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私の英語多読遍歴135:Do Androids Dream of Electric Sheep?

SFの名作です。ずっと昔に邦訳版「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を読んでいて、独特の世界観が好きでした。いつか原作に挑戦しようと思っていた本です。

2021年。世界は最後の大戦で破壊され、放射性の塵に覆われて多くの生き物が死に絶えていた。人々は他の惑星に移住し、政府もそれを奨励する。わずかに地球に残った人々は”ロボットではない本物の動物”を所有することに価値を見出していた。惑星移住者には召使いとしてアンドロイドが与えられていたが、その性能は進化し人間と見分けがつかず知能もまた人間以上となっていた。警察所属の賞金稼ぎリックは火星から地球に逃げたアンドロイドを追う。

2021年ですって奥さん。去年じゃん。近未来SFが未来じゃなくなってる。同じことを「The Door into Summer」でも思いましたが、こういうのある意味新しいジャンルかも?未来予知は果たしてどこまで当たってるのかみたいな…(Wikipediaによると初版は1968年、最初舞台は1992年だったのがのちに2021年になったようですね。また変わったりして?)

この世界ではほとんどの生き物が死に絶えたことで、生きている動物自体がレアなものとなり高値で取引されるようになっています。その一方、アンドロイドを含めた電動のものは”偽物”として下に扱われています。

主人公リックは羊を1匹飼っていますが、実は電動の偽物。周りには本物だと嘘をついています。アンドロイドを狩った賞金で本物の動物を買うことが夢なのです。それがタイトルの「電気羊の夢」につながっています。

タイトル、かっこいいですよね。昨今のラノベに通じる問いかけ式。邦訳もそのままではありますがインパクトが大きくて好きです。(厨二)

この話は冒険ものでもミステリーでもなく、哲学に近い気がします。主人公含めキャラクターたちの行動はわかるようでわかりません。邦訳で読んだ時もスッキリしないというかぼんやりした印象があったので、たぶんそういうもんなんでしょう。

SFというのはファンタジーと同じで独特の用語や設定があるぶん最初意味がわからないことが多いと思います。この話も例に違わず、しょっぱなから”Mood Organ”だの”Enpathy Box"だのという謎用語が出てきますし、武器や乗り物も聞き慣れないものばかりです。「知らない単語だ!」っていちいち調べてると挫折しやすいかなと。なので、想像力全開で。

けっこう難しい単語も多い(古いからかも)ので、正直クリアに読めたとは言い難いです。邦訳読んだことがなかったら投げてたかも。難しいというか、独特?
でも不思議な魅力に引き込まれました。

なおこちらは映画「ブレードランナー」の原作ではありますが、あくまでも設定のみでストーリーはだいぶ違うようですので別物として読む方が無難なようです。(私は映画は未見ですが、レビューで言及されていました)

以上「Do Androids Dream of Electric Sheep?」でした。

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