2024年版幕張から帰れま10番外編:ロッテファンはどこにでも行く(M-B)
[2024.5.15@沖縄セルラースタジアム那覇]
「阪神ファンはどこにでもいる、ロッテファンはどこにでも行く」という格言がある。
確かに阪神ファンは日本のどこにでもいる。関西出身じゃなくても関西に住んだことがなくても、東京生まれ東京育ちどころか銀座生まれ田園調布育ちというどこに阪神の入り込む余地があったんだみたいな阪神ファンもいる。今は石坂浩二の話をしています。このように阪神ファンがどこにでもいるということが証明できたところで、ロッテファンであるところの私も対抗して(?)「どこにでも行く」ところを証明しなければならない。
ということで行った。那覇。しかしこれは遠征というより帰省である。それはいいとして、地方で見せてほしい試合といえばなんであろうか。やっぱりみんなホームランとか取って取られてのシーソーゲームとか守備のスーパープレーとかではないだろうか。そんな久しぶりのセルラースタジアムでのプロ野球公式戦2日目でロッテとオリックスに見せていただいた試合はなんだったかというと、1-1で延長12回引き分けの超投手戦であった。5回コールドで終わった前日の分も今日やることにしたらしい。ロッテはエラーを3つした。もっとしていたような気もする。
いや……確かにこれはこれでハラハラドキドキして野球の醍醐味ではあるけど……ピンチを迎えた時のプロのピッチャーの気迫溢れる投球を沖縄の野球少年少女たちに見てもらえてよかったけど…………いやまあもうこれはこれでいい。投手戦は中継で観るのが一番楽しい派だけど現地で観てもいい。ちなみにRBCでのテレビ中継は9時で終わったらしい。
そんなことより種市先輩である。これはもう種市大先輩である。相手のカスティーヨより明らかにピンチを背負う回数が多くて不公平だが(こっちはトータルで3安打しかしていないので……)なんだかんだで抑えてくれていた。7回裏、私はヘタレなので「ああダメだこれはもう点取られるし逆転されるし終わりだ」と早々に思った。しかし大先輩は大先輩なのでビシッっと押えて吠えた。すごい。弟子入りさせてください。
ここに限らず何度も何度も覚悟を決めそうになった。9回裏、うちの母と誕生日が同じなので応援されている澤村さんが2アウト2ストライクまで追い込んだのにエラーで同点になった時はもうサヨナラ負けバージョンのこのnoteの内容を考え始めていた。なんとか延長に持ち込んだが、別に何も解決していないのでほっとできない。ビジターの最大の問題点はサヨナラ負けの恐怖が付きまとうことである。那覇なんだから私にとっては元ホームなのになぜビジターとしてハラハラしなければならないのか……理不尽……。
延長になったらもう引き分けに持ち込むかサヨナラ負けするかの2つに1つだ。なぜ「勝ち越す」選択肢がないのかというとどうも打てる感じがしなかったからである。私の野球勘ではこのうちのどちらかしかないような気がしていた。で、なんだかんだで引き分けた。本当に「なんだかんだで」としか言いようがない。3安打3エラー被安打10で引き分けられたのが不思議である。どう見ても負けるパターン。格言でいえば、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉もあるが、引き分けには「不思議の引き分け」はあるのだろうか。ちょっと誰かノムさんに聞いてみてほしい。ロッテはどうも流れとか空気とかを読まないでぶった切っていく癖があるようなので、またそれが発動してしまったのであろう。
うちの父は決着がついてほしかったと言っていたし、私も相手がロッテじゃなければドカンとホームランで逆転サヨナラ、みたいなのを望んでいたと思うが、概してみんな盛り上がっていたようなのでよかった。ファールを打った瞬間が一番盛り上がっていたのも地方ならではだと思う。野球少年少女たちのフォールボール獲得にかける情熱はすさまじいものがあった。私の隣にいたお兄さんがファールボールをゲットしたのだが、その瞬間少年たちがワッと集まってきて「お兄さんカッコイイですね!」とか言って媚びて譲ってもらおうとしていた。
それにホームランも一発あった。ポラ様。考えてみれば3安打なのに引き分けられたのもヒット1本で点が入るホームランがあったおかげであり、彼がいなかったら終わっていた。そして今のところ私が観に行った試合では全部ポランコがホームランを打っている。6本中3本見た。5号はこの試合。
そういった盛り上がりもあったし、生のロッテの応援を家族に聴かせることもできたし、何よりもわざわざ帰省してサヨナラ負けを見せられることにならなくて本当によかった。ロッテのみなさん、北海道→沖縄の長旅と雨と延長12回おつかれさまでした。