見出し画像

極私的サザンオールスターズプレイリスト(2020.6.17現在)

[ShortNote:2020.6.17]

 完全に今日この時の気分だけで選んだサザンオールスターズの20曲です。明日になったらまた違う曲を選ぶかもしれないし同じ曲かもしれません。なんとなくテンションを上げたかったのでロックでカッコいい系多めです。

・よどみ萎え、枯れて舞え(1984)

 すごいタイトルですね。何を食べて何をして生活してたらこんなタイトル思いつくんでしょうね。歌詞も曲調も都会的でおしゃれです。「良からぬ噂で夏、Eye to Eye to Eye」とかすぐ化粧品のキャッチコピーに使えるくらい美しい。アイシャドウ的な。「愛倫浮気症」という造語がさらっと差し込まれるのもいいです。こういう日本語がないなら作ってしまえ精神。

・メリケン情緒は涙のカラー(1984)

 基本的に脈絡がないサザンの歌詞では珍しくストーリー性があります。サスペンススリラー系です。正直に言うと柳葉敏郎主演で映像化していただきたい。突然こういう事件に巻き込まれる役似合うと思います。一番好きなフレーズは「BAND-HOTELのバスタブにゃ黒い薔薇 殺意告げるMessage On the Floor」です。

・死体置場でロマンスを(1985)

 物騒タイトルシリーズ。「死体」って。これもサスペンススリラー系歌詞ですが「メリケン~」よりコメディっぽい。こっそりラブアフェアしてた男女が香港でいきなり何者かに拉致される話です。おいしい葡萄の旅ライブでやった時、間奏のめちゃくちゃカッコいい毛ガニさんのソロの後すかさず2番の冒頭の改変歌詞で「野沢毛ガニ 去年ついに還暦になっちまった だけど嘘をつくところはいつまでも治らねぇ」っていじられてたのが好きでした。

・夕方Hold On Me(1984)

 「夕方」であり「You’ve gotta」です。イントロからしてぽんぽん跳ねる感じで愉快な気分になります。この曲で一番好きなのは「愛のア・カペラ」の後本当にアカペラになるところです。有言実行(?)。

・欲しくて欲しくてたまらない(1985)

 あの「KAMAKURA」の曲。個人的にはサザンの中で1、2を争うカッコいい曲だと思っています。サビの「大破恋恥 That’s the story 悲しみでこわれそう」のところが特に徹底的にクール。また新しい日本語作ってるし。

・さよならベイビー(1989)

 6月発売だからなのかなんとなく6月っぽい。気だるげなメロディと歌い方が色っぽい。あんまり「雲ひとつない晴天の真昼」って感じはしないですね。どっちかというとくもりで小雨が降り出してる午後とかそういう感じです。

・Big Star Blues(ビッグ・スターの悲劇)(1981)

 売れたか売れてないかでいったら売れてないんですけどそんなこと曲の良し悪しに関係ありません。カッコいいです。「Well, I’m gonna shoot him dead just like Mark Chapman」のくだりが好きです。ここまでスターの名前が並んでたのに急にマーク・チャップマン。

・JAPANEGGAE(1984)

 桑田さんがにほんごであそぼするとこうなる。英語に聞こえる日本語も散りばめられています。「愛苦ねば=I could never」とか。個人的に一番好きなフレーズは「可憐淫猥の情」です。ワードセンスが炸裂している。

・通りゃんせ(2000)

 あの「TSUNAMI」のB面。A面とは打って変わっておどろおどろしい。しかしゴリゴリのロック。ダウナー系鎌倉ソング。

 桑田さんが鎌倉学園高校に入ったばかりの頃鎌倉を見て「なんか陰気なところに来ちゃったなあ」と思ったという話をしてたと思うんですが、桑田さんの中の「鎌倉」にはこういう百鬼夜行の古都みたいな側面もあるのかなという気がします。鎌倉の地名や名物が大量に出てくるので、歌詞に出てきたところを巡るツアーもできるかもしれません。

 そしてそれらの歌への乗せ方が全部クール。「北条はん」が「Hold your hands」に聞こえるしたぶんそう歌ってます。一番たまらなかったのは「化粧坂紅葉が朱に染まる頃」。

・01MESSENGER~電子狂の詩~(1997)

 デジタルロック。「クール」「カッコいい」に振り切ったサザン。歌詞の切れ味もいいです。「メガロポリスを網羅する幻影(かげ)はマルチ・メディアか? 電脳の悪魔か?」とか、「孤独の部屋にプライベート・アイズ」とか、「人より進化(サバ)けた悪魔に恋をしよう」とか、キラーフレーズしかありません。アルバムバージョンの「(The Return of)01MESSENGER~電子狂の詩~〈Album Version〉」もまただいぶアレンジされていてこっちはこっちで素敵です。

・愛と欲望の日々(2004)

