ウェブサイトのユーザビリティをSystem Usability Scale(SUS)で定量的に評価してみた
¡Hola! マイコです。
担当しているサービスのユーザビリティをKPI(重要業績評価指標)として管理することになり、System Usability Scale(SUS)を活用して定量的に評価する仕組みを構築しました。今回は、SUSの概要とその特徴について、学術的な論文も交えながらご紹介します。
SUSとは?
ユーザビリティ評価は、従来はインタビューや観察などの定性調査が主流ですが、サービス改善を継続的に進めるためには、定量的な指標が必要です。ここで便利なのが、System Usability Scale(SUS)です。SUSは、ユーザビリティを簡単かつ定量的に評価するための広く使われている手法です。100点を最高点としてユーザビリティを点数化することができます。
SUSの主な特徴は以下の通りです:
質問内容と順序が決まっている:SUSでは、ユーザに10個の定められた質問を提示し、回答してもらいます。これにより、質問設計の手間を省き、標準化された評価が可能です。
少ないサンプル数でOK!:通常、SUSの評価には8〜10人程度の回答者がいれば、十分なデータが得られると言われています。これにより、ユーザ、評価者双方にとって負担少なく実施できます。
結果の解釈が容易:多くの研究事例やサービスでの実践例があるため、初心者でも結果の解釈がすぐできます。
解釈の際に参考になるのがこちらの図です。
SUSの平均と言われているのが68です。68点は、GOOD寄りのOKであることから「まぁいいかな」という感覚が平均と言えます。
サンプル数そんなに少なくて大丈夫?と思うのですが、こちらのサンプルサイズ比較の論文によると、10で80%、12で100%になっていました。
質問項目
質問項目は次の10個で、5段階のリッカートスケールで回答を取得します。
このウェブサイトを頻繁に使用したい
このウェブサイトは必要以上に複雑だと思う
このウェブサイトは使いやすいと感じた
このウェブサイトを使うには専門的なサポートが必要だ
このウェブサイトの様々な機能は統合されていると感じた
このウェブサイトは一貫性が欠けていると思う。
大半の人はこのウェブサイトをすぐに使いこなせるようになると思う
このウェブサイトは操作しにくい
このウェブサイトを使いこなせる自信がある
このウェブサイトを使い始める前に知らなければならないことがたくさんあると思う
計算方法
①回答を数値化
リッカートスケールの回答を次のように数字に置換します。
「とても当てはまる」=5
「やや当てはまる」=4
「どちらでもない」=3
「あまり当てはまらない」=2
「まったく当てはまらない」=1
②各回答者のSUS値を算出
計算式は次の通りです。
SUS値 = (x+y)×2.5
x=奇数の設問回答の合計−5
y=25−偶数の設問回答の合計
③平均SUSスコアを算出:
すべての回答者のSUSスコアを平均化し、全体の評価結果を算出します。
結果と改善へ
今回のSUSの結果は、直観的な感覚をそのまま数値化したような納得感のある値でした。納得感がありすぎて、びっくりしました。
これまで定量的に追いかけることができなかったユーザビリティの指標を、SUSを使って明確に可視化できたことは大きな一歩です。この定量的なデータをもとに、今後はさらにユーザー体験を向上させるための改善に取り組んでいきます。