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キンモクセイの香りを初めて知った30歳夏の終わり


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金木犀。キンモクセイ。

9月後半から10月に小さなオレンジの花を咲かせ甘い香りで人々の心を魅了する。

そんな噂の香りを(もはや常識なのかもしれない?)私は知らなかった。
と言うよりも、嗅いだことがあってもそれがキンモクセイだとは知らずに生きていたのかもしれない。

普段生活をする中で目に入ってくるもの、聞こえてくる音、匂いには敏感、とまでは言わなくてもアンテナを張ってる方で鈍感ではないと思っているし、「これって何だろう?」とか「なんでだろう?どうなってるんだろう?」と考えるタイプだから、季節の変わり目を知らせるキンモクセイの香りを知らないのには自分自身が驚きだった。

今年はキンモクセイがなぜかとても気になるような出来事、と言うのか、
自分の中の何かが変わっただけなのか分からないけれど
最近あらゆるところからキンモクセイの情報が入ってきていた。

その中の一つに「オレンジスパイニクラブ」さんというバンドの曲で「キンモクセイ」という曲があって、昨年リリースされたその曲をたまたま知った。

ラブソングでもサビはノリの良いラブソング。
好きな女の子がいる男の子目線のラブソングなのだけど、その女の子のイメージがキンモクセイらしく、私はキンモクセイの香りを知らないまま車中で流れる度にノリノリで歌っていた。

それもあってどんな香りなのか気になっていて、今日ようやくその香りを知ることができた。
車で走っているとキンモクセイを見つけても急に止まるのは中々難しいから
もしかしたらと狙いを定め、地元の大きな公園に行ってみた。

歩いても歩いてもなくて、目的も忘れかけていたタイミングで、とても甘い香りがしていることに気付いた。プリンのカラメルのような甘い香り。

その甘い香りを数秒気付かずに楽しんでいて、「え?あっ、!」とその場を見渡した瞬間、「わーーーーー!!!」っと、びっくり。

なんと歩いていたその道は100mぐらい全部キンモクセイが続いていた。
気付くのが遅い。。笑
なんてったって何故歩いているのか、もはやその主旨を忘れていたから。笑

そこからはしばらく、観ながら嗅ぎながらキンモクセイを楽しんだ。

楽しんだ後は、車に戻りながら「キンモクセイのイメージがする女の子像」を勝手に考えてみたりしていた。

ちなみにキンモクセイの花言葉は「謙虚、気高い人、真実、陶酔、誘惑」とのこと。
控えめな小さな花びらを持つところ、雨が降ると潔く散るところ、あの香りが由来のよう。

その女の子は甘い香りがするのか、魅惑的なのか、それともその子との思い出が夏の終わりだったからかもしれない。
曲を聞くと全て当てはまって良い気がするなぁなんて考えるのを楽しんだ。

ちなみにこの曲の始まりと終わりは同じ歌詞で同じメロディを使っていて、
その歌詞とスローテンポなメロディと歌詞に合う歌い方が、とても可愛いのでぜひ一度聴いてみてください。

何より、これからの人生、夏の終わりと秋の始まりをキンモクセイと共に感じていけることが嬉しい。

ここ数ヶ月、30歳になってからか、知らなかった世界を一つ一つ時間をかけて知っていくことが幸せだなぁと思えて、それが一つ一つ増える度に、グッときます。

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