夢を見なくなったわたしたちへ
最近よく眠れなくなった。3時に寝床につき、7時に起きた。意味もなく高速回転する頭と走り回る思考をどうすることもできずに、チキンスープを作った。少し吐き気がした。
夢を見なくなったわたしたちへ。少しずつ遠のいていく水平線へ。夢が少しずつ軽くなって、当たり前を手に入れるために馬車馬のように働く日々が続きます。就職活動をしながら、やりたくないことばかりが明確になっていく日々には正直辟易とします。
夢を見なくなったわたしたちへ。毎日は明るいですか。夢無くしても人生は輝いていますか。あなたの心は何色ですか。
覚えていますか、あの木造りの小屋を。南の小さな山のその上に佇む、明るい学校を。覚えていますか、緑を。あの明るいはつらつとした色を、あの生命力を。覚えていますか、毎日を。最後に自分の人生が自分のものらしく感じたのはいつだったでしょうか。
小さな昔話が輝いて見えます。キラキラと光ってなんて魅力的なんでしょう。過去はいつだって魅力的ではないでしょうか。過去に囚われた私たちは少しずつ夢を見れなくなっていきます。過去は暖かい実家のようです。「家」の概念があやふやな私にはよくわかりませんが、この過去の温かみはきっと郷里の色をしているのでしょう。
郷里は安心と安全をもたらしてくれます。夢と未来は不安と興奮をもたらしてくれます。私たちは、きっと、郷里に結びついているわけでも未来に向かって走り続けているわけでもないのです。ただ、息をしているだけなのでしょう。標識のない道を、いい天気の日も大雨の日も一歩づつ着実に歩いていくだけなのです。
夢を見なくなった私たちへ。標識のない道のりへ。きっとそのままでいいのです。