見出し画像

月曜日の柳葉敏郎

[ShortNote:2020.3.9]

 全曜日の中で最も華やかでキラキラしている月曜日の柳葉敏郎です。なぜ最もキラキラしているのかというと、あの「月9」を擁しているからです。

⚫21:00台

・欽ドン! 良い子悪い子普通の子おまけの子(1983-1985年/フジテレビ)

 そもそも「ドラマ」ではないわけですが、欽ドンはちょっと特別なので入れました。柳葉敏郎エピソードゼロなので特別扱いされるべきです。これも一応月9だったんですね。

 とにかく上京したて感がすごいギバちゃんがかわいい。もう「ギバちゃん」と呼んでいいのかどうかすら怪しい。これは「柳葉くん」ではないでしょうか。初期(ヨシ川先生の頃)なんて今の私より年下なのでよりかわいく見える。そして大きめのメガネもかわいい。彼が再びメガネを掛けだすのはかなり年を経て老眼時代に突入してからなので貴重です。最近のメガネはフレームが細いものが多いですが、こういう太い黒縁もより一層顔の小ささが強調されるので似合うと思います。上京したてのはずなのにスーツも帽子もファッショナブルに決まりすぎなフツ田刑事も好きです。脚が長いし。見た目だけはもう既にシティボーイなのはさすがトレンディ俳優という感じがします。


・君の瞳をタイホする! (1988年/フジテレビ)

 シティボーイ感がさらに増幅されてしまった。この状態で六本木生まれとか言われたら信じてしまう。

 トレンディドラマの元祖と言われる作品ですが、そうは言っても遊んでばっかりではなく一応刑事の仕事もします。というか後にあの「踊る大捜査線」で重要なテーマとなった「本庁に抑圧される所轄」が既にここでちょっと出てるんですよね。本庁の刑事たちへのお茶出しさせられたり。すごいドラマです。

 ここでギバちゃんが演じる土門刑事は柳葉敏郎史上一、二を争う金持ちであり女たらしでありだいぶチャラくて本当に室井さんと同じ人が中に入ってる同じ職業の人かよと思わざるを得ませんが、本気で女を愛したことのない男が本当に惹かれていく(そしてそのことを口では否定するけど隠しきれない)過程が熱いです。エレベーターのシーンが好きです。

 あとエンディングで出演者の方々がトークするコーナーがあるのですが、新しく買った冷蔵庫で遊んだり渋谷ロフト(今とほぼ変わらない)にいたりするギバちゃん(27歳)があまりにもかわいいので絶対見てください。この時期のプライベートを知ることができる機会も貴重です。個人的に一番推したいのは第5話、柳葉敏郎×浅野ゆう子です。ここからがこの2人の伝説の始まりです。


・愛しあってるかい! (1989年/フジテレビ)

 詳しくはここで書いたので参照していただきたいんですけど、吹雪先生の前でもじもじする甲斐拓実、ギバちゃんはああいう演技が特に本当にうまいですね……天才なのかもしれない……。


・すてきな片想い(1990年/フジテレビ)

 野茂俊平ちゃんです。ちなみに野茂俊平の「野茂」は野茂秀雄の「野茂」から来ています。トレンディにキラキラする月曜日らしく彼も仕事に打ち込む素敵男子なのですが、過去に婚約破棄されたことがあるという心の傷を持っています。

 そんな彼が主人公の圭子ちゃんとだんだん近づいていくんですけど、この作品の大事なところは圭子ちゃんが初めて俊平ちゃんに電話した時、恥ずかしさのあまりとっさに「林ナナ」という別人格を名乗ってしまった結果正体をバラせずそのままズルズルいってしまい、俊平ちゃんは相手が「林ナナ」という圭子ちゃんとは別の女性だと思って電話を続けるというところです。これがラブストーリーに波乱を加えて面白くしています。俊平ちゃんは相手が圭子ちゃんじゃないと思ってるから実は圭子ちゃんのことが好きなんだって打ち明けてしまうし、圭子ちゃんも「林ナナ」として話してるから多少照れずに素直な気持ちも言えたりします。

 そして最終回のラスト10分くらいの俊平ちゃんが「林ナナ」の正体に気づいてからのくだりがミステリーの解決編を見ているかのようなクライマックス感でぜひ後世に語り継いでいきたいラストになっています。

 余談ですが、駅や電車のロケーション協力が京王電鉄なのでギバちゃんの次に京王線が好きな私は興奮しました。あの初代5000系が出てきたりサンリオキャラクターで飾られる前の京王多摩センター駅を見られたりします。圭子ちゃん&俊平ちゃんの最寄り駅のロケ地が府中競馬正門前駅(劇中では府中駅の設定)なんですが、今も当時と変わっていない上にここは競馬が行われる日以外は本当に人が少ないので聖地巡礼しやすいと思います。


(すてきな府中競馬正門前駅ホーム)


・コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命- 2nd season(2010年/フジテレビ)

 30年ぶりの月9ですがこの30年で何があったのかというレベルでキャラが変わっています。クール通り越して絶対零度みたいな黒田先生なのでギャップが甚だしい。ただ月曜だからなのか(関係ない可能性もあり)1stと比べて若干丸くなってはいます。あと黒田先生自身も周りも何も言ってなかったけど、黒田先生再婚してますよね? 指輪してましたよね? あれで別の人と再婚してたら泣いてしまうので復縁なんだろうと思いますが、今度はお幸せに……。


・財務捜査官 雨宮瑠璃子(2004-2014年/TBS)

 21時から始まってるし、主役がトレンディコンビの浅野ゆう子×柳葉敏郎なので局は違うけど実質月9です。2時間ドラマはキャラが命だと思ってるのですが、このお2人だけあって対照的なキャラとテンポのいい掛け合いが大変魅力的に仕上がっています。いつまでたってもゆう子さんと一緒にいるとギバちゃんは弟っぽく見えます。前世ではそうだったんじゃないかと思うくらい姉弟です。

 堅物でどっちかというと地味な雨宮さんに暴言を吐きつつたまにもじもじしたり慰めたり優しかったり素直になれない高校生みたいな村上ちゃんがかわいい。警察官のくせにキャバクラに通いすぎだったり上司に盾突いたり傍若無人だったりやることがめちゃくちゃですが、刑事はめちゃくちゃでもいいです。カッコいいので。


●22:00台

・よつば銀行 原島浩美がモノ申す! ~この女に賭けろ~(2019年/テレビ東京)

 光か闇かでいうと圧倒的に光属性だった月曜では異彩を放つ悪役・島津副頭取。ギバちゃんて「副」がつくと悪役になりがちですね。ロト7とか。でもギバちゃんの悪役はどれも小悪党じゃないのがいい。やるなら巨悪。そして純度100%のゲス野郎じゃなくて、どこかにその人なりの正義や価値観や大切にしているものが見え隠れしたり人間味を感じさせる描写があったりするのが好きです。島津副頭取の場合はお孫さんをかわいがってたり身分を隠してウクレレ教室に通ってたりというところですね。しかしあの上京したてのかわいい柳葉くんもついに孫のいるキャラを演じる歳になったのかと思うと感慨深いですね。

 島津副頭取といえば主人公原島さんの決めゼリフである「恐れながら申し上げます」をただ一人途中で「申さなくていい」と遮ったシーンが大好きです。これだけで彼の強敵ぶりがわかってしまいます。水戸黄門で言ったら「この紋所が目に入らぬか」って言ってる途中で「見なくていい」とか言うみたいなものです。ただごとではありません。こういう一筋縄ではいかない強悪役ぶりもカッコいいです。

いいなと思ったら応援しよう!