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私とサザンオールスターズと10年

[ShortNote:2020.6.25]

(世界一サザンの曲が似合う場所)

 それまで桑田佳祐さんと原由子さんが夫婦であることすら知らなかった私がサザンオールスターズのファンになった日は2010年10月23日(土)で、もっと言うと時間帯が午後7時頃だったことまで覚えているのですが、今年でちょうどファン歴10年になります。サザンの歴史からすれば一瞬ですが、私の中ではまあまあ記念すべき年であります。ちょうど10年なのでサザンのデビューから42周年の記念日である今日、私とサザンとの思い出語りをしたいと思います。


ホップ:「TSUNAMI」

 私がサザンを好きになるまでには三段階を経由しており、まずは第一段階です。2000年にリリースされたこのサザン史上最大のヒット曲「TSUNAMI」がサザンとのファーストコンタクトでした。この頃桑田さんはパーマをかけており、テレビの音楽番組に出ていた桑田さんを見て当時4歳の私は「なんか変な人がいる!!」と思ったことだけを鮮明に覚えています。失礼ですね。でも本当に髪がチリチリだったので……普段はああいう髪型ではないということを知ったのはだいぶ後になってからです。

 もちろんパーマの記憶しかないというわけではなく曲自体も人生で初めて聴いたサザンの曲なので特別で大切です。思い入れがありすぎます。ピアノ教室でも練習しました。今のところ死ぬ予定はないですが葬式でかけたい。


ステップ:「I AM YOUR SINGER」

 第二段階は小学6年生。サザンが無期限活動休止を発表した年です。この年に休止前ラストシングルとして出たこの曲を私はau「LISMO」のCMで知りました。ただただいい曲だなあと思ったしこれでだいぶサザンに興味を抱いた気がします。「夏がまた来るまでは互い涙見せずに」。つくづくいい詞ですね。「八月末の空の花火みたいに」という1フレーズだけで刹那的な楽しさと寂寥感をすべて言い表しているところも好きです。もしかしたら「八月末」の「花火」に付与されたたいていの人の脳裏に浮かぶ共通のイメージをさらに強化したのは当のサザンだったりするのかもしれないということに思い至って若干鳥肌が立ちました。30年で夏の終わりの切なさを歌いこんだ曲をたくさん世に出してきたサザンの偉大さを感じられます。

 あとはこのタイトル。「I」と「YOUR」。不特定多数ではなく、いや実際には不特定多数に向けた大衆音楽ではあるんだけれどもまるで「あなた」というただ一人のためにサザンが歌ってきてくれていたような表現です。この頃はまだそこまで考えてはいませんでしたが、サザンが30年で積み重ねてきたものを総括したような名フレーズと名タイトルの名曲だと思います。


ジャンプ:「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」

 いよいよ2010年10月23日。14歳のときでした。こないだ「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で代行DJを務めた斎藤誠さんが「14歳の頃に出会った音楽でその人の音楽の好みが形成される」というような話をされていましたが、私は真っ先にエロティカ・セブンのことを思い出して深く納得しました。まさに14歳。ドンピシャです。

 まずこの曲に出会う過程としては、友達がウォークマンを買って最初に家にあったCDをとりあえず全部取り込んで、その中に「海のYeah!!」があったんですね。私は人のウォークマンに激しく興味を持っていたので見せてもらって、サザンが入っていることに気づいてCDを貸してもらって自分のウォークマンに入れて、それで聴いたのがこの曲です。なんでいきなりこれだったのかはあまり覚えていないのですが、タイトルに惹かれたのかもしれません。

 歌詞もイントロもAメロもBメロもサビもアウトロも全部好きですが、初聴きの時に私に強烈に刺さったのはただひとつ、「サビの3連符(16分音符+16分音符+8分音符)」です。「抱きしめて 私は私 喉がカラカラ」の「ラカラ」のところです。ここがピンポイントで私のハートにぶっ刺さってしまい「もう一度あそこが聴きたい」とリピートしているうちにすっかりエロティカ・セブンのあそこ中毒になってしまいました。ここから私のサザンファン歴が始まったわけです。もしこの部分がこのリズムじゃなかったらここまでファンになっていたかどうかわかりません。違うところが深々と刺さっていたかもしれませんが。

 余談ですが母もこの曲が出た当時気に入っていたそうなので、遺伝って強いなと思いました。

 この曲をきっかけに「海のYeah!!」の他の収録曲も聴いていってどんどんハマっていきましたが、2010年という年は桑田さんが食道ガンを患ってお休みしていた時期であり、ハマったにもかかわらず動いている桑田さんを見られないという状態で過ごしました。喋ってるのすら聞いたことがなかったので「声に出して歌いたい日本文学〈Medley〉」の「銀河鉄道の夜」朗読パートを延々とリピートしたりしてました。歌う声と話す声って違うので話す声も聞きたかったんです。そしてやっと2010年大晦日の紅白歌合戦で初めてリアルタイムで動いてる桑田さんにお目にかかることができました。初桑田さんがいきなり紋付袴は若干心臓に悪い。カッコよかったです。


サザンプラクティスツールその1:CD

 当たり前の話なんですけど、まずTSUTAYAに行ってレンタルのサザン&ソロCDを全部借りてウォークマンに入れました。一気に借りすぎなのでさすがに母に少々怒られましたがしょうがないです。「ROCK AND ROLL HERO」の裏の幼い頃の桑田さんの写真がかわいいなと思いながら聴いてました。


サザンプラクティスツールその2:「真夏の大感謝祭」のDVD

 2008年の無期限活動休止前最後のライブ。三大バラードを全部やっている上にホテパシ、夕方Hold On Me、LOVE AFFAIRとライブ定番曲が盛りだくさんなので大変勉強になりました。初めて観た時は知らない曲(ここで初めて聴く曲)がかなりありましたが、今観ると全曲わかるので感動します。


サザンプラクティスツールその3:the波乗りレストラン

 これも2008年に日本テレビ系で放送された大泉洋さん主演のサザンの曲を1話につき1曲タイトルに冠したドラマです。なんといっても私の最愛の曲「愛と欲望の日々」に出会わせてくれた功績があまりにも大きい。ドラマそのものも面白くて大泉さん演じるマスターをはじめとしていいキャラ揃いでした。続編やってくれないかなとずっと思ってます。


 10年の中で「Bye Bye My Love(U are the one)」しか聴きたくない帰り道だったり、「東京VICTORY」とともに挑んだ大学受験だったり、「ごめんねチャーリー」を聴きながらのランチだったり、それなりにサザンとの思い出が積み重なっていて改めて「人生のサウンドトラック」サザンオールスターズのすごさを実感しているところです。不動のキャリアを築き上げてなお毎年のように新曲を出してライブをしてテレビに出て、バリバリ積極的に活動してるところも大好きです。今後とも末永くみなさん元気でご活躍されることをお祈りいたしまして、サザンオールスターズ42周年へのお祝いの言葉とさせていただきます。

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