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カナダで「和風総本店」デビュー

ある日、パートナーが「”Japanese Style Originator”って知ってる?」と聞いて来ました。あんまりピンと来ず「知らない、何それ?」と尋ねると、なんと、それは”和風総本家”の英題。

この番組、ご存じですか?うちの父は好きで、実家でよく観ていました。

テレビ東京系で放送されていた、古き良き日本の伝統文化等をクイズ形式で教えてくれる番組です。

NETFLIXにて配信中。最近、他の国々から遅れることやっと、ジブリが解禁になったNETFLIXカナダ。

「観てみよう!」と意気揚々のパートナーに後押しされ、和風総本家デビューしました。日本の番組をカナダの食卓で観る、その不思議さ。

観始めてまず気付いた事

日本のバラエティー番組を久しぶりに観たので、まずそのテロップの多さに驚かされました。画面下部にドドーンと、カラフルな長文(ナレーターの文面そのまま、な時も)。これがあるからオプションの日本語字幕を入れなくても、音消しでも、日本語話者は楽しめる。

ところが、英語字幕オンの我が家では、ちょっと問題発生。というのも、実は下部のテロップだけではなく、上部の左右にも「本日のお題」と「今、取り上げているトピック」が常時表示されているので、英語字幕が見にくい。しかも、下部テロップが表示される度に字幕が上部に表示されたり、テロップが消えたら→下部に表示されたり移動し落ち着かない。

例で挙げると、ハンバーガーの上下のバンズは固定。(テロップとお題、トピック名)

レタスがバンズの間を行ったり来たり。(英語字幕)

たまにトマトがスルッと飛び出す。(テロップ)

主役の肉どこ。(周りが賑やかすぎて画が小っちゃくなってる)

いや、とっても食べにくい。いいんですよ、日本語を話す人々の為に作られた番組なので文句を言うべきではない、と分かっているんです。でも、配信するからにはソコんところ宜しく頼みますよNETFLIXさん…と言いたくなってしまう。

これだと、カナダでの人気はちょっと厳しいだろうなぁ…と。無念。

炊き立てご飯のお供ベスト50で唸る私

番組内では、こんな夢のようなランキングを紹介してくれるんです。

白いホカホカのご飯の上に、ドーン!と載せられたタラコ、イクラ、塩昆布、納豆、柴漬け、海苔の佃煮、海鮮松前漬け、金山寺味噌…

あぁ夢…というより、あの回はもう、映像の暴力がすごかった。

在外邦人の方にはオススメ出来ません。美味しそう過ぎて「アーーーーーー」「オゥ…」「ノーーーー」「本気?(と書いてマジ?)」「これ、私の中で一位!いや、やっぱりこっちの勝ち!」など、ずっと吠えていたので、一緒に観ている彼らに完璧にウザがられました。
ちなみに海鮮松前漬けは、私の強烈オススメ品です。召し上がった事のない方は、急いで!さあ検索してみるのです!

このランキングを観ている中で「なめ茸」が彼も私も大好物だと言う事を知ったので、アジアンスーパーで探してみなきゃ!と思って今の今まで忘れてた。罪深い番組…(ありがとう)

日本の事なにも知らない自分に気付く

これ、日本から海外旅行に出ても「ハッ」とする第4位くらいだと思うんですけど、私たち日本人って日本の歴史や文化の事、意外にあんまり詳しくないんですよね。

昔、スリランカを旅行中、イギリスから来たご夫婦と朝食を食べる機会があり「ブリティシュブレックファスト」から「日本の和朝食」まで朝ごはんの話題で盛り上がりました。

「現代の人達は忙しくなって、塩鮭に味噌汁みたいな朝食はあんまり食べてないと思う。私も平日は食パン一枚とかで済ませちゃう」と話すと「だから日本人は旅館に行くのが好きなんだろう?旅館では立派なご膳を頂けるから」みたいに返され(日本人の私より日本の文化にお詳しい…)と感心したものだ。

外国人観光客らが大好きな日本の城、お寺、神社、富士山等、私はなんの知識もありません。(開き直っちゃダメなやつ)

しかし、この番組は日本人の殆どが知らないであろう「狛犬の値段」なんかまで網羅。(え…?)

