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月報:2023年2月

 短すぎる2月。ヘッダーは慶應義塾大学。


✅今月したこと

・SMAPのアルバム全部聴いた

SMAP 001(1992)からMr.S(2014)まで21枚。初期の方は全然私が知ってるSMAPの歌声じゃなくて新鮮だったけど、だんだん耳なじみのあるSMAPの声に近づいていくのも面白かった。MIJ(2003)が一番好きかもしれない。「ススメ!」「愛と勇気」「Flapper」とハマる曲揃い。あと「クイズの女王」(「SAMPLE BANG!」(2005))がなんか非常にピチカート・ファイヴっぽいな~と思っていたら作詞作曲が案の定小西康陽さんだったのでガッツポーズしてしまった。

・プリキュア展&ワンダーパーラーに行った

お誘いいただいたので行ってきました。プリキュア展は歴代シリーズの設定画から台本まで予想以土の大ボリュームで最高だったけど、一番テンション上がったのは歴代変身バンク上映のコーナー。メインの大画面で私が一番好きなキュアムーンライト(ハートキャッチプリキュア!)が始まるまで人ごみの中待ちました。

その後はワンダーパーラー。メイド喫茶に一人で行ったことないなそういえば。メイドさん素敵だったし紅茶(メイドティーのコンチェルト)もフォンダンショコラもおいしかった。

ランダムでもらえるフレーム、MHでした

・桑田さんの誕生日を祝った

26日は私の聴覚を育てた男こと桑田佳祐さんの67歳の誕生日でした。67!?配信された去年のツアーの年越し公演+ドキュメンタリーを観るなどした。これの東京ドーム2日目に行きました。「BAN BAN BAN」と「BLUE~こんな夜には踊れない」のアンプラグドバージョンが本当に本当によかった。あと「銀河の星屑」のイントロが流れ出して「あれ、金原さん(ヴァイオリン)いないのにどうするんだろう」と思った1秒後に中シゲヲさんがギターであのヴァイオリンパートを弾き出したのは痺れた。このツアーのベスト3を選ぶならこの3曲。

🛍今月手に入れた重要なもの

・「女王蜂」と「病院坂の首縊りの家」のブルーレイ

先月に引き続き石坂金田ーシリーズの後半の2作品。これでいつでも好きな時にリヤカーに乗せてもらってお屋敷まで行こうとしたけど途中でクラッシュして水たまりに落ちてビッショビショの状態で大道寺家の戸口に立つ金田一さんや危うく七五三用の背景で写真を撮られそうになる金田一さんを見られるわけだ。かわいいね!

・SOB-A-MBIENT SUPER DELUXE

「蕎麦」をテーマにしたアンビエント・アルバム。それに入っている市川崑監督のMV「ちりぬるを」が気になりすぎて夢に出てきたのでヤフオクで落とした。監督が市川崑、主演が石坂浩二と緒川たまき、そして音楽が小西康陽。このメンツが徒党を組んで襲いかかってきたのでどうしたらいいのかわからなくなった。私向けにもほどがある。

主に石坂浩二×緒川たまきの会話で進んでいくのですが、まあこれが妄想がはかどることこの上ない。秘めごとみたいな関係性、あくまで上品に交錯する奥ゆかしい大人の感情、抑制された色気。石坂さんは言わずもがなこういうことをやるために生まれてきた人だと私は思っているのですが、緒川たまきさんがまた良い。ガセビアの「ウソつき!」で大変お世話に(?)なりました。あと、市川監督の撮る石坂さんが一番美しいなと思いました。2人の呼吸みたいなものがカメラから伝わってくる。ちょっと通っぽいこと言えたな。

そしてこの曲の名義が「小西康陽 starring 石坂浩二と緒川たまき」。こんなに強い名義は見たことがない。これに対抗できるのは「桑田佳祐&Mr.Children」だけなのでは?

