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関係。記憶。対話

人間関係をよく考える。私の人間関係は少し奇なるもので、自論を要する気がする。一つの都市に四ヶ月しかいないというのは、新しい関係に常に賞味期限があるということだ。賞味期限は四ヶ月、もうきっと戻ってこない。これは対人関係にも、自分との関係にも言えることだ。人との関係にも賞味期限がある。都市との化学反応にも賞味期限がある。その都市にいる自分との関係にも同じく賞味期限がある。賞味期限が切れた関係たちは、どうすればいいんだろう。缶詰にして真空パックで保管すればいいんでしょうか。

A)最近、人との記憶についてよく考える。記憶は思い出せば思い出すほど、バイアスのかかった私たちの脳内で加工されて、色付けられていくらしい。だから、共有されていたはずの記憶も、時間とともに、記憶の保持者が思い出せば思い出すほど、異なる色で加工されてしまう。再会して、思い出話なんかをするときには、加工されすぎて、なんだか違う雰囲気のものになってしまう。

B)ということはつまり、忘れたくない思い出は、消したくない記憶たちは、思い出さない方がいいのだろうか:正確に彼らを覚えるために。でもそうやって、箱に閉じ込めた思い出たちは、消えてしまわないかしら。空気に触れずに閉じ込められて、弱って死んでしまうんじゃないかしら。そうしたら、私たちは、忘れてしまわないかなぁ、その記憶を。

A)そうかもしれない。でも、きっと、もしかしてさ、忘れることは悪いことではないのだよ。だって、人生とは選択の積み重ねだ。そして、選択とは、何かを捨てるということさ。つまり、忘れてさられてしまう感情たちは、きっと、そこまで君の人生にとって重要ではなかったのさ。そもそも、ね。

B)そうなのかしら。それってとっても怖いわ。自分を試しているようで。

A)そうだな。怖いな。そうやって一つずつ自分を知って、人を知って、自分を忘れて、人を忘れる。残ったものたちの結晶を多分、「私」と呼べる日が来る。

B)怖いわね。

A)そうだな。変わっていく自分を受容するのは、もしかしたら人生で一番怖いことかもしれない。

自分の変化を、プロセスを、信じるしかないのかもしれない。


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