ちなみにこれらのクイズ、難問過ぎて、これまでに私が正解したのは「豆腐屋さんの笛パ~フ~の意味は?」「仙台名物の緑の餡の名前は?」など。

答えは

「と~ふ~」と「ずんだ餅」(昔からの大ファン)

パートナーには「マジ、日本の事なんにも知らないじゃん。ホントに日本に住んでた?」と嘆かれ「しかも正解する話題、大体いつも食べ物の話。どんだけ~」と呆れられています。(それな)

しかし、英語字幕も読みつつ鑑賞する今「へ〜、英語でこう表現するんだ」という気付きが増えている。「日本のアレコレ」を聞かれがちで困っている人は、ネタとして観ておくといいかもしれない。

金の延べ棒ギャグはカナダでもウケる

ピンと来た方は多いはず。

お笑いタレントの「下町のプリンス」こと、東貴博さんのギャグ。胸元から金をおもむろに取り出し、汗を拭くやつ。

彼のギャグにパートナー&カナダ育ちの小学生は大爆笑。特に、小学生は「Whaaat?!」という感じで大興奮していました。「彼は常にゴールドを持ち歩いているのか?」と聞かれ、え…知らない。そうじゃないかしら、と困惑。持ち歩いていらっしゃるのでしょうか。

ちょっとした違和感

があるのも本音。今、観ているものがおよそ10年前の番組だという事もあり、その感じ「古いよ」という事が多々あるのが残念。

例えば、職人さんが「新人を昔は殴って育てた」と懐古

「全国のお母さん方に聞いたおせち料理の○○」と女性=台所と決めつけ

「母の愛」「懐かしいお母さんのような温もり」(父はどうした、父だって子どもの事愛してるし、温もりあるぞ)

出演者の事を「おじいちゃんだからしょうがない」「若作りしてるけどオバサン」などと言って、笑いが起こる。

こうした話題が上がる度に「だれが台所に立ってもいいんだよ」「年齢はただの数字だよ、年上だから偉いんじゃなくて、どんな人でも尊重し接するべきなんだよ」などと小学生に言い聞かせる「五月蠅い係」を買って出ている。

五月蠅い係はクラシックディズニー映画を観ている時なんかも登場しがちである。昔「大学の卒業式にはみんな白いドレスを着るものなのよ」と娘に伝えた母の話を読んだことがある。

あと、ちょっと謎なのが、番組内で「職人の本気」を表現する際に「汗のドアップ」を映すこと。分かるけど…さ…

また、時々登場する「日本文化を知らない外国人の子ども役」のヨーロピアン系の子役の存在。日本の化粧品広告やファッション誌なんかでも顕著である、ヨーロピアン系のモデルの起用の多さにも通じる違和感。

最後に

最後はなんだか愚痴になってしまいましたが、私自身、10年前に父と観ていた頃には気付かなかった点がいくつか出て来たので、書き留めておこうと思いました。

そして地井武男さんのお人柄。Wikipediaで彼の最期や葬儀の様子を読みましたが、本当に素敵な方だったんだな、と思いました。観る度に地井さんばっかり目で追ってしまうのは私だけではないはず。

♡♡♡

NETFLIXの方にお願いしたいのは、「マツコの知らない世界」の配信。絶対、絶っっっっ対、ぜぇーーーーーーったいに世界中でウケると思います。あの番組で紹介する日本のスゴさが、海外の人々の心をギュッと掴むと思うんです。更に、マツコさんのクールさ。クールジャパン代表です。

何しろ、私があの番組大好きなんです。

以前、アメリカのコメディ番組が「レンタル出来る家族」を特集して「日本スゲー、いろんな意味で」となったのですが、あのマツコさんの番組は「日本スゲー、クレイジー、行ってみたい」に直結するのでは、と私は睨んでいます。

ネットフリックスさん!よろしくお願いします!!!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。あ…ネットフリックスにメッセージ送ってみようかな。

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