📖今月読んだ本

・小説帝銀事件/松本清張

1月に読みたかったけど(1月26日に発生した事件なので)Amazonから届くの待ってたら2月になってしまった。「人は顔を全体的な印象で覚えているもので、耳はこんな感じだったとか細かい部分を覚えているのはむしろ不自然」っていうの、なるほどなあと思った。

・夢の検問官・魚籃観音記/筒井康隆

「夢の検閲官」は世にも奇妙な物語2009秋の特別編で石坂さんが主演した話なんですけど、本当にいい話だし沁みるしあれの石坂さんはユーモラスであったかくて渋くてすごく良かったなあ……また観たいな……。

・復員殺人事件/坂口安吾

真相が明かされる手前で未完になっていたものを高木彬光が補筆して完成させた作品。金色夜叉ならまだ未完でもいいかもしれないけど(よくはない)、推理小説は未完じゃダメですよね。江戸川乱歩の「悪霊」の続きをお待ちしております。犯人を暗示するキーワード、そんなIQサプリみたいな解き方だとは思わなかった。あとヴァン・ダインの「甲虫殺人事件」のネタバレをかまされた。推理小説ジャンル、ファンも含めて「古典なら当然読者は一通り読んでるはず」と思いすぎてるきらいがあるぞ!悪い癖!

・おとうと/幸田文

兄弟姉妹の組み合わせの中で姉弟が一番好き。弟は学校でのささいな事件から流されるように「不良」のレッテルを貼られてしまい、でも姉には優しい弟のままで、姉はそんな弟を心配しつつもかわいがり、気苦労を背負いながら家事を担い、母は決して冷たい人ではないんだけど継母特有の子どもたちとの距離感に悩み、お互いがお互いに気を使っている微妙な関係性の家庭。そんな家の中に弟の結核という問題が忍び込んでくる。入院した弟が花嫁の髪型に結った姉を見たがるくだりが一番切なかった。やっぱりこういう姉弟っていいな。

・震える舌/三木卓

立て続けに病気の話を読んでしまった。病気の話、こっちまでなんが物理的に胸が苦しくなってくるのでキツい。映画がトラウマと名高いですが原作はちょっと心理描写に純文学っぽさがあった。ホラーでも医療ものでもない。解説で「戦争文学」と書かれていて納得した。

・囚人服のメロスたち 関東大震災と二十四時間の解放/坂本敏夫

関東大震災の時、崩壊した刑務所から24時間だけ囚人を解放した話。まさにメロス。囚人たちがことごとくいやつだった。

・スワン/呉勝浩

ショッピングセンターが好きなのでショッピングセンターで事件事故が起きる話もつい手にとっちゃう。恩田陸の「Q&A」とか。主人公のいずみを世間は叩きすぎじゃないかと思った。ネットではそういうこともあるだろうけど、お茶会に参加してたおじさんまで面と向かって罵ってきたのでびっくりした。高校生の女の子なんだけど……。ただそんないずみも決して弱いヒロインではなく、けっこうしたたかで賢しい面もあり、思ったより世間から守ってもらえず子ども扱いされてない立場とバランスは取れてた気がする。映像化したらラストシーンあたり映えそうだなぁ。

・現場に神宿る 千日デパート火災/被災テナントの闘い/中坊光平+松和会

火災そのものではなくその後のテナントと会社の間の民事訴訟の話。日本ドリーム観光側のやることがメチャクチャでびっくりした。証人に裁判はなくなったと言って出廷妨害するくだりとか、映画じゃん。権威ある機関の人がコンピュータで隣の欄の数字を拾ってしまってビル滅失論の根拠となる火災の威力の計算が狂う初歩的なミスやらかしてたのもびっくりした。その後のドリームのたどった道を考えると、やっぱりこんなメチャクチャは長続きしないんだなと思います。おごれる平家は久しからず。

・ももこのトンデモ大冒険/さくらももこ

先月も言ったけどさくらももこのエッセイが好き。この中では「ベル博士の謎」が一番好きだった。なんとなくあたしンちの「みかん、行きつけのカフェ」って話を連想した。当人たちは大真面目にやってる変なところに行って、その場では耐えて後で仲間内でその変さを指摘してネタにする感じ。天使がついてるはずの鳥が毛引き症にかかってるのはダメでしょ。さくらももこの中でも「メルヘン翁」(もものかんづめ)や「道に迷ったときのこと」(あのころ)が好きなので、こういう辛辣なツッコミ系が好きなのかもしれない。

・食卓のない家/円地文子

2月といえばあさま山荘事件。学生運動やその果てにあった内ゲバではなく、家族にフォーカスした作品。もっと言うと父と息子の物語。こういうテーマ大好き。読んでいてちょっと甲斐父子を連想しました。主人公である父親の気質がなんとなく甲斐峯秋さんに重なるような。

🎵今月の一曲

♪SUI SUI/YONA YONA WEEKENDERS

今のモヤさまのエンディングテーマ。令和のシティポップ。おしゃれ。


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