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マカロニえんぴつの歌を心に響かせる歌い方を習った

ボイトレの初レッスン。
なぜ、ボイトレに通い始めたのか?と聞かれたので2つ理由を答えた。

1つは、マカロニえんぴつが好きすぎて、完コピしたいから。

もう1つは、学生時代にバンドをやっていてハモれなかったので、できるようにならたいから。

すると先生が「マカロニえんぴつ好きで習いにきた行動力すごくないですか?!笑 いいっすね!」と褒められた。

しばらくマカロニえんぴつ談義をし、「わかりました。マカえん愛、めっちゃ伝わってきたので、マスターしちゃいましょう!」と、ノリノリでレッスンがスタート。

またしても、カラオケのマイクなしバージョンで歌を歌わされる。選曲で迷っていると「マカえん愛が溢れてたので、やっぱり聴きたいっすね、マカロニえんぴつ」と先生にのせられ、『なんでもないよ、』をサビまで披露した。

「イイっすね! リズムちゃんと取りながら歌ってるし、音も取れてて丁寧に歌えてます。もう少し歌の表現力をつけていきましょう」

やはりライブに行きまくってるだけあってか、リズム感をとにかく褒められた。自分ではそのつもりはなかったが。無意識に体がノッていたらしい。

「たぶん、マカロニえんぴつのよさって、曲はもちろんですが、歌詞のよさとか、はっとりさんの人間性が伝わってくることだと思うんです。……あ、すいません、にわかなんですが(チラッ)」

オタクへの配慮をしながらも、先生が過去にフェスで見たマカロニえんぴつの印象を考察してくれた。

「はっとりさんて、いい意味で音を追ってない歌い方をしてると思うんです。だから、"僕には何もないな まいっちまうよな"の最後の方とか抜けてるというか、音程をあえて取らないようにしてることで、キーボードの音との合わなさに味が出てるんだと思うんです。

歌うというより、"しゃべってる"に近い歌い方なんですよね。だから、歌詞も伝わってくるし、グッとくるだと思うです」

と先生が解説してるのを聞き、思わず拍手してしまった。

「すごいです!! まさにそうなんです!!!
なんでわかるんですか?!」

「うわー、よかったー! 間違ってたらまじヤバいんで!汗 よかった〜フェスで聴いてて笑!」

猛烈なマカえんオタクのアラフォー生徒が、「ファンに失礼のないように」と教えるプロに変な気を遣わせ、妙なプレッシャーを与えてしまった。

教えられてるのか教えてるのわからない現象が生まれた。

この考察で一気に信頼度が200%となり、完全に身を委ねる形で指導についていこうと決意した瞬間であった。

しゃべるように歌う、という視点は新しい気づきだ。それだけでも、ここへ来てよかったと思えるほど。

なぜ、私がマカロニえんぴつの曲が大好きで、はっとりさんの歌う音楽に恋をしているのか、わかったからだ。

そうか、話しかけられてるように聞こえるから、好きになってしまったのかァァ、そうか、そうか。
そりゃ、好きになるわ。耳元で話しかけられてるんだもの。

そして、各パートの細かい歌い方を再び先生の考察を元に習いつつ、『なんでもないよ、』を深く理解し、さらにこの曲を好きになって50分のレッスンが終わった。

「実は1人カラオケで好きなセットリストにして歌ってるんです」という恥ずかしい行為まで告白するほど心を開いて帰り支度をしていると、

「いいっすねー! 何曲あればいいですか? 10曲くらいですか?」

と、重ねてきてくれたので、

「そうですね、10曲あれば十分ですね」

「わかりました! 全部できるようになりましょう!」

と今後の練習計画も立て、帰路についた。

歌の解釈によって知ってる曲が初めて聞くかのように聴こえるなんて、こんな楽しみ方があるとはしらなかった。

まじで、ボイトレ通ってよかった。

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