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新年だけど相変わらず怠けていたい
2021年、あけましておめでとうございます。
世の中は引き続き疫病でドタバタしているけれど、それでも巷にはキラキラした希望と目標が転がっている。素晴らしい。
しかし私はそんなきらめきとは無縁である。今日も今日とて去年の延長で、ダラダラするのが好きだし可能な限り怠けたい。そんな私だが正月だし積ん読本のひとつでも読んでおこうかねとかろうじて手に取ったのは、梅崎春生の『怠惰の美徳』(中公文庫)であった。特に文庫本タイトルにもなっている[怠惰の美徳]の項にある、以下の文章には大変心を打たれた。
(BC級戦犯者の手記に「来世は貝か何かに生れ変わりたい」という言葉があり私を感動させた…という流れをうけて)
私は来世ももちろん人間を望むけれど、どうしても人間以外の動物ということなら、やはり貝類がいい。植物ならまず蘚苔類。鉱物なら深山の滝なんかに生まれ変りたい。滝なんかエッサエッサと働いているようだが、眺めている分には一向変化がなく、つまり岩と岩の間から水をぶら下げているだけの話である。忙しそうに見えて、実にぼんやりと怠けているところに、言うに言われぬおもむきがある。私は滝になりたい。
「私は滝になりたい」
あぁなんと甘美な響きだろう。今後の人生、私はこの言葉をモットーとし折に触れて思い出したいと思う、私は滝になりたい。
梅崎春生、小説読んだことないけど随筆面白い。森見登美彦の文章が好きな人は多分好きだと思う。
しかし梅崎春生の随筆をダラダラと読み進めていると、そういうのを集めたからとはいえずっと「怠けたい」か「体力や身体の衰えを感じる」という話しをしているので、非常にシンパシーを感じる。
この情報過多時代、Twitterで日常のしょうもないことをつぶやいたらフォローを外された挙げ句「わざわざTwitterで役に立たないことつぶやかないでほしい」と空リプされていたという話しを聞いた(私が言われたわけではないが)。私が怠けている間に世の中はそんな世知辛いことになっているのか…? Twitter創設時のコンセプトって(役に立たないことも含めて)思ったことをつぶやくじゃなかったっけ…? と慄いたが、我が小学生時代、日記の宿題でいかに私が暇を持て余しているか、いかに創意工夫して暇な時間を紛らわしているかを連日日記に書き続けたら、担任から「もっと新聞や世の中に目を向けて中身のある日記を書け」と怒られたことを思い出した。むしろ暇を題材に連日そんだけ文章を量産した小学生の私の筆力を評価してほしいところだが、有益な情報でなければ意味がない、その思想は今に始まったものではないのかもしれない。
(なお担任の言う通りの日記に方針転換したところ、通知表にわざわざ書かれるほど評価されました。モヤる)
まぁ先のTwitterの件も私の日記もわりと極端な例であろうが、私は特に情報のない日常ツイートもしょうもないブログ等も大好きだ。なのでどんどんそういうツイートや日記をこれからも発掘したいし、私同様怠け者の皆さんには最後の力を振り絞ってなんとか文章にしてほしい。怠け者からのお願いです。
何を言ってるんだという感じになりましたが、要するに2021年も皆さん、それぞれのやり方で生き抜きましょう!今年もよろしくお願いいたします。
ちなみにヘッダー部分の画像は西表島で見た滝です。私は滝になりたい。
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