 タイトルもメロディも歌詞もジャケットもPVも大好きです。何もかも愛してます。特にPVの衣装がいい。ペリー風軍服と着物。来航したサザン+斎藤誠さんが毛ガニさんを見出してスカウトするという設定もあいまって完璧なチョイス。「大奥~第一章~」の主題歌だったのでロケ地が日光江戸村です。江戸×ディスコの融合。個人的にこの曲を生で聴かないと死ねないと思っているくらい思い入れがありすぎます。

・愛の言霊~Spiritual Message~(1996)

 バースイヤーソング。おどろおどろしい鎌倉周辺シリーズのひとつ。おどろおどろしいというか呪文のような不思議な雰囲気があります。和風かと思えばラップが入ってきたりスキャットが入ってきたり、「COME-A COOL RAP」で「カマクラ」と読ませたり。ライブでの炎の演出も幻想的で好きです。あと2003年の音楽寅さんでの建長寺ライブもよかったです。母校の隣が建長寺ってスケールが大きくていいですね。

・旅姿六人衆(1983)

 サザンの「隠れた名曲」と言われると真っ先に出てきます。もはや隠れていない。ファンやスタッフへの感謝の曲ですが、ライブのことを「お前が目の前にいるならいい ステキな今宵を分け合えりゃ」「華やかな者の影で今動く男達」と表現するセンスに恐れ入ってしまいます。夕方ぐらいに聴くと間違いなく泣く。それ以外でも泣くと思いますがとにかく夕方に合う。

・壮年JUMP(2018)

 何がいいかってこの中に出てくる「アイドル」や「スター」にはサザン自身は含まれておらず、むしろサザンは彼らのファンの目線から歌っているところです。サザンもエンタメ界で40年間やってきているわけですが、それでもアイドルたちを「憧れ」として見つめているところがいいなあと思います。「夢とロマンのスーパー・ヒーローは 未来のドアを開け去ってった」という歌詞がありますが、引退したり亡くなったりしたスターたちはどうしても「過去に消えていった」と表現されがちです。「あの人は今」とか。でもここではスターたちはそうではなくて「未来」に去っていったんだと歌われています。ここにグッと来ました。アイドルの存在はファンの心の中では永遠なんですよね。

・虫歯のブルース~インディアン狂想曲[MEDLEY](2000)

 「メドレー」なので当たり前ですが曲調がガラッと変わります。初夏っぽくなります。「sexとオシャレとモバイラー」のあたりとか、5月の風が吹き抜けたかのような爽やかさです。「sex」って言ってるのに。

・イエローマン~星の王子様~(1999)

 これの次のシングルが「TSUNAMI」なのおかしい。振り幅。高校生で電子辞書を買ってもらって最初に調べた英単語は「androgyny」だったんですけどそれは歌詞に出てくるからです。PVも好きです。中毒性があります。「ベストヒットUSAS」に収録されているんですが、高3の時に模試受けてる最中ずっと早く家帰ってPV観たくてうずうずしてたのを覚えています。模試に集中させてほしい。ちょっと衝撃的な終わり方がいいんですよね。このように私の高校生活にさまざまな影響を及ぼした曲です。

・YARLEN SHUFFLE~子羊達のレクイエム~(1998)

 アルバム「さくら」の曲であり非常に「さくら」らしい曲。なんといっても歌い方が過去最高に難解で歌詞の耳コピが不可能な域に達しています。歌詞カード見ないで完璧に聞き取れる人いないと思う。いたらごめんなさい。「揺りかごを揺らす手が殺意のリズムに変わればYARLEN SHUFFLE」。カッコいい。

・ワイングラスに消えた恋(2015)

 マダムゆうこりんこと原由子さんのボーカルアルバム曲シリーズ第13弾。マダムらしい熟した色っぽさの中にゆうこりんらしいキュートさが入っておりまさにワインのようです。アルバムタイトルが「葡萄」だからワインなんでしょうかとふと思いました。

・東京シャッフル(1983)

 昭和レトロでジャジーなリズムが楽しくておしゃれ。PVで当時27歳の桑田さんが大きめの黒縁メガネをかけているんですけれども、それがかわいすぎる。桑田さんのメガネいいんですよね。あと当たり前ですけどメンバーがみんな若い。ヒロシさんかわいい。

・C調言葉に御用心(1979)

 歌詞を切らない感じの歌い方が好きです。決して抑揚をつけずダラダラ歌っているわけでもないのに気だるげでセクシーなところがあります。だいぶ前ホンマでっかTVで「男性は付き合いが長くなるとかえって女性の涙に心を動かされなくなっていく」みたいな話を聞いた時真っ先にこの曲の「恋をすればするだけ女の泣いた顔に醒めてく」を思い出しました。根拠のある歌詞だったのか。

〈Amazon Music プレイリスト〉


いいなと思ったら応援しよう!