「早期退職」募集は黒字企業が過半数!~東京商工リサーチ
2024年上半期(1-6月)の、上場企業「早期・希望退職募集」状況を東京商工リサーチが公表し、募集している企業の半数以上、約6割が黒字企業だということがわかりました。
業績悪化によるものが多かった「早期・希望退職募集」の事情が変わってきています。
「早期・希望退職募集」そのものは、「リーマンショック」(2008年9月)の時期に22,950名を記録したあと低下し、コロナ禍で一度増加しますが、現状はこの15年間では低水準です。
特徴的なのは、「早期・希望退職募集」企業の過半数が黒子企業だということです。
2022年、2023年も黒字企業は拡大傾向にありましたが、今回は半数を超える結果に。
今回、「早期・希望退職募集」が判明した上場企業36社のうち、9社1800人、人数割合で33%が電気機器企業、次点で7%が情報・通信業となっています。
どちらも、情報のキャッチアップや新しいアイデアがより重要になる業種です。
厚生労働省の平成15年雇用管理調査結果の概況(平成16年で廃止の調査)によると、「早期退職優遇制度」の適用開始年齢は、40歳~55歳が多数を占めています。
従来の、赤字企業が業績悪化により利用する制度から、黒字企業が新陳代謝を活発にするために利用する制度という意味合いが大きくなりつつあるようです。