走、攻、守、顔・藤原恭大の話
[ShortNote:2020.2.12]
(ヘッダー:2019.1.16 新人合同自主トレ@ロッテ浦和球場)
選手名鑑:
このイケメンの名前は藤原恭大さんといいまして、千葉ロッテマリーンズの外野手(センター)です。2018年ドラフト1位です。2000年5月6日生まれなので2020年で20歳になります。年齢が計算しやすくていいですね。今回はこの人の話をしますが、ただただ「藤原くんは良い」という話しかしないので専門的かつ深遠なことは言えません。
①走
とにかくもう足が速いです。50m走のタイムは5秒7です。高校生男子の平均タイムが7秒31らしいので(出典:https://runnal.com/17763) だいぶ速いです。小学生の頃鬼ごっこで本気を出した大人から逃げ切ってしまったという伝説の持ち主です。
野球において足が速いと何ができるかというと、普通なら内野ゴロの打球を内野安打にしたり、シングルヒットをツーベース、ツーベースをスリーベースにしたりすることができます。それにはスピードだけでなく次の塁まで行けるという判断力も必要です。藤原くんはそれを持っています。
野生動物みたいでカッコよすぎる。実際に2018年夏の甲子園1回戦の作新学院(栃木)戦で、彼はヒットを打って塁に出た後ライトが後逸したのを見逃さずどんどん先の塁に行って結局ダイヤモンドを一周して帰ってきてしまいました。記録上はヒットとエラーですがもう気分的にはランニングホームラン。
野球における「走」といえばもう一つ盗塁がありますが、ここでも彼はやってくれます。2019年のフレッシュオールスターで、9回表出塁した藤原くんはまず二盗し、その次の球で即三盗しました。ダイヤモンド上で走り回ってるのすごすぎて笑っちゃうな。結果的に犠牲フライでホームに帰ってきました。走るだけでも観客を沸かせられる選手っていいですね。ロマンがあります。あと藤原くんが疾走してる時の背景の流れる速度がおかしくてずっと背景を見てしまう。
②攻
足が速くて体型もどっちかというと細身のスプリンタータイプとなるとパワーはそれほどないように見えがちですが、まず握力が80kgくらいあります。りんご潰せるレベル。腕相撲では高校でも日本代表チームでも無敗を誇り、腕の筋肉は大変なことになっています。それに加えて千切れんばかりにフルスイングをするのでもはや誰にも止められません。浜風(ライトからレフト方向への風)で左打者にとってはホームランが出にくいとされる甲子園球場で高校3年間で5本のホームランを放っており、これは高校の先輩であり2019年パ・リーグ首位打者である森友哉さん(西武)に並ぶ左打者歴代1位タイの本数です。しかも右にも左にもセンターにも全方向に打っています。
直近では2019年春季キャンプでの楽天モンキーズ(台湾)との交流試合において、フルスイングすぎてフォロースルーがメジャーリーガーか何かみたいになった上にライト方向のネット上部に突き刺さる全てがおかしい(褒め言葉)スリーランホームランを放ち各所をざわつかせました。野球に関するあらゆる要素の中で一番好きなのがフルスイングなのでこういうのは大好物です。
それに加えて藤原くんはいわゆる「持ってる」男です。ここぞという時に打てるスターには不可欠の特殊能力を持っています。例えば2018年センバツ準決勝・三重戦で、それまでこの試合ノーヒットだった藤原くんが延長12回裏、タイブレーク突入寸前でサヨナラヒットを打って決勝進出を決めました。このまま大阪桐蔭は優勝を果たしますが、初ヒットがサヨナラ打っていくらなんでも持ちすぎだと思います。
あと2017年センバツの決勝においては、決勝では史上2人目の初回先頭打者ホームランを打っています。初回だろうが12回だろうが関係ないんですね。この大舞台でも大一番でもプレッシャーに潰されないどころかそういう場面になればなるほど輝くというのは大観衆の前でプレーしなければならないプロ野球選手にとっては何にも代えがたい素質ではないでしょうか。
そういえば2018年夏北大阪大会準決勝9回表2アウトの場面で、フライになれば終わりというところで初球をフルスイングしてファールにした彼を見たロッテの担当スカウトさんがその胆力に惚れたというエピソードもありました。
③守
外野手ってあんな広大な面積を3人で守らなきゃいけないの大変そうだなあ、といつも思いますが、藤原くんは守備でもファインプレーを連発します。抜けてたら点が入ってたかもしれないというところでダイビングキャッチしたりスライディングキャッチしたり。状況判断もできるし足も速い、肩も強いとくればこちらもポテンシャルは超一級です。外野手の華といえばレーザービームですが、こちらも2018年夏の甲子園準決勝でセンターから美しいレーザービームを決めてランナーをホームで刺しました。これは実は3回戦の沖学園(南福岡)戦で同じシチュエーションで刺せずに一点入ったということがあったので、今度こそはということで見事刺せたプレーです。同じことは繰り返さない。
もちろん捕ったり投げたりするだけではなく頭脳プレーも冴え渡ります。あえてゆっくりチャージをかけてランナーを誘い出して次の塁で刺したりします。
余談ですが藤原くんは人気故なのかSNSでなりすまされまくっていて、それをなくすために自らインスタのアカウントを開設したんですが、そこで絶対になりすましが不可能な梶原さん(ロッテ広報。写真を撮り動画を撮りYouTubeにアップしコラムを書き取材管理をするスーパーマン)の写真を載せて偽者たちをシャットアウトするという野球じゃない頭脳プレーを仕掛けました(ユーザー名もなりすましたちとは一線を画す名前の中国語読み)。いやそこまで考えてたかどうかは不明ですが、とにかく賢さはにじみ出ています。地頭の良さが。一応これもなりすましから自分を守る「守備」ではあります。
④顔
プレーに関係ないといえばないんですがルーキーイヤーの2019年イケメン5(ロッテの選手のイケメン投票)で第1位に輝いたルックスには才能とかスキルが表出していると思います。引き締まって腕もバキバキな体はフルスイングできるパワーの源で、精悍な顔立ちを構成する鋭い目つきはグラウンド上の状況を的確に判断する目で、日焼けした肌はひたすら練習に打ち込んだ努力の証です。そしてプレー中はギラギラしていても試合以外ではほわっとしていて遠投の距離を聞かれてるのに「180」とか書いてしまう天然というオンオフもかわいいです。何度でも言いますがギャップは大事です。
マンガのキャラかと思うほど能力も属性も盛りだくさんな藤原恭大さんですが、大事なのは彼はまだ19歳であるというところです。これからどう成長していくのか楽しみで今シーズンも目が離せません。