに実母を亡くしたこともあり、母親というのに非常に憧れを抱いていて、結婚したら”お母さん”ができる!と夢見ていました。彼氏の家に招待された時も、「きっと小さなキッチンでぶつかりながらお料理をしたり、彼の小さな頃のアルバムを出して思い出話をしてくれたりするはず…!」と期待していたのですが、想像と違ってそこはゴージャスな邸宅で義母は有能で冷たい雰囲気の女性。手伝いを申し出てもきっぱり断られて出鼻をくじかれるLucy。
そこから出産時、初めての育児でいっぱいいっぱいのとき、子供がらみのトラブルなど、ことあるごとにLucyにとっては「こんなはずじゃなかった」の連続で、義母との関係は冷え切っていきます。
この描写が秀逸でですね…。うっわーわかるわーと嫁の立場でまず思う。そりゃあかんやろと。共感性MAXです。
で、Dianaのパート。本当はすごく優しい人なんですが、若い頃に苦労していて人に頼らずがんばることで人は強くなるという信念があり、また口下手でもあり、ことあるごとに誤解を招いている状態。悪気はないけどLucyの求めるものとは違いすぎて摩擦がすごい。
読みながら、結局「母と娘」というこの世で最も近いであろう関係性をいきなり他人同士がやろうとするから、お互い相手に求めすぎてもめるのよね、という悟りを得てしまいました。別の関係だったら仲良くできたのにっていう嫁と姑たくさんいると思う。。
そんな嫁姑バトルの深淵を除きつつ、現在進行形の話と過去の回想が交互に語られてだんだんと二人の関係、それ以外にも夫家族(義父、義妹夫婦)との関係も見えてきます。いろいろな問題が出てくるのですがそのどれもリアルで臨場感があってすごく面白い。家族間のトラブルってみんな多かれ少なかれ身に覚えがあるからドラマになるんですよねえ…
たぶん女性の心理の書き方がすごくうまいんだと思います。冗長に感じるところがなくて、序盤からページターナーで、テンポよく進むので気づいたらずっと読んでる。この感じ、他人の人生相談とかを見てる気持ちに近いかも。
今回オーディオブックがScribdにあったので聞き読みしましたが、それもすごく良かったです。オーストラリアが舞台で、オーストラリア英語なのかな?ブリティッシュぽくもありましたが声色の変え方も巧みで読書を上手く引っ張ってくれたと思います。
前の本も含め読みやすくて面白かったので、この著者の本は気になりますね。また機会があったら読みたいです。
以上「The Mother-in-Law」でした。
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