私の英語多読遍歴126:Britt-Marie Was Here
先日読んだ「My Grandmother Sends Her Regards and Apologises」の登場人物の一人Britt-Marieを主人公にした話です。
長年の専業主婦を返上し仕事を探し始めたBritt-Marie。その独特の融通の利かなさで職安の担当者を困らせるも、どうにか見つかった仕事は閉鎖寸前のコミュニティでの期間限定の仕事。Borgというくたびれた町にたどり着いたBritt-Marieは自分の常識が通じない世界に唖然としつつも、おおらかでたくましい人々の中で自分の居場所を探し始める。
My Brandmother - の中でBritt-Marieはとてもうっとおしいキャラクターとして描かれています。ルールルールと口うるさく、やたらと人のことに首を突っ込んできて自分が正しいと信じて疑わない。夫が夫がーと言うばかりで自分の意見はない。しかし話の後半で、彼女の半生はとても哀しいものだったことが明かされます。それでちょっとかわいそうになったところで、彼女は一人旅にでることになって話は終わるのですが、これはその続き。
Britt-Marieはいつでもどこでも掃除をします。ピカピカの床、綺麗に並んだカトラリー、美しく洗い上げられた服。それが彼女のアイデンティティなのです。そんな彼女がどういうわけか子供たちのサッカーチームの監督をすることになったり、地元の警官といい感じになったり、口の悪いピザ屋の店主と友達になったりします。どうにも真面目すぎる彼女の四角四面な会話や行動はときには吹き出すほど可笑しく、そして合間に語られる彼女の半生、どうしてそうなったかという話を読むほどに彼女のことがわかってきてほろりとさせられます。
町の人たちも、たくましくてマイペース。よそものであるBritt-Marieに対し最初はぎこちない様子でときには敵対心すら見せていたのが、さまざまな出来事によって心を開いてみたらなんかみんないい人で、ありがちかもしれませんがやっぱりこういう話は読んでいて楽しいです。
これはずっと誰かの影として生きてきたBritt-Marieが自分を取り戻す話でもあるし、さびれた町がBritt-Marieによって良い方向へ変わり始める話でもあります。読後がすごくさわやか。いろいろあったけどよかったね、っていう終わり方で心が温まりました。みんないいところもあれば悪いところもあるよねっていう悟りがすごい。特に夫な。ぜんぜん好きになれないキャラクターで出てきたときには「うわ敵が出てきた」と思ったのですが、ちゃんと見せ場が用意されていました。
英語はBritt-Marieの独特の話し方(つらつらと途切れずにしゃべる)とかわかりにくいところもありましたが、もういっかい読み直せばわかるくらい。(って自分基準すぎてなんの参考にもなりませんね)
今回もオーディオブックと同時読みをしました。ブリティッシュアクセントでした。朗読に流されて意味が曖昧でもそのまま進んだところも結構あるし、いや大事なところ聞けてないわと思い直して戻って読み直したところもあります。口の悪いキャラが多く、早口、放送禁止用語だらけ、文法無視というなかなかのカオスだったのでシャドウイングはやめておきましたwいやープロの朗読はすごいね。そういうのもしっかり再現してくれるもんね。
心が温まるいい話だったので、殺伐とした話に疲れたときなどにおすすめです。
以上「Britt-Marie Was Here」でした。
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