My Fair Lady
コロナはもうなかったことのようになっているロンドン、パフォーミングアートもかなり復活してきているので、最近は観劇に行きまくっている。
せっかくなので、観劇記録をこのノートにつけていくことにしようかと。
まずは言わずと知れた名作My Fair Lady。 今年の5月から8月までの期間限定でウェストエンドで上演。名作といいつつ、映画も観たことなかったのだけど、ロンドンを舞台にしているストーリーだからロンドンで観られるのはとても光栄!
劇場
劇場はコベントガーデンにほど近いLondon Coliseum。ここの劇場は前回来たのはくるみ割り人形のときだったな。。バレエの上演も比較的多いイメージの、豪華な造りの劇場。コベントガーデン舞台のストーリで、コベントガーデン近くの劇場というのがまず最高!
劇場に入ると、まず目についたのがお花屋さん。華やか!
くるみ割り人形のときはなかった気がするから、恐らくMy Fair Ladyの花売り娘にちなんでの特設なんだと思う。開演前に花を買って、終演後に受け取り、、、なんてことも出来るらしい。素敵すぎる。。
花好きとしては見てるだけで素通りできず。。。ついお花の栽培セットを買ってしまった。今年植えるにはちょっと遅すぎるから、来シーズントライしてみよう。
会場内、物販もバーもいたるところがお花で装飾されていて、とても華やかな気持ちに。これはミュージカルも楽しみ!
ミュージカルパフォーマンス
今回のキャストは以下の通り。
イライザ役はアフリカ系の女優さん。パワフルな演技で、歌も上手だった。I could have danced all nightは圧巻。でも、最初の方のシーンは、訛りのコックニーアクセントが強すぎて何言っているのかわからなくて急に自分の英語リスニング力が落ちたのかと思った。笑
途中から発音を直されたら聞き取れるようになったので、コックニーアクセントのせいだな。そしてイライザのお父さんは最後までコックニーアクセントなので、最後まで何言っているのかわからなかった!😂
発音が如実に階級を表すイギリス、私も発音を直さないとな。。。と思わさせられた。今は階級だけじゃなくて色んな国からの移民もいるし、もっと発音から得られる個人の情報は複雑になってきているけど。これ、日本ではコックニーアクセントはどこの方言で現わされるんだろう。
ストーリーについて。マイフェアレディは今回初めて観たのだけど、事前知識としてはプリティウーマンのもとになったストーリーということと、ロンドンを舞台にしたストーリーということのみ。プリティウーマンはちょうど昨年観たのだけれど、「娼婦が金持ちに見初められて洗練していく」というシンデレラストーリー自体がこのガールズエンパワーメント全盛の世の中で古臭く感じられて受け入れられなかったのと、どうもアメリカの成金臭がしてしまってわりと苦手だったので。。。その元になったストーリーということはやはり男尊女卑で受け付けないかな?と思っていたのだけど。
結論からいうと、意外とこの設定とストーリーがすんなり受け入れられた気がする。恐らく階級社会のあるイギリス舞台なのと、時代設定が少し古めなので、そんなものかなと。あとは娼婦じゃなくて花売り娘な点でややマイルドだし、ヒギンス教授の変人ぶりがぶっ飛んでいたので、まぁそういう奇妙な事(=花売り娘を洗練したレディへ生まれ変わるようにする実験)をやりそうだな、と思わせなくもない。
それにしてもヒギンス教授は本当に変わっていて、多方面に喧嘩を売っている。Why Can’t the English?という冒頭で最近の人たちはみなproperな英語を話さない!と嘆く歌の歌詞には
The Scotch and the Irish leave you close to tears!
だとか、
There even are places where English completely disappears-
Well, in America they haven't used it for years!
だとか。多方面にしょっぱなから喧嘩売りすぎ。笑
他にも、イライザが逃げ出したときの途中の歌では、その名も
Why Can't a Woman Be More Like a Man?
という歌があったり。この歌の歌詞も男尊女卑が強烈↓
Why does every one do what the others do?
Can't a woman learn to use her head?
Why do they do everything their mothers do?
Why don't they grow up, well, like their father instead?
そりゃイライザも逃げ出すよ。。。と妙に納得させられる。結局、イライザとヒギンス教授は恋愛関係にはならないという理解で合っているのかしら。
マイフェアレディは、プリティウーマンよりもわりときちんと女性が最終的に自立する感じがあってよかったのかもしれない。プリティーウーマンは結局最初からずっと身体は重ねているし、最終的にそこにロマンティックな関係が生まれるだけであまり女性の自立を感じなかったのだよな。。。
こういうクラシックなミュージカルは、音楽と題材は素晴らしい一方、だんだん時代が合わなくなってくる部分はある。でも、もう時代劇として?楽しむのが観客としては正しい楽しみ方なのかな。それにしても華やかであった。。。
修士留学からしばらく経ち、今は日本人ひとりの職場でなぜか修行中。現地企業での日常、イギリスの今を備忘